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岡山県出身の詩人・永瀬清子さんの詩をRSKアナウンサー 小林章子の朗読でお届けします。どんな景色が心に浮かぶでしょう?人生のステージや生活に合わせて読むことができる永瀬さんの詩の世界。多感な時期の悩み、結婚、両親、夫や子供など家族のこと、生活の中での驚きや発見、山や川、植物や天体など自然について、世の中について、老いについて。永瀬さんの詩は、過去の自分を振り返ったり、これから行く道の道しる... more
FAQs about 永瀬清子の世界:How many episodes does 永瀬清子の世界 have?The podcast currently has 131 episodes available.
January 06, 2025#41 「新年よ」永瀬さんは、新年を題材にした詩も書いています。新しい年を迎えると気持ちが新たになります。それは、楓、柳、いちょうが落葉しても新たに芽吹いて葉を茂らせていくようです。そしてよい年であることを願うのは、今も昔も同じです。その願いは、皆それぞれですが、この短章に書かれた「私」の願いは、「私」の言葉が「ただしく人に聴かれうけとられる」こと、すなわち自分の言葉が聞き手や読み手に誤解されず正確に伝わることです。そして「私」も「人の言葉を受けとるための やさしい耳」、つまり他の人の言葉を善意のもとに受け取れるようでありたいと願うのです。自分と相手の立場を思いながら発する言葉。この番組でもそのような言葉で永瀬さんの人と作品を受け取ることができたら伝えられたらと願うのです。<文・白根直子> ...more4minPlay
December 30, 2024#40 「元日」まるで子どもの頃に戻ったかのように母親と過ごすあたたかいお正月の詩です。外は寒く疲れて熱が出ていても、母親の気配があるだけでほっとするような心持ちが感じられます。いくつになっても自分の心の中にいる子どもが出てきて、母親に甘えているようでもあります。そのうち「私」は、自分が生まれた時のことにも思いをいたすのです。永瀬さんのお母様は、安産であったことを明治三十九年二月十七日の日記に書いていました。多くの人に祝福されて生まれてきた永瀬さん。この詩を読む年末年始には、あらためて自分の来し方行く末を思い、こうしたあたたかい思いを大切にしたいと願わずにいられません。<文・白根直子>...more4minPlay
December 23, 2024#39 「一本の幹で」永瀬さんの詩は、戦中に発表した詩「大いなる樹木」のようだと〈樹木〉に象徴されることがあります。つまり、「一本の幹で城のように立っている樹」です。ところがこの詩の〈樹木〉は、ちょっと違います。「いつのまにか他人の根が」からまっているような、どこか頼りない〈樹木〉なのです。そして「私」は、とまどいながら、最後の最後に「お互のかなしい刺のみが お互を支えあっていることを」知るのです。一人で生きているつもりでいても、どこかで知らず知らず、誰かに助けられていたことに気づく時、「城のように」立つ美しさと支えあう美しさ、弱さを知ることの強さを教えられるようです。永瀬さんの〈樹木〉ような詩は、だからこそ美しく強いのだと思います。 <文・白根直子> ...more4minPlay
December 16, 2024#38 「都わすれ」詩「都わすれ」では、かつて暮らしていた東京への思いと「田舎」の暮らしの間で揺れている「私」が、「田舎」で生きることを受け入れていこうとする心が書かれています。そしてその心は、「次の季節のため」の「田んぼの土おこし」や、「何十年さきのため」に苗木を山に植えていく作業に託されていくのです。この詩は、昭和23年に発表した時には、「都会わすれ」という題名でした。その後、少しずつ書きかえられていき、「都わすれ」の題名で昭和57年に『続永瀬清子詩集』(思潮社)に収録されました。「都会わすれ」が「都わすれ」になると、やわらかな音になり、より遠い昔のように感じられます。この詩で書いたテーマは、時を経て少しずつ変化していったことが、こうした題名の書きかえからもうかがえます。 <文・白根直子> ...more4minPlay
December 09, 2024#37 「あの方の父上は-一番下っぱの弟子のことば」宮澤賢治と永瀬さんは、「東北と備前のちがいはあっても」似たような境遇の詩人でした。「あの方は本物の百姓ではなかったから」の詩句は、社会貢献を考えながら理想を追い求めた二人の共通点を端的に表しています。だから永瀬さんは、人のために尽くし若くしてこの世を去った賢治の生き方を尊敬しつつも、自分にも尽くす生き方を選び取っていきました。「この世ではダメ宗旨」に共感せずにいられないのは、どこかユーモラスに賢治への敬愛の念を表現しているからなのかもしれません。<文・小林章子>...more4minPlay
December 02, 2024#36 「冬」詩「冬」は、初冬の新田山(しんでんやま)を題材にした詩です。冬枯れていく山の色を「鳶色」と「エメラルドグリーン」の「美しい縞」と表現し、さらにその山を「私の衿巻になりそうだ」と、たとえたことにはっとさせられます。永瀬さんには、山の落葉樹と常緑樹がこのように見えているのです。そんな「美しい縞」の山を衿巻にしようと思う「私」の発想の大きさも感じられます。新田山は、永瀬さんの生家から見えるので、毎日の微妙な変化も感じ取っていたと思われます。季節の移りは、永瀬さんの詩心を大いにかきたてるものだったのでしょう。...more4minPlay
November 25, 2024#35 「捕え得ず」永瀬清子さんは、生涯現役を貫いた詩人です。この詩を読んでいると、老いてなおよい詩を求めて日々書き続けていたこと、そして現在の赤磐市で農作業をしながら暮らした日々がいかに充実していたかが浮かび上がってきます。一方では、かつての日々が「捕えんとして捕えがたい幸せ」であったことにも気づいています。つまり、その時には気づかなかった幸せが、年を重ねた今わかるようになったことを書いているのです。永瀬さんの詩は、いずれ行く道に思いをいたし、これからどのように進んでいくかを考えるきっかけにもなると思います。<文・白根直子>...more4minPlay
November 18, 2024#34 「焔について」永瀬さんは、現在の岡山県赤磐市松木で暮らし始めた頃、山の木を切って薪を作って、かまどでご飯を炊いていた時期がありました。世帯場すなわち台所には、まだ電燈がついていなかったので、ゆれる焰、薪のはじける音などを感じながらご飯を炊いていたのだと思います。のちに永瀬さんは、「何だか原始的な焰の美しさが私にはうれしくて、あとで電燈をつけて貰えた時、動かぬ平凡な光に逆にがっかりした」(『すぎ去ればすべてなつかしい日々』)と当時を振り返っています。焰を見つめていた時間は、小さいながらも確かな喜びの時間だったのではないでしょうか。<文・白根直子>...more4minPlay
November 11, 2024#33 「梢」この詩の最後「こころのめくら」という表現は、不適切な表現ですが、1932年の作品発表時の時代的背景、また著者が故人であるという事情に鑑み、そのまま朗読しています。「梢」は、1932年春に永瀬さんの従兄が亡くなり、やり場のない悲しみを書いた詩です。この従兄は、永瀬さんが詩人を志した時に、広く学ぶことが必要なのだと心理学や経済学など様々なジャンルの本を紹介して、応援してくれた人でした。永瀬さんは、「梢」という詩で、詩を樹木にたとえています。具体的には、宮沢賢治さんのように物事の本質を表現できる詩を「美しい樹木」や「幹」にたとえて賢治さんへの憧れを述べ、そのように書けない自分を折れやすい「梢」にたとえて、賢治さんのように書けない悲しみ、さらに従兄が亡くなった悲しみを織り込みながら表現しています。<文・白根直子>...more4minPlay
November 04, 2024#32 「十一月」「十一月」詩は、冬の訪れを感じる頃、樹木がより美しく生長するために、不要な枝を整理していく様子を書いています。次の季節への準備をするために斧や鉈で切られていく枝葉、そして次第に美しく整っていく樹形。切られた枝葉は燃やされていきます。これらを思うと永瀬さんの詩を書く姿とも重なります。詩を書くためには、書きたいことを掴み、言葉を選び、詩ではないものも薪のように加えながら、自分にしか書けない詩を書きたいと願っていた永瀬さん。新しい季節を迎えるために、樹木を剪定するように自分の身の回りを整理していく。この詩を読むと十一月をそんなふうに過ごしてみたくなります。 <文・白根直子>...more4minPlay
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