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🎧 Listen Up: A Systematic Review of the Utilization and Efficacy of Podcasts for Medical Education
2006年から2023年までの149件の研究を対象に、ポッドキャストの利用状況と効果を系統的にレビュー。
2020年以降、医学教育におけるポッドキャストの利用が急増し、特に救急医学や医学生を対象としたものが多い。
学習効果に関する評価は、主に「満足度」や「自己報告」に留まり、客観的な知識向上や行動変容に関するエビデンスは限定的。
従来の教育手法と比較した研究では、ポッドキャストが同等または優れた効果を示すものもあるが、全体的な研究の質は低いと評価されている。
Bertolizio G, Huang YT, Garbin M, et al. The use of extended reality in anesthesiology education: a scoping review. Can J Anesth. 2025, in press.
🧠 背景
近年、医療教育において拡張現実(XR:AR・MR・VRの総称)の活用が進んでいる。高忠実度シミュレーションと比較して、コストや人的・物理的リソースの削減が期待される一方で、麻酔教育分野での実際の効果や適用状況は明らかでない。
🧪 方法
2010年から2023年までに発表された文献を対象としたスコーピングレビューを実施。麻酔学関連の技能教育にXRが用いられており、かつ他の教育手法との比較が行われた研究を対象に62件を選定した。
📊 結果
💡 考察
XRは特に技術的スキルの向上や学習者の満足度向上に寄与する一方で、非技術スキルの評価や臨床的成果に直結する証拠は不十分である。また、AR・MR・VRの定義や使用機器にばらつきがあり、教育効果の比較が困難となっている。今後は学習目標に応じたXRツールの選定と、標準的手法との非劣性を検証する研究が求められる。
✅ まとめ
本レビューは、麻酔教育におけるXRの有効性と課題を包括的に明らかにした。今後の研究では、定義の統一、客観的なアウトカムの設定、臨床現場での効果検証を通じて、XR導入の最適化が期待される。
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Froeliger A, Deneux-Tharaux C, Madar H, et al. Closed- or open-glottis pushing for vaginal delivery: a planned secondary analysis of the TRAnexamic Acid for Preventing postpartum hemorrhage after vaginal delivery study. Am J Obstet Gynecol. 2024; 230: S879–S889.
🧠 背景
分娩第2期における「いきみ方」──つまり呼吸法(クローズド・グロットいきみ=息を止めていきむ、オープン・グロットいきみ=息を吐きながらいきむ)──が、母体や新生児の転帰に与える影響は明らかでなく、国際的なガイドラインでも「好みに応じた方法を推奨」とされている。だが、実際にどちらがどのような影響をもたらすのかについては、十分なエビデンスがなかった。
🔬 方法
本研究は、2015~2016年にフランスの15施設で実施されたTRAAP試験(経腟分娩後の出血予防のためのトラネキサム酸RCT)の二次解析である。対象は妊娠35週以降の単胎分娩を計画していた3,041人。いきみ方は、分娩直後に助産師が記録した「オープン・グロット(自然呼吸型)」と「クローズド・グロット(バルサルバ法)」に分類された。主要評価項目は鉗子・吸引などの器械的経腟分娩の発生率で、母体・新生児アウトカムや産後満足度、2ヶ月後の心理的影響も評価された。
📊 結果 全体の81%がクローズド・グロット、19%がオープン・グロットを使用していた。
🤔 考察
経産婦において、オープン・グロットいきみは器械的分娩のリスクを低下させる可能性が示唆されたが、その因果関係や生理学的メカニズムは明確ではない。医療者による選択バイアスの可能性も否定できない。なお、初産婦ではいきみ方が分娩結果に与える影響は限定的であった。
✅ まとめ
初産婦においてはいきみ方の違いによる影響は限定的であり、どちらを選んでも安全と考えられる。一方、経産婦ではオープン・グロットの方が器械的分娩のリスクが低くなる可能性があることから、個々の状況に応じた選択と医療者との共有意思決定が重要である。
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Mazda Y, Uokawa R, Tanabe S, et al. Current situation of labor epidural analgesia in Japan: a cross-sectional study. Int J Obstet Anesth. 2020;44:56–7.
🧠 背景
日本では無痛分娩(LEA)の普及が進む一方で、安全性の確保が課題となっている。特に、麻酔科専門医の不在下での実施が問題視されており、2017年には深刻な合併症が発生したことを受け、厚生労働省と日本麻酔科学会が安全強化策を打ち出した。
🔬 方法
厚生労働省に登録されたLEA実施施設444カ所を対象に、常勤の日本麻酔科学会認定麻酔科専門医の在籍状況を、施設のウェブサイト情報とJSAの認定リストを照合して調査。施設を、麻酔科専門医が常勤する「施設A」と、常勤しない「施設O」に分類し、分娩件数やLEA実施率などの指標を比較した。
📊 結果
・調査対象の444施設中、136施設が「施設A」、291施設が「施設O」
・施設Oの方が年間LEA件数(中央値42件)やLEA実施率(中央値11%)が高かった
・一方、施設Aでは帝王切開率が高く(中央値26%)、LEA対象となる経膣分娩が少ない傾向
・施設Aは大都市圏に集中しており、17都道府県には存在しなかった
💡 考察
LEAの大半が麻酔科専門医の常勤しない施設で行われており、安全性の観点から課題が残る。過去の研究では、産科医によるLEAでは重大な合併症の発生率が高く、専門的な気道管理が必要となるケースも報告されている。全国的な安全体制構築には、専門医の関与と、制度的な支援が不可欠である。
✅ まとめ
日本における無痛分娩の現状は、麻酔科専門医の不在下での実施が多数を占め、安全性向上のためには全国的なデータベースの整備と人材育成が急務である。
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Mize BM, Reif RJ, Spears GL, et al. ROTEM’s utility in guiding resuscitation of traumatic lower extremity fracture patients. Arch Orthop Trauma Surg. 2025; 145: 170.
🧠 背景
重症外傷患者の出血による死亡は予防可能な死因の1つであり、早期の止血管理が重要とされる。ROTEMは、リアルタイムで凝固異常を把握し、輸血判断を支援する検査として注目されてきた。本研究は、下肢の外傷性骨折患者において、ROTEMの臨床的有用性を検討したものである。
🔬 方法
アメリカのレベル1外傷センターにおける2014年~2018年のデータを用いたレトロスペクティブ・コホート研究。ROTEM検査を受けた18歳以上の骨盤・大腿骨・脛骨骨折患者を対象に、①骨折部位と凝固プロファイル、②入院・ICU滞在期間との関連、③治療方針(外固定 vs. 早期内固定)との関連を評価した。
📊 結果
• ROTEM APTEMおよびEXTEMでは、患者の約7割が正常な凝固状態を示した。
• INTEMでは約7割が低凝固性であった。
• ROTEM APTEMが低凝固性の患者は、入院期間(平均+2.8日)、ICU滞在(平均+5.1日)が有意に延長した。
• ROTEM INTEMの凝固性も入院期間延長と関連(平均+1日)。
• ROTEMプロファイルと手術法(外固定 vs. 内固定)には明確な相関が見られなかった。
• 異常ROTEMを示した患者全員が輸血を受けたわけではなく、適応は限定的であった。
🤔 考察
ROTEMは重度多発外傷の一部症例においては有用性があるものの、単独の下肢骨折患者に対してルーチンで行う意義は薄い。APTEMプロファイルと入院・ICU滞在の関連性は一定の示唆を持つが、治療方針決定への直接的貢献は限定的であると考えられる。
✅ まとめ
ROTEMは下肢外傷骨折患者全般に適用すべき検査ではなく、重症出血や多発外傷など、選択的な使用が求められる。今後は、ROTEMの適応をより明確に定義する研究が必要である。
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Lips W, Sie CS, Freeman LM. Urinary retention during and after labor with programmed intermittent epidural bolus (PIEB) analgesia: a prospective observational study. Int J Obstet Anesth. 2025; 61: 104926.
🧠 背景
無痛分娩におけるPIEB(間欠的硬膜外ボーラス投与)は母体満足度の向上に寄与する一方、尿閉のリスクが懸念されている。本研究は、PIEB使用中および使用後の尿閉の発生頻度と関連因子を明らかにすることを目的とした。
🔬 方法
オランダの医療施設で、PIEBによる無痛分娩を受けた妊婦137名を対象に前向き観察研究を実施。分娩中および分娩後の排尿状態を評価し、排尿後の膀胱残尿量が150mL以上の場合を尿閉と定義した。
📊 結果
分娩中に尿閉が確認されたのは137名中48名(35%)、うち自力排尿を試みた27名では11名(約40%)が尿閉。一方、分娩後3〜4時間以内に排尿がなかったのは37名で、そのうち10名(約7.3%)が150mL以上の残尿を認め、尿閉と診断された。また、初産婦は経産婦よりも平均残尿量が多く、尿閉のリスクが高い傾向があった。
💡 考察
自力で排尿可能な女性は、PIEB中でも尿閉リスクが低いことが示された。また、分娩後3〜4時間以内に排尿がない場合でも、残尿量が50mL未満であれば、導尿の必要性は低い可能性がある。
✅ まとめ
PIEBを用いた無痛分娩において、尿閉のリスクはあるものの、その発生は限定的であり、残尿量の評価に基づいた判断が適切なケアにつながる。本研究は、安全なPIEB運用における実践的な指標を提供している。
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Mazda Y, Peacock S, Wolfstadt J, et al. Developing a business case for a regional anesthesia block room: up with efficiency, down with costs. Reg Anesth Pain Med. 2021; 46: 986-91.
🧠 背景
股関節や膝関節の人工関節置換術(TJA)において、末梢神経ブロック(PNB)は術後の痛みとオピオイド使用を減らす有効な手段である。しかし、実施には人員・設備・手術室(OR)時間が必要であり、従来は資源不足が障壁となっていた。
🔬 方法
学際的な医療チームが、TJA患者のために地域麻酔を行う専用スペース「ブロックルーム」の導入に向けたビジネスケースを策定。組織の準備状況評価、過去データの分析、コスト・ベネフィット試算、リスク評価を行い、病院経営層に提案した。導入後は前後比較により効果を検証した。
📊 結果
ブロックルーム導入により、1件あたりの手術室滞在時間(TOR)が166分から143分へ、麻酔管理時間(ACOR)は46分から26分へ短縮された。これにより日ごとにTJA手術を1件追加でき、期間中で24件の追加手術が実現。PNBの実施率は63.1%から87.0%に上昇した。安全性に関する有害事象は報告されなかった。 コスト面では、導入費用として人件費約22.5万CAD(約2475万円)、超音波装置2台の設備費約10万CAD(約1100万円)が必要であったが、時間短縮による節約効果は1件あたり約460CAD(約5万円)、全体で17万CAD以上(約1870万円)と試算された。
💡 考察
ブロックルームは、手術前の麻酔処置を並列化することで、ORの回転率を改善し、病院の収益性・患者満足度・臨床アウトカムを同時に向上させる可能性を示した。本研究は、医療従事者が管理層に対して投資価値を定量的に示すための実用的なフレームワークを提供している。
✅ まとめ
地域麻酔ブロックルームの導入は、TJA患者のケアの質を高め、手術室の効率を改善し、コスト効果も高い施策である。本研究は、その導入と評価のための具体的な手順と効果を明確に示しており、他施設での応用可能性も高い。
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Ripolles-Melchor J, Tome-Roca J, Zorrilla-Vaca A, et al. Hemodynamic Management Guided by the Hypotension Prediction Index in Abdominal Surgery: A Multicenter Randomized Clinical Trial. Anesthesiology. 2025; 142: 639–54.
🧠背景
手術後の急性腎障害(AKI)は予後を悪化させる重大な合併症であり、術中の低血圧がその一因とされている。低血圧を事前に予測し、未然に防ぐ手段として、Hypotension Prediction Index(HPI)の活用が注目されているが、予後改善への直接的な効果はこれまで明確でなかった。
🔬 方法
スペイン国内の28施設で、腹部手術を受けるAKIリスクの高い患者977名を対象に、多施設ランダム化比較試験を実施。HPIを用いて循環動態を管理する介入群と、通常通りの管理を行う対照群に無作為に割り付け、術後3日以内の中等度から重度のAKI発生率を主要評価項目とした。
📊 結果
AKIの発生率はHPI群で15.7%、対照群で17.9%と差はあったが、有意ではなかった(p=0.39)。術中の低血圧持続時間には差があり、平均動脈圧<65mmHgの時間中央値は、HPI群で16分、対照群で28分と短縮されていた。その他の主要アウトカム(死亡率、ICU入室率など)にも有意差はなかった。
🤔 考察
HPIは術中の低血圧を短縮する可能性は示されたが、AKIの発生抑制にはつながらなかった。低血圧を予測するだけでなく、それに対する適切な対応戦略が整っていない可能性がある。
✅ まとめ
HPIによる循環管理は低血圧の予測と短縮に一定の効果を示したが、AKIなどの術後合併症の抑制にはつながらなかった。HPIの活用には、予測に加えて有効な介入手順の確立が必要である。
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Jackson KL, Smiley RM, Lee AJ. Neonatal acid-base status before and after discontinuing routine left uterine displacement for elective cesarean delivery: a retrospective cohort study (2014–2017). Int J Obstet Anesth. 2025; 62: 104350.
🧠 背景
予定帝王切開中の子宮左方移動は、仰臥位低血圧症候群の予防として長年実施されてきた。しかし、近年の画像診断研究では、その必要性に疑問が投げかけられており、実際の母児への影響を検証する臨床データは限られていた。
🔬 方法
単一施設における後ろ向きコホート研究を実施。2014年(子宮左方移動あり)と2017年(子宮左方移動なし)に予定帝王切開を受けた計620例を比較した。すべての症例で脊髄くも膜下麻酔、フェニレフリンによる血圧管理、標準化された周術期管理が行われた。
📊 結果
新生児の臍帯動脈pH、BE、乳酸値に有意差は認められなかった。Apgarスコアが5未満の割合や蘇生の必要性にも差はなかった。
💡 考察
ルーチンの子宮左方移動は、新生児の酸塩基平衡や臨床的アウトカムに影響を与えない可能性が示唆された。母体血圧の厳密な管理がなされていれば、子宮左方移動を省略しても安全性が保たれる可能性がある。
✅ まとめ
本研究は、子宮左方移動のルーチン実施が必ずしも必要ではない可能性を示し、帝王切開時の体位管理に関する再評価のきっかけとなる知見を提供している。
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Mazda Y, Arzola C, Downey K, et al. Programmed intermittent epidural bolus for labour analgesia: a randomized controlled trial comparing bolus delivery speeds of 125 mL·hr⁻¹ versus250 mL·hr⁻¹. Can J Anesth. 2021; 68: 1234–1252.
Programmed intermittent epidural bolus(PIEB)の注入速度が分娩中の鎮痛に与える影響を検討したランダム化比較試験。
🔹 PIEB注入速度 125 mL/h vs 250 mL/h🔹 対象:初産婦90名(分娩第一期)🔹 共通条件:0.0625%ブピバカイン+フェンタニル2μg/mLを10 mL、40分ごとに自動注入🔹 主な評価:T6以上の感覚ブロックの有無、低血圧の頻度など
📌 注目ポイント・T6以上の感覚ブロック「1回以上」では差なし(60% vs 64%)・25%以上の回でT6以上だった人の割合は有意差あり(31% vs 53%)・低血圧の発生率は、125 mL/h群で有意に低い(11% vs 33%)・痛みの強さ、麻酔薬使用量、患者満足度は両群で同等
📎 臨床への示唆PIEBの注入速度を下げても鎮痛効果は維持され、高位ブロックや低血圧を軽減できる可能性が示されました。PIEBの設定を見直すきっかけになるかもしれません。感想やリクエストなどは「#ワンますラジオ」で!
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