Sign up to save your podcastsEmail addressPasswordRegisterOrContinue with GoogleAlready have an account? Log in here.
岡山県出身の詩人・永瀬清子さんの詩をRSKアナウンサー 小林章子の朗読でお届けします。どんな景色が心に浮かぶでしょう?人生のステージや生活に合わせて読むことができる永瀬さんの詩の世界。多感な時期の悩み、結婚、両親、夫や子供など家族のこと、生活の中での驚きや発見、山や川、植物や天体など自然について、世の中について、老いについて。永瀬さんの詩は、過去の自分を振り返ったり、これから行く道の道しる... more
FAQs about 永瀬清子の世界:How many episodes does 永瀬清子の世界 have?The podcast currently has 131 episodes available.
August 19, 2024#21 「踊りの輪」永瀬清子さんは、この「踊りの輪」を「盆踊りの時の詩」であるけれども「西洋の湖水のほとりみたいなところで、妖精の出てくるような土地のことを思いながら、書いていたという気持ちがする」と語ったことがあります。永瀬さんを研究する学芸員、白根直子さんは、「松木での暮らしと大正時代の『赤い鳥』で読んだ西洋が混ざっているイメージをお持ちだったようだ」と話しています。<文・小林章子>...more4minPlay
August 12, 2024#20 「美しい国」「美しい国」は終戦の翌年、昭和21年(1946年)10月に発表されました。永瀬さんは、終戦の翌年から次々と詩集を出版し、この「美しい国」を表題作とした詩集『美しい国』を、昭和23年(1948年)に出版しています。永瀬さんは「国や性別を超えて幅広い世代の人に届けたいという思い」を持っていました。そこで、英訳しても美しさがでるような詩を意識していたようです。永瀬さんの次女の井上奈緒さんは、「母が詩をつくるときには、『いつも英文に訳しやすいようにフレーズを考えているのよ』と話していた」と証言しています。この証言を受けて詩人の井坂洋子さんは、曖昧な表現ではなく目にみえるように具体的な言葉で書いていたとことを指摘しています。永瀬さんの詩の魅力は、こうした書き方にもあるということがわかります(文 白根直子さん)...more4minPlay
August 05, 2024#19 「有事」永瀬清子さんは、戦時中、軍の言論統制に悩まされていました。多くの詩人が、表現の自由を奪われた時代、永瀬さんは戦争を賛美する詩を他の詩人と同様に「辻詩集」に寄せています。「日本の妻はなげかない。/その時敵弾が彼をつらぬいたときいてさへ/なほその頬にはほほえみがのぼる。」永瀬さんは戦時中の想いを1988年にRSKが制作した番組で語っています。「情報局がきて必ず雑誌を見るわけ。表紙はこれではいけないとか、こんな言葉を使ったらいけないとかいちいちいわれるんですよ。だから書く気がしなくなるんです」「世の中がよくなることは望んでいましたけど、親や家を棄ててまでということにはならなかった。親や家を愛していた」永瀬さんは自由に表現できないことの怖さをこの「有事」という詩に込めたのです。<文・小林章子>...more4minPlay
July 29, 2024#18 「星座の娘」永瀬さんが生きた時代は、女性の幸せは結婚で「良妻賢母」であることが世の中に認められる生き方でした。そして、永瀬さんは家を継がなければなりませんでした。永瀬さんにとって、詩人という生き方は、女学校を卒業したらすぐに結婚させたいと考える両親の愛情に反することになり、自分の理想と現実に引き裂かれるような思いでした。永瀬さんを研究する学芸員、白根直子さんは「星座の娘にある複雑な思いは、晩年の永瀬さんならばもう少しやわらかい言葉や表現で書いたはずで、全体的に少し硬い言葉や表現は娘時代の永瀬さんでなければ書けない。そういうところも初期の詩の魅力だ」と話しています。<文・小林章子>...more4minPlay
July 22, 2024#17 短章「手さぐり人生」「手さぐり人生」は、1980年、思潮社の短章集「焔に薪を」に掲載されています。夫を不満に思っていたことが娘の一言で後悔へとつながり、近所のおじさんのユーモアで笑い涙にかわる、永瀬さんの心の動きがまっすぐに伝わってきます。<文・小林章子>...more4minPlay
July 15, 2024#16「私は地球」永瀬さんの詩は、驚きや発見に満ちており、「私は地球」もそうした詩のひとつです。「私」と「地球」を等しく捉え、大きく広く、小さく狭く、視点を変えながら書かれています。たとえば、一人の愛は「ペンペン草のかげで雨やどりしているようなもの」と頼りなく弱いものです。ところが、その愛は「挫折の時に/ついに押しつつむ屍衣」、つまり、時としてどのようなことも受け入れて包み込む大きさ、強さとなるのです。「私」が秘めていた愛の力に驚かされます。詩人の井坂洋子さんは、「おどろく」「おどろく」と続いていることを、この詩の特徴の一つと指摘しています。「おどろく」は、リズミカルに、まるで「四十億年」という果てしない時間の中で受け継がれていく生命のように、この詩の中で繰り返されていきます。永瀬さんの詩に驚かされるのは、こうした視点と表現にもあるのではないでしょうか。<文・白根直子さん>...more4minPlay
July 08, 2024#15「歓呼の波」昭和十二年、1937年。この年のことを、永瀬さんは自筆の年譜に書いています。「二月、次女奈緒生まれる。三月、父歿(ぼつ)、六月、舅歿、七月、支那事変はじまり夫の応召(おうしょう)、東京駅は兵隊と歓送者とで身動きもできぬほどであった。夫は岡山四十八聯隊へ入隊。秋、夫は中国へ出征した。夫は保定の激戦の直前、肺浸潤のため後退し、危うく全滅をまぬかれた」永瀬さんにとって激動の一年となった昭和十二年。産後間もなく実の父と義理の父を相次いで亡くし、夫の出征を見送った永瀬さん。当時の思いを1988年、RSKの番組で語っています。「みんなの歓呼の中を出て行きまして、こんなにみんなの歓呼で送り出すのは間違っているのではと一人苦に思いましたけど思うようにできなかった」「歓呼の波」には、永瀬さんの胸を締め付けられるような思いが込められています。<文 小林章子>...more4minPlay
July 01, 2024#14「七月」永瀬清子さんは、随筆「小鳥と花の意味」に、岡山出身で小鳥博士といわれる川村多実二(かわむらたみじ)さんの言葉を引用して詩を書くことへの決意を表明しています。「『花の美しいのは地球の春をかざるため、小鳥の啼くのも地上の春をかざるため。だからご覧、その相互関係のため人間の存在によって花は一層美しくなりうるのだ』と。私はこれをきいて一つの救いに出あった事を感じた。私たち詩を書く者が希望を失って、何のために書くのだとつぶやく事はもういらない。私が詩を書く事、それはきっと宇宙のためなのだから。私がその川村学説を自分の小さい詩の雑誌に書いた時、若い同人たちの注意はすこしも惹かなかったが、ずっと前に詩を書くのをやめた古い私の友がすぐ手紙をよこした。『私にとってなんと嬉しい報せだったでしょう。あなたは私の為したすべての事は失敗ではなくて必要な事だったとはげまして下さったの。なぜなら私の仕事はすこしも世間の役に立たなかったにしろ、私のせい一杯で地上を飾ることだったのですもの。小鳥の声と同じに』。(中略)力一杯に生き、又苦しんだら、耳に入った僅かの言葉からも必要な喜びや助けが汲みとれるとしたら、或は一篇の詩も同じその助けになるかもしれない」。<文 小林章子>...more4minPlay
June 24, 2024#13「合唱組曲「燃える故郷」五章 やけこげの」お聴きいただいているのは、永瀬清子さんが作詞、木下そんきさんが作曲し、1981年6月、岡山合唱団により初演された合唱組曲「燃える故郷」のうち五章「 やけこげの」です。この組曲は、1945年6月29日の岡山空襲を伝えるもので、七章で構成されています。五章「やけこげの」には、苦しい生活の中でも希望をもって暮らす子どもの姿が描かれています。多くの人に読まれている「降りつむ」という詩にもつながるような希望や励ましがあり、苦しみから立ち上がろうとする姿が印象的です。永瀬さんは、自身の戦争体験を詩や随筆などに綴り講演会で語るだけではなく、岡山の女性たちによる証言集も出版しています。永瀬さんは、尊敬する宮沢賢治の「ヨクミキキシワカリソシテワスレズ」を生涯にわたり心がけていましたが、戦争体験についても記憶し記録しています。<文 白根直子>...more4minPlay
June 17, 2024#12「六月の夜」この詩は、六月の夜、川沿いのポストに投函するときの様子を描いたものですが、永瀬さんは随筆「美しい夏至」の中にも、川沿いのポストへ投函にゆくときのことを書いています。「夕食後うす闇のころ、私の家の近くを流れ岡山市内を貫流する西川という用水の下手の橋の所まで手紙を入れにいった。家の近くの橋で川むこうにわたり、川沿いの道を下っていくと川幅はそのあたりで五、六メートルはあり、水無月(みなづき)の川はなみなみと水量がある。ふと気づくと道のまんなかに昼間の雨でできた浅い水たまりがあり、その中で何かひどくばたついている様子。夕あかりですかしてみると、水たまりにほとんどいっぱいになって四十センチ以上もある大きな魚がはねている。私はあまりめずらしいのですぐ近くの煙草屋さんへいき、ちょっと来てごらんなさい、と言うとすぐ三、四人の人が飛び出して来てすばやく用意のタモで押えた。それはひげのある正真正銘のナマズであった」「六月の夜」の出来事を表した詩と随筆から、永瀬さんの解放感と旺盛な好奇心が伝わってきます。<文・小林章子>...more4minPlay
FAQs about 永瀬清子の世界:How many episodes does 永瀬清子の世界 have?The podcast currently has 131 episodes available.