ARIE per FLAUTO■ Puccini: LA RONDINE "Sogno di Doretta"/ TURANDOT "Signore,ascolata!" "Nessun Dorma"-- プッチーニ: つばめ より"ドレッタの美しい夢"/ トゥーランドット より "お聞きください、王子様" "誰も寝てはならぬ"
『つばめ』のヒロイン、マグダは今までで一番リアルな人物像だっただけに、物語の規模としては小ぶりなものかもしれませんが、幕が閉じた後も余韻が残るものでした。上演機会が少ないことの一因には第二次世界大戦で改稿された楽譜が焼失してしまったこともあるようです(今日では上演時は基本的初稿で行われている)。この作品は作曲段階からずっと、作風とは裏腹に戦争の陰が落ちてしまったものでした。現在では価値が見直されてきているそうなので、上演機会が増えていくことを願っています。
『トゥーランドット』、このオペラを煌びやかな印象で覆う響きの名前のヒロインは、それなのに実は、第1幕ではほんの一瞬しか登場しません。しかし第2幕で登場するなり、強烈なアリアを歌い、実体をもって初めて、そしてあっという間に物語を支配します。彼女がこの「3つの謎」のルールを作ったことには一応理由あったんですね。かつて自分の祖先が異邦の男たちに惨殺されたので、自分は異邦の男たちに復讐しているのだ、ということを美しくも鬼気迫る歌声で教えてくれます。今回は耳馴染みのあるアリアで揃えたので省いてしまったのですが、こちらもいつかやりたいアリアです。異質なヒロインとあって、演じる歌手にも強靭な声が求められるそうで、一回でも観ればそれについては深く納得してしまうでしょう。(リューの「お聞きください、王子様」は第1幕で歌われます。慌てて2幕って口走っています。ごめんなさい)
久しぶりにこんなにオペラをたくさん観て、楽しい4週間でした。ここまで聞いてくださった方はもう予習バッチリですので、観たことがない作品があったら観てみてくださいね!時間は奪われますが、気分が華やいで、胸が満たされます。