Share 心がほっとするほとけさまの話 岡本一志
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By 岡本一志
The podcast currently has 108 episodes available.
「あきらめる」という言葉は、「もう希望や見込みがないと思ってやめる。断念する」という意味で使われています。
しかし、「あきらめる」という言葉の、本来の意味を知ると、苦しい時でも、困難な時でも、元気と希望を持って頑張って乗り越えられるようになるのです。
他との関係を切り離されて孤立しているのかというと、そうではありません。
全ての人や物はつながりの中で生きています。
実は、見ず知らずの人も、目の前を通り過ぎているだけの人も、みんなどこかでつながっているのです。
人間関係での失敗に、仲良くなればなるほど、相手に多くのことを求めてしまう、ということがあります。
初めて会った人には、必要以上に要求しません。
ところが、自分の欲求を相手が満たしてくれると、もっともっとと、相手に求める心が大きくなっていきます。
人間関係を象徴的に表したドイツの寓話に、「ヤマアラシのジレンマ」があります。
ヤマアラシは、ご存じのように、体に針のような毛を持っています。冬の寒さに震えていたヤマアラシは、互いに温め合おうと体を近づけました。
ところが近づきすぎると、お互いのとげが相手を刺すので痛くて近づけません。
そこでいったん離れるのですが、離れると寒くてたまらないので、また近づきます。
するとまた、お互いの針が刺さって、傷つくのです。
相手の怒りのツボを知っておくと、その人と接する時は、
そこには触れないように注意できますから、怒らせたりケンカになったりしなくて済みます。
自分の怒りのツボを自覚しておくと、なるべく、そのツボが押されないように縁(環境や状況)を選んでいくようになります。
ケンカや争いが起きるのは、お互いに「自分が正しい」と思っているからです。
自分の間違いを認めず、「間違っているのは、そっちじゃないか」と相手を責めていると、必ずケンカになります。
逆に、自らの間違いを認め合うことができれば、トラブルが起きた時でもケンカになることはなくなります。
風の音や波の音に腹を立てる人はありません。どんなに「うるさいな」と思って怒ってみても、どうしようもないからです。
気に食わないこと、腹立つことを言われた時、それを、風の音や波の音を聞くように、さらりと流すことができれば、それ以上、苦しむことはありません。
怒りが治まらなくてつらい時は、自分を傷つけた相手への仕返しに心を奪われるよりも、傷ついた自分の心に目を向けてみましょう。
腹が立ったり恨んだりして、苦しんでいる心の底には、「頑張っているのに分かってもらえなかった」「もっと優しくしてもらいたかった」などと、傷ついている自分がいるはずです。今、傷ついているのは、自分自身だと分かれば、傷つけた相手に仕返しする前に、傷ついた自分の手当てをすることのほうが大事だと分かるはずです。
私たちは、ちょっとしたことで腹を立ててしまいます。
どうしたら、この怒りの心をなくせるのかと、悩んでいる人も多いと思います。
中には、怒りっぽい自分に嫌けが差して、「なぜ自分はこんなに短気なんだろうか。あの人は、いつも穏やかなのに。私は本当に、怒りっぽくてダメな人間だ」と自己嫌悪に陥ってしまう人もあります。そもそも怒らない人、腹を立てない人はいるのでしょうか?
私たちには、縁が来れば、どんなことでもやってしまいかねない心があります。
このことをよく知ってこそ、なるべく悪い縁を避けて、よい縁を選ぼうという気持ちになります。また、一方的に相手を悪い人、と決めつけるのではなく、
「自分も同じ環境、立場だったら、どうしただろうか……」と相手を理解しようとする気持ちも、生まれてくるのです。
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