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岡山県出身の詩人・永瀬清子さんの詩をRSKアナウンサー 小林章子の朗読でお届けします。どんな景色が心に浮かぶでしょう?人生のステージや生活に合わせて読むことができる永瀬さんの詩の世界。多感な時期の悩み、結婚、両親、夫や子供など家族のこと、生活の中での驚きや発見、山や川、植物や天体など自然について、世の中について、老いについて。永瀬さんの詩は、過去の自分を振り返ったり、これから行く道の道しる... more
FAQs about 永瀬清子の世界:How many episodes does 永瀬清子の世界 have?The podcast currently has 131 episodes available.
October 28, 2024#31 「梳り(くしけずり)」詩「梳(くしけず)り」は、長い髪がもつれ乱れるように、「私」が「あなた」との間で迷い、疑い、思い悩む姿を書いています。髪をくしけずる、つまり櫛で髪をといて整えるように、「私」の心を整えたいと思っているのです。「私」の迷う心を言葉にしていくことで心が整理され、「私」の心がくっきりとしていきます。「私」と「あなた」を見つめるこの詩からは、掌編小説のような物語も見えてきます。自由に想像をひろげ、世界を見つめることができるのも詩のおもしろさではないでしょうか。<文・白根直子>...more4minPlay
October 21, 2024#30 「吉井川によせて」永瀬さんは、「吉井川によせて」の中で、吉井川を「古くてあたらしい女」だと表現しています。そして「お前はいつも私だ」と自分と重ねていることが印象的です。永瀬さんは、岡山県の三大河川である吉井川、旭川、高梁川を「美しい三人の姉妹」にたとえた詩も作っています。永瀬さんの暮らした赤磐市松木は吉井川が近くを流れることから、とりわけ親しみを感じ、日頃から詩人の目でみつめていたことが想像されます。<文・小林章子>...more4minPlay
October 07, 2024#28 「草の実」「草の実」は、1977年に「また」という題名で発表し、十数年かけて書き直していったものです。永瀬さんは、この作品で、10代の頃から詩を書き続けてきた半生を振り返っています。晩年の永瀬さんは、詩を書いてきたことが、「大きな何者かの計画どおりだった」。つまり何か目にみえない大きな存在に書かされていたのではないかと考えないではいられなかったようです。永瀬さんは、いい詩は暗唱できるとたびたび語っています。それは、心に深く刻み込まれるような言葉で書かれているからです。そのような言葉にたどりつくまで、永瀬さんは、どうしても書いておきたいことを、繰り返し話したり書いたりしています。また、詩として発表したものを詩集に入れるばかりではなく、随筆や短章として発表したものを詩に書き直しています。この「草の実」もそうした詩のひとつです。<文・白根直子>...more4minPlay
September 30, 2024#27 「夜に燈ともし」永瀬さんは、自分の詩に絵を添えた色紙を描いています。子どもの頃から絵を描くことが好きで、目に見えるように詩を書くことを心がけていた永瀬さん。この詩の一節に絵を添えた色紙が赤磐市に寄贈された資料の中にありました。皆が寝静まった夜に小さな明かりをともして詩を書いていたことを、淡い藍色の丸の中にシャーベットオレンジの丸が水彩絵の具で表現しています。一人で静かに過ごす夜、この詩がぐんと身近になるかもしれません。<文・白根直子>...more4minPlay
September 23, 2024#26 「一粒の蓮の実」この短章の冒頭にある「一粒の蓮の実を長く隠しておくことだよ」は、鮎川信夫さんの言葉です。永瀬さんは、17歳から詩を書きはじめ、詩という「一粒の蓮の実」を育てていました。そしてそれはすぐに実るような簡単な願いではありませんでした。その頃、短歌や俳句は女性の教養として認められていたのに、詩はそうではありません。出発点からして困難な道を選んでいたのです。50代の永瀬さんは、「詩人は何を報われるのか/だんだん年齢と共に困難をますその仕事のために何を努力するのか」と悩んでいました。この悩みに応えてくれたのは時間です。つまり、永瀬さんにとっては書き続けていくことでした。「一粒の蓮の実」は、永瀬さんが75歳の時に発表しています。体が不自由になってしまった夫と生活を支えながら、新聞や雑誌などに寄稿し、世界連邦運動、岡山女性史研究会、詩画展、講演、朗読会などで、非常に忙しい毎日でした。「一粒の蓮の実」では、「ある朝ふと眼がさめ、南の風に蓮の花のあやしくあまい匂いを嗅ぐ時」とタゴールの詩を引用しています。これは、永瀬さんが十代の頃に読んだ『ギタンジャリ』という詩集からで、最晩年になっても「最も好きな詩集の一つ」でした。「一粒の蓮の実」は、いつかきっとという気持ちを持ち続けることのすばらしさや、「時がほんの少しずつ達成していく事」、つまり「老いること」の意味や価値を、永瀬さんご自身の生き方とともに教えてくれます。<文・白根直子> ...more4minPlay
September 16, 2024#25 「老いたる友 c 八十才をすぎた友人のことば」永瀬さんは、 2 歳の頃に父の仕事のため金沢に転居し、終戦の年に岡山に帰ってきたので、岡山には友達と呼べる人はいませんでした。そしてできた最初の友達は 1888 年生まれの杉山千代さん。永瀬さんとは親子ほど年が違いますが、それは関係ありませんでした。少しでも自分の至らないところを改めて、よりよく生きようとする杉山千代さんを深く尊敬していた永瀬さん。日々を新しく生きようと願う永瀬さんの心には、杉山千代さんの生き方が深く刻まれ響き合っていたように思えてなりません。<文・白根直子>...more4minPlay
September 09, 2024#24 「貴方がたの島へ」永瀬さんは、戦後間もない頃から、長島愛生園・邑久光明園・大島青松園の入所者の方々と詩を通じた交流をしていました。「貴方がたの島へ」は、永瀬さんが長島愛生園の機関誌『愛生』に発表した詩です。今年6月、この詩を朗読した俳優の竹下景子さんにうかがいました。「永瀬さんの詩は、人としての尊厳を高らかに謳い上げている。永瀬さんのその心意気にまずとても力をもらいました。同情するだけじゃないのよっていう、憐れんだりする、施しの気持ちだけじゃないのよっていう。もっと先に一緒にいこうよという強いメッセージを感じて、それはもう時代を越えて、もっといえば、いま同じように苦しんでいる人、弱い立場の人。ひと昔前は大きく男性と女性と分ければ、私たち女性もその弱いほうの立場にあって、今少しずつね、社会の中で状況が変わってきていますけど、そういった弱い立場にある人すべての人たちに向けての、これは応援歌だなと思って」<文・小林章子>...more4minPlay
September 02, 2024#23 「わずかの時間に」永瀬清子さんがこの詩を書いたのは、永瀬さんが63歳のとき。夏の終わりの風景に「とどまれ」と呼びかける場面が印象的です。永瀬さんは41歳のときに書いた「この夏の最後の詩 我夏を恋う、夏を恋う」の中でも、夏の終わりの美しい瞬間に「とどまれ」と願っていました。夏の終わりの美しさを紙に写し取る余裕のない年月は過ぎ、ようやくその瞬間を逃さず、紙と筆で捕えられるようになった喜びが書かれています。<文・小林章子>...more4minPlay
August 26, 2024#22 「土に近く」「この夏の最後の詩 ー我夏(われ、なつ)を恋う、夏を恋う」永瀬清子さんは、農業にも従事していました。「土に近く」というのは、日中の仕事においても、またこの詩にあるように夜寝ているときにさえ、感じていたことなのでしょう。永瀬さんの敬愛する作家、宮沢賢治も農業への造詣が深く「土に近い」という共通点がありました。永瀬さんの作品には、土に近い感覚があるからこそ表現できる命や宇宙があるように感じます。<文・小林章子>...more4minPlay
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