#ワンますラジオ

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By 松田祐典|麻酔科医MedicineHealth & Fitness
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#ワンますラジオ episodes

  • 【麻酔全般#4】ベストなカプノグラフィーのデザイン

    Shepherd AA, Proc JL, Ward PA, et al. A UK-wide survey evaluation of capnography variation. Anaesthesia. In press.


    🔍 カプノグラフィ表示のばらつき(イギリス)

    波形カプノグラフィは、気道管理における命綱。しかし、その表示方法がバラバラだと、命を守るどころかリスクになることも…。

    このエピソードでは、イギリスの病院138施設から集められた9,000以上のデータをもとに、波形カプノグラフィの現状と標準化の課題について解説します。

    ✅ 36通りの表示バリエーション✅ 標準形式の採用率はたったの15%✅ 機械の半数以上は設定変更可能なのに、なぜ進まない?✅ 命を守るには“デザインの力”が必要


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    11 min
  • 【産科麻酔#3】不妊治療と心臓病リスク

    Pivato CA, Inversetti A, Condorelli G, et al. Cardiovascular safety of assisted reproductive technology: a meta-analysis. Eur Heart J. 2025; 46: 687–698.


    この研究では、不妊治療を受けた50万664人の女性と、治療を受けていない3,639万5,240人の女性、合計約3,690万人 を対象に、心血管疾患のリスクが本当に高まるのかを検証しました。


    研究の概要

    この研究は、過去の論文を総合的に分析する「メタアナリシス」という手法を用いています。対象となったのは、1990年から2024年までに発表された10の研究で、追跡期間の中央値は10年と、比較的長期間にわたるデータが含まれています。

    解析の結果、以下のような結論が得られました。


    研究結果:不妊治療と心血管疾患のリスク

    • 主要な心血管疾患リスク(MACE)→ リスク上昇なし(リスク比 1.04、95%信頼区間 0.88–1.23、P値 = 0.63)
    • 冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)→ リスク上昇なし(リスク比 0.88、95%信頼区間 0.71–1.10、P値 = 0.26)
    • 脳卒中(脳梗塞・脳出血)→ わずかにリスクが高い傾向(統計的には有意でない)(リスク比 1.21、95%信頼区間 0.92–1.59、P値 = 0.17)
    • 静脈血栓塞栓症(肺塞栓・深部静脈血栓)→ リスク上昇なし(リスク比 0.95、95%信頼区間 0.70–1.28、P値 = 0.73)
    • 高血圧→ リスク上昇なし(リスク比 1.08、95%信頼区間 0.88–1.32、P値 = 0.46)
    • 糖尿病→ リスク上昇なし(リスク比 1.03、95%信頼区間 0.86–1.22、P値 = 0.77)
    • 心不全→ むしろリスクが低い傾向(リスク比 0.75、95%信頼区間 0.60–0.94、P値 = 0.01)


    つまり、「不妊治療を受けたからといって、長期的に心血管疾患のリスクが上がるわけではない」という結果でした。


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  • 【研究紹介#1】「産後の肥立ち」は何日かかる?

    Mazda Y, Ando K, Kato A, et al. Postpartum recovery of nulliparous women following scheduled cesarean delivery andspontaneous vaginal delivery: a prospective observational study. AJOG Glob Rep. 2023; 3: 100226.


    📝研究の概要

    目的:初産婦における予定帝王切開(CD)と経腟分娩(SVD)の入院中の産後1週間の回復を比較。あわせて、日本語版ObsQoR-10(出産後回復スコア)の妥当性・信頼性・実用性を評価。

    方法:埼玉医科大学総合医療センターにて、健康な初産婦98名(帝王切開48名、自然分娩50名)を対象とした前向き観察研究。

     

    📊主な結果

    🔹回復速度の違い

     帝王切開:回復スコアは4日目がプラトー

     経腟分娩:回復スコアは3日目がプラトー

     1日目・2日目は経腟分娩の方が明らかに良好

    🔹ObsQoR-10日本語版の評価

     妥当性:EQ-5D-3L、GHVASと高い相関

     信頼性:Cronbach α = 0.88(高い)

     再現性:テスト−再テスト信頼性も良好(ICC = 0.89)

     実用性:24時間以内の回答率98%、全員が質問に答えられた

     

    💡臨床的な意義

    経腟分娩の方が術後2日間の回復が良好

    ObsQoR-10-Japanese は、出産後回復が可視化できる

    患者と医療者の間で分娩方法や入院期間についての対話に役立つ

     

    🎯 結論

     初産婦における出産後回復は、経腟分娩で3日、帝王切開で4日程度。

     日本語版ObsQoR-10は有効なツールであり、今後の更なる発展に寄与するだろう。

     

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    11 min
  • 【麻酔全般#3】ゲノムでPONVは予測できるか?

    Douville NJ, Bastarache L, He J, et al. Polygenic Score for the Prediction of Postoperative Nausea and Vomiting: A Retrospective Derivation and Validation Cohort Study. Anesthesiology. 2025; 142: 52–71.


    🧩 研究の背景

    術後の吐き気と嘔吐(PONV)は、依然として頻度の高い周術期合併症の一つであり、既知の臨床リスク因子(例:女性、非喫煙、オピオイド使用歴など)ではそのすべてを説明できないことが指摘されている。本研究は、PONVの発生における遺伝的要因の関与を明らかにし、ポリジェニックスコア(polygenicscore, PGS)による予測の有用性を検討したものである。

     

    🧪 方法

    64,000人超の手術患者データと遺伝情報を、ミシガン大学とヴァンダービルト大学のバイオバンクから取得し、GWAS(ゲノムワイド関連解析)を実施。その後、得られた遺伝的関連情報からPGSを構築し、独立した検証コホートにおいて、PONVの予測力を評価した。解析にはc-statisticとネット再分類指標(NRI)を使用した。

     

    📊 主な結果

    PGSはPONV発症と統計的には有意な関連を示し、従来のリスク因子に追加することでモデルの識別力はわずかに向上(c-statisticで+0.003、NRIで4〜5%の改善)した。ただし、PGSの影響力は小さく、女性であることやPONV既往のような臨床因子に比べて効果は一桁小さい。1SD高いPGSを持つ患者でも、PONVのリスク上昇はわずか2〜3%にとどまった。

     

    🧠 解釈と意義

    大規模コホートを用いた網羅的アプローチにより、PONVと関連する遺伝的変異群が示されたことは意義深い。しかしながら、臨床予測モデルにおいてPGSが果たす役割は限定的であり、現段階では臨床応用の価値は低いといえる。今後の課題として、非白人集団への外的妥当性、PONVの重症度や持続時間との関連、ならびにPGSのコストパフォーマンスの精査が挙げられる。

     

    ⚠️ 限界と批判的視点

    ・症例は主に白人のアメリカ人に限られ、他の人種への一般化は難しい

    ・PONVの診断はPACUでの記録ベースであり、主観的な症状や未記録の症例が除外された可能性がある

    ・PGS導入にかかるコストや実装面の課題には言及がない

    ・PONV予防薬の使用が変数に影響を与える可能性も検討課題

     

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  • 【産科麻酔#2】だれでもできる胎児麻酔⁉︎

    Naus CA, Mann DG, Andropoulos DB, et al. “This is how we do it” Maternal and fetal anesthetic management for fetoscopic myelomeningocele repairs: the Texas Children's Fetal Center protocol. Int J Obstet Anesth. 2025;61:104316.


    先天性の難病の胎児手術が先進医療に認定 阪大などグループ 

    第168回先進医療技術審査部会 資料1―4


    ■ 胎児手術とは?胎児手術とは、出生前に診断された病気を治療するために、お腹の中の赤ちゃんに対して行われる手術のことです。その中でも「二分脊椎症(Myelomeningocele, MMC)」の胎児手術は、出生後に治療するよりも脳室シャントの必要性を減らし、運動機能を向上させることが知られています。しかし、開腹手術は母体への負担が大きいため、より低侵襲な「胎児鏡手術(fetoscopic repair)」が注目されています。


    ■ テキサス小児病院のアプローチこの論文では、テキサス小児病院の胎児鏡手術における麻酔管理プロトコルが紹介されています。彼らの手法は「開腹補助2ポート法(laparotomy-assisted two-port fetoscopic technique)」で、2014年に最初の手術を実施し、現在までに191件の手術を行ってきました。


    ■ 麻酔管理のポイント

    1. 術前管理
      • 母体の健康状態を最適化し、手術前の不安を軽減するための説明を徹底
      • 経口水分摂取を推奨し、脱水を防ぐ
    2. 手術中の管理(母体)
      • 全身麻酔+硬膜外麻酔:術後の痛みを抑えるため、全身麻酔に加えて硬膜外麻酔を使用
      • 子宮の収縮抑制(tocolysis):麻酔薬の選択とマグネシウム硫酸の投与で子宮の収縮を抑える
      • 体温管理:室温を26.7℃に設定し、母体の低体温を防ぐことで胎児の心拍数を安定化
    3. 手術中の管理(胎児)
      • 胎児への直接麻酔(フェンタニル10mcg/kg、ベクロニウム0.2mg/kg、アトロピン20mcg/kg)を筋肉注射
      • 胎児の心拍数を超音波でリアルタイム監視し、異常があれば迅速に対応
    4. 術後管理
      • 硬膜外麻酔から経口鎮痛薬へのスムーズな移行(TAPブロック+オピオイド最小限)
      • 早期離床を促し、術後合併症を防ぐ


    ■ まとめ

    このように、胎児鏡手術は母体への負担を軽減しながら、赤ちゃんの健康状態を改善する可能性を持っています。麻酔管理は、母体と胎児の両方を考慮しながら慎重に行われ、長年の経験と研究によって進化し続けています。このプロトコルは世界中の胎児手術センターにとって貴重な指針となるでしょう。


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  • 【雑談放送#2】最近流行りのQI研究のススメ

    Mazda Y, Aoyama K. An introductory guide to quality improvement in perioperative medicine. J Anesth 2021; 35: 606-610.


    Quality Improvement (QI) とは?

    長期的、継続的、かつ持続的な変化によって、患者ケアの改善を図る体系的な枠組み

     

    RCT=正しい物事をやる

     P:適格基準あり

     I:単一

     C;並列比較

     O:特異的


    QI=物事を正しくやる

     P:全患者

     I:複雑

     C;時系列比較

     O:包括的


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  • 【麻酔全般#2】入室直前まで水が飲める『Sip tip Send』とは?

    Wiles MD, Macdonald A. The effect of a ‘Sip til Send’ policy on patient satisfaction: a quality improvement project. Anaesthesia Reports. 2024;12:e12271.


    (背景と研究の目的)
    手術前の絶食は、麻酔中の誤嚥、つまり胃の内容物が気道に入ってしまうのを防ぐために必要とされています。一般的には、固形物は6時間前まで、透明な液体も2時間前までに摂取を終えるように指導されます。しかし、実際の手術スケジュールは予定通りに進まないことが多く、患者さんが想定以上に長時間「何も飲めない」状態になることがよくあります。その結果、のどの渇きや不安が増し、さらには術後の吐き気のリスクが高まることが知られています。

    この問題を解決するために導入されたのが、「Sip til Send」という新しいポリシーです。これは、手術室に移動する直前まで少量の水を飲むことを許可するというものです。研究チームは、このポリシーが患者の満足度を向上させるのか、また安全性に問題はないのかを検討しました。


    (研究方法)
    この研究には、イギリスのシェフィールド・ティーチング・ホスピタルの2つの病院で合計257名の患者が参加しました。

    • 導入前(Baseline): 122名
    • 導入後(Post-intervention): 135名

    まず、「Sip til Send」導入前のデータを収集し、その後、ポリシーを段階的に導入しながら患者の満足度や絶飲食時間を比較しました。
    患者満足度は、「手術前の水分管理に満足しているか?」という質問に対し、5段階評価(0=非常に不満、4=非常に満足)で測定しました。
    また、実際に患者がどれくらいの時間何も飲めなかったか(絶飲食時間)も記録しました。


    (結果)
    導入前、患者の満足度の中央値は**「4」(IQR: 3–4)**で、すでに比較的高い数値を示していました。しかし、「Sip til Send」を導入した後、中央値は「4」(IQR: 4–4)に改善し、特に「不満」を感じる患者の割合が大幅に減少しました(p < 0.001)。

    また、「Sip til Send」により手術前の水分摂取が増えた結果、絶飲食時間は平均5.3時間から1.6時間へと短縮されました。特に、4時間以上何も飲めなかった患者の割合は約52%から10%へと大幅に減少しました。さらに、研究期間中に誤嚥や逆流などの合併症は1件も報告されませんでした。


    (安全性の評価と限界)
    「水を飲んでも安全なの?」と疑問に思った方も多いかもしれません。実は、この研究では、胃の中に残った水分量を直接測定するために胃管を挿入するような評価は行われていません。
    安全性の評価としては、患者の誤嚥や逆流が報告されなかったという点を根拠にしていますが、より厳密な検証が必要です。

    また、研究の限界として、

    • 「Sip til Send」が誤嚥リスクをどの程度高めるかを評価するには、より大規模な研究が必要であること
    • 今回の研究では水のみが対象であり、お茶やジュース、ミルク入りの飲料については検討されていないこと
    • 患者が実際にどれくらいの水分量を摂取したのかが記録されていないこと

    が指摘されています。


    (考察と結論)
    この研究の結果から、「Sip til Send」ポリシーは患者満足度を向上させ、絶飲食時間を短縮する効果があることが示されました。特に、「オプトアウト方式」(特別な理由がない限り全員に適用)にすることで、スムーズな導入が可能だった点も重要です。

    一方で、安全性の評価にはまだ課題が残っており、より詳細な研究が求められることもわかりました。特に、実際の胃内容量の測定や誤嚥リスクの長期的な評価が今後の課題となります。


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    10 min
  • 【雑談放送#1】どうやって論文を探すのか?

    オススメの論文の検索式:以下の日本語のところにキーワードを入れて、そのままコピペして、PubMedで検索すればOK


    “”[Title] 論文タイトル

    “”[Majr] 論文の中心的主題

    “/therapy”[Majr] 論文の中心的主題で治療に関連

     

    Pt= publication type

    AND “review”[pt]

    AND “randomized controlled trial”[pt]

    AND “systematic review”[pt]

    AND (“randomized controlled trial”[pt] OR “systematic review”[Filter]) 

    AND “case reports”[pt]

    NOT “retrospective”

     

    Ta= title article

    AND (“JAMA*”[ta] OR “BMJ”[ta] OR “N Engl J Med”[ta] OR “Lancet*”[ta] OR “Cochrane Database Syst Rev”[ta])

     

    Anesthesia

    OR “Anaesth Intensive Care”[ta] OR “Acta Anaesthesiol Scand”[ta] OR “Anaesthesia”[ta] OR “Br J Anaesth”[ta] OR “Minerva Anestesiol”[ta] OR “AANA J”[ta] OR “BMC Anesthesiol”[ta] OR “Anesthesiology”[ta] OR “Anesth Analg”[ta] OR “Pain”[ta] OR “J Pain”[ta] OR “Reg Anesth Pain Med”[ta] OR “Eur J Anaesthesiol”[ta] OR “J Clin Anesth”[ta] OR “Can J Anaesth”[ta] OR “J Anesth”[ta]


    Obstetrics

    OR “BJOG”[ta] OR “Am J Obstet Gynecol”[ta] OR “Obstet Gynecol”[ta] OR “Int J Gynaecol Obstet”[ta] OR “Int J Obstet Anesth”[ta]

     

    Hematology

    OR “Blood”[ta] OR “Br J Haematol”[ta]

     

    Case reports

    OR “A A Case Rep”[ta] OR “Anaesth Cases”[ta] OR “JA Clin Rep”[ta] OR “AnaesthRep”[ta] 

     

    Education/practice

    OR “BJA Educ”[ta] OR “A A Pract”[ta] OR “Best Pract Res Clin Anaesthesiol”[ta] OR”Curr OpinAnaesthesiol”[ta] OR “ASA Newsl”[ta]

     

    Year

    AND (y_1[Filter])

    10 min
  • 【麻酔全般#1】大腸オペ×リドカイン×ケタミン

    Ostović H, Šimac B, Pražetina M, Bradić N, Peršec J. The Effect of Intravenous Lidocaine, Ketamine, and Lidocaine–Ketamine Combination in Colorectal Cancer Surgery: A Randomized Controlled Trial. Anesth Analg. 2025; 140: 67–76.


    研究の概要

    クロアチアの大学病院で行われた無作為化比較試験(RCT) で、対象は大腸がんの開腹手術を受ける患者82人。患者は以下の4つのグループに分けられました。

    1. リドカイン+ケタミン
    2. リドカイン+プラセボ
    3. ケタミン+プラセボ
    4. プラセボのみ

    手術開始時にリドカイン 1.5 mg/kg またはケタミン 0.5 mg/kg を静脈注射し、手術中はそれぞれの持続投与を行いました(リドカイン 2 mg/kg/時、ケタミン 0.2 mg/kg/時)。

    結果

    1. 炎症マーカーに対する影響

    まず、リドカインやケタミン単独、または併用しても、術後12時間および36時間における炎症マーカー(WBC、CRP、IL-6、IL-8)の有意な低下は認められませんでした。
    つまり、これらの薬剤が術後の炎症反応を抑える効果はなかったということです。

    • CRP(C反応性タンパク) の推移
      • 12時間後:リドカイン群 41 mg/L、プラセボ群 53 mg/L(p=0.034)
      • 36時間後:リドカイン群 97 mg/L、プラセボ群 113 mg/L(p=0.096)
        → 統計学的に有意な差はなし
    • IL-6(インターロイキン-6) の推移
      • 12時間後:リドカイン群 236 pg/mL、プラセボ群 250 pg/mL(p=0.729)
      • 36時間後:リドカイン群 103 pg/mL、プラセボ群 145 pg/mL(p=0.082)
        → いずれの時間帯でも有意差なし

    この結果から、リドカインやケタミンが術後の炎症を抑える効果は証明されませんでした。

    2. 鎮痛効果に対する影響

    オピオイドの使用量はすべての治療群で減少し、特にリドカインとケタミンを併用した場合、術中のオピオイド使用量がプラセボ群よりも23 µg少なかったことが分かりました。

    • 術中のスフェンタニル使用量 
      • リドカイン群:41 µg(p < 0.001)
      • ケタミン群:43 µg(p = 0.001)
      • プラセボ群:55 µg
      • リドカイン+ケタミン併用群:41 µg(プラセボ群より23 µg減少)

    このスフェンタニル 23 µgの減少は、経口モルヒネ換算で約4.6 mgの減少に相当します。

    また、術後のVASスコア(痛みの強さ) は、

    • ケタミンを投与したグループで 0.63ポイント 低下(p = 0.003)
    • リドカイン+ケタミン併用群では 1.0ポイント 低下(p = 0.003)

    という結果で、ケタミンが痛みの軽減に寄与している ことが示されました。

    一方で、術後48時間の鎮痛薬の使用量については、リドカイン群でケトプロフェンの使用量が増加(+71 mg、p=0.045) しており、リドカイン単独では痛みを十分に抑えられなかった可能性があります。

    3. 腸の回復に対する影響

    最初の排便までの時間(腸蠕動運動の回復)には、リドカインやケタミンの影響は見られませんでした。

    • リドカイン群:20時間(p = 0.488)
    • ケタミン群:20時間(p = 0.491)
    • プラセボ群:21時間

    これらの結果から、リドカインやケタミンが腸の回復を早めるという証拠は見つかりませんでした。


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    11 min

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