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第150回 人脈の過小評価


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プロジェクトマネジメントコンサルタントの男性メンバーは、同じチャプターのギフトバスケットを扱っている女性メンバーが、彼にリファーラルを出せるはずがないと思いこんでいた。

ところが、その女性メンバーの父親はその町で最も大きな製造業を営んでいて、まさにプロジェクトマネジメントのコンサルティング先としてはターゲットど真ん中だった。

目の前の人がどんな人と繋がっているのかは、その人を見ただけではわからない。

大切なのは、目の前の人がどんな仕事をしているかではなく、その人が専門としてやっている仕事をしっかりやってくれるメンバーを見出すこと。
周囲のひとたちの行動、振る舞いや言動に注意をすることも大切。

このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社の提供でお送りいたします。

安:それでは、大野さん。

大野:はい。

安:人脈の過小評価というタイトルなんですが。

大野:はい。

安:こちらについてお話をしていただけますでしょうか。

大野:はい。これは英語版のほうの「You Never Know Who People Know」というものを意訳した形なんですけれども。

安:はい。

大野:英語版のエピソード206のストーリーですけども、あるチャプターの2人のBNIメンバーの話を紹介されていましたよね。

安:はい。

大野:プロジェクトマネジメントのコンサルタントの男性のメンバーと、ギフトバスケット、贈答品としてのバスケットですね。いろいろ詰めたというか、そういった贈答品を扱っている女性のメンバーの話ですね。

安:はい。

大野:コンサルタントのメンバーの方がギフトバスケットの女性メンバーに対して、ちょっと失礼な言葉を言ったらしいんですけども。「僕のために君は力になれないし、僕も君のためにできることはないよね」というような感じで、彼女に言ったそうなんですね。

安:いやー、ちょっと失礼ですね。

大野:ええ。ところが実はそのギフトバスケットの女性のメンバーのお父さまが市内で最大の製造会社を経営していて、プロジェクトマネジメントのコンサルタントのそのメンバーの彼が、まさに製造会社というのをリファーラル先として紹介してほしいと日頃言っていたんですね。

安:はい。

大野:彼女がギフトバスケットを商材にしているという理由だけで、彼に対してリファーラルなんかを彼女が出せるわけがないと思い込んでしまっているという構図が今回特徴的ですよね。

安:はい。うーん。何か同じチャプターでこういうやりとりがあるというのが、ちょっとメンバーの私としては寂しいなと思いますね。

大野:残念だと思いますよね?

安:残念ですね。

大野:はい。マイズナー博士が紹介されているストーリーで、25年から30年ぐらい前に、BNIメンバーの化粧品コンサルタントの女性の方が出したリファーラルというのは、最近までBNI史上最大のものだったというふうにおっしゃっていますね。

安:最大のものだったんですね。

大野:その方がロサンゼルスのおそらくお客さまのご自宅に訪問してフェイシャルエステを施していたということだと思うんですけども。女性のお客さまのご主人さまがぶつぶつと不平を言いながら、部屋の中を行ったり来たりしていたらしいんですよね。

安:はい。

大野:何度も行ったり来たりしているもんだから、「あなた、どうしたの?」というふうに当然聞きますよね。

安:はい。

大野:するとその旦那さんは、「実はグラフィックデザイナーが仕事をちゃんとしてくれないんだ」と。「明日にでも彼をそのグラフィックデザイナーを首にしたいから、別のグラフィックデザイナーが今すぐに必要なんだ」みたいな話をされたそうなんですね。

安:はい。

大野:その話を聞いていた化粧品コンサルタントのBNIメンバーは、「私、素晴らしいグラフィックデザイナーを知っていますよ」という話をされたんですね。

安:はい。

大野:「とてもいい仕事をしてくれる人で、私だけではなくて、私の友人の仕事もいくつもやってくれているんですよ」という。「自信を持って彼を薦められますよ」という話をされたんですよね。

安:はい。

大野:そこで彼は、「それは素晴らしい。彼の電話番号を知っていますか」というふうにすぐに聞き返したわけです。

安:はい。

大野:彼女は「ここに彼の名刺がありますよ」ということで、もちろんBNIの名刺ファイルを取り出して、彼の名刺を渡すわけですね。

安:うーん。

大野:さらに「実は明日彼に会うんです」と。「もしよろしければ、彼からあなたに電話をさせましょうか」というふうに彼に聞きます。すぐに彼は「はい。それはありがたい。お願いします」ということで、「今のデザイナーを明日首にするので、その人が新しいデザイナーになってくれそうで、良かったです」みたいな話をされたそうですね。

安:はい。

大野:早速、化粧品コンサルタントの彼女は翌日彼とのミーティングで、リファーラルを提供するわけですよね、彼に。ところが彼がですね、その彼というのはそのお客さまのご主人ですよね。その彼が「何をしているのかも、そしてどんなプロジェクトを抱えているのかも知らない」と言うんですね。

安:はい。

大野:「ただ少なくとも、今のグラフィックデザイナーを今日首にすると言っていた」と。

安:はい。

大野:「だから、新しいデザイナーを今すぐにでも見つけたいということは確かだから、すぐに電話したほうがいいわよ」というふうに彼に名刺を渡したんですね。

安:はい。

大野:その名刺にはCEOという肩書しか書いていなくて、その会社がどんなことをやる会社なのかは書かれていなかったので、どんなプロジェクトなのかというのは知る由がなかったわけですよね。

それがなんと分かったことは、彼は映画のプロデューサーだったんですね。数カ月後に配給される予定の新しい映画のグラフィックデザインをするというのがプロジェクトだったんだそうです。

安:なるほど。

大野:結局、BNIチャプターのグラフィックデザイナーに、彼が電話をしてくれて、面談することになって、採用してもらえたんですよね。

安:うーん。

大野:彼はその映画の仕事を見事にこなして、すごい満足をしてもらったんですね。次の映画の仕事も任せられるということにつながったわけですね。

安:はい。

大野:結果として彼にとって、数千万円規模のビジネスにつながったということなんですね。

安:すごいですね。

大野:うん。ですから大きい規模のリファーラルがフェイシャルエステをやっていた化粧品コンサルタントから出たというのが、今回の面白いところですよね。

安:確かに。

大野:今この2つのストーリーをご紹介したわけですけども、まず最初のギフトバスケットを扱っている女性のメンバー。お父さまが製造業を営んでいて、同じチャプターのメンバーもプロジェクトマネジメントコンサルタントをやっている男性が、まさにその製造業の経営者を探しているという状況だったわけです。

安:はい。

大野:でも、彼女がそうした人を彼に紹介できるはずがないと思い込んでしまっていたという…なんか面白いというか、残念というか。

安:そうですね。

大野:はい、でも、これは結構ある話だと思うんですよ。

安:はい。

大野:そんな経験は安さんはありますか。

安:私自身はというわけではないんですが、ただやっぱり同じように思ったことはありますね。まさかそのメンバーの方の後ろとか、ご親族に、そういう方がいるというのは、話を聞いてみないと気付けないことですからね。

大野:そうですね。顔に書いてあるわけではないですもんね。私は誰とつながっていますなんて書いてないので。

安:確かに。

大野:結構私もBNIの説明会に来ていただいた外資系のプライベート・バンキングの方ですね。やっぱり資産家とかね、金融資産を結構お持ちの方をお客さまにしているわけですけど。その方が自己紹介のときに、「どうやら場違いなところに来てしまったようで」と言い出したんですよ。と申しますのも、「弊社では、金融資産が少なくとも3億、そのうち弊社にお預けいただける額が1億以上の方を対象にしておりますので、申し訳なかったなというふうに思っています」みたいな。

安:えー。

大野:はい。残念なプレゼンでしたけども。その中には、そういった資産家を知っている人が、私も実際知っていたんですけども、同じ部屋にいた人たちの中には、そういった富裕層を知っている人も何人かいたわけですよ。

安:はい。

大野:それを名刺交換したときの、どこで判断したか分からないですけどね。「ちょっと場違いだったな」というふうな発言をしてしまったのは、もったいない話だなと思いますよね。

安:確かに。その先のつながりを自分から絶ってしまったってことですからね。

大野:うーん。先ほどの化粧品コンサルタントの方が、チャプターにメンバーシップの申し込みをした際に、実は一部のメンバーがグループにふさわしくないというようなコメントをされたらしいんですよ。でも結果として大きな、BNI史上でも記録に残るようなリファーラルを出されているわけですよね。

安:はい。

大野:だから大切なのは、どんな専門分野を仕事としているかということよりも、その専門としてやっている仕事をしっかりやっている、そういったメンバーを見いだすことなんだと思うんですよね。いわゆるプロ意識、プロフェッショナリズムというんですかね。

安:はい、大事ですね。

大野:はい。もう一つのポイントとしては、やっぱり周りの人たちの行動とか振る舞い、そして、何を言っているか、言動ですよね。この辺に注意というか気を付けて、そういったことにアンテナを張っておくということですよね。

安:はい。

大野:例えばさっきの旦那さんの落ち着いていない行動、うろちょろうろちょろしているみたいな。そこに気が付いて、「あなた、どうしたの?」と質問したわけですね。

安:はい。

大野:そこは大切なポイントかもしれませんよね。

安:うーん、ですね。

大野:「明日グラフィックデザイナーを首にするんだ」みたいな。これは大切なサインで、見逃してはいけませんよね。

安:確かに。それではそろそろ、終わりに近づいてまいりましたが、大野さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか。

大野:はい。これは結構多い思い込みというんですかね。目の前の人がどんな人とつながっているかというのはやはりなかなか分からないものです。私もタクシーの運転手さんと話をしていて、その人が持っているつながりにびっくりしたこともありました。

安:あー、どんな?

大野:奥さまがとても大きな会計事務所の所長さんをやっていると言うので。

安:うわーお。

大野:「私は妻に食べさせてもらっていますので」みたいな。

その辺を、目の前の人の人脈の広がり、可能性というところを、過小評価してしまいがちなので、そこを「ちょっと待てよ」と。「もしかしたらこの人は大変な人とつながっているかもしれない」ということを忘れないで覚えていただきたいなというふうに思います。
ぜひまた、このチャプターでこのストーリーをシェアしていただければと思います。

安:そうですね。

大野:はい。

安:人脈の棚卸しじゃないですけれど、やっぱりどういう人とつながっているかということをまず自分自身も開示するということも大切でしょうし、それを相手からしっかり聞くっていう、そのきっかけを作るというのは、すごく大事だと思いました。

大野:ただそういう人脈をひけらかす人というのはあまり多くはないです。中にはいますけどね。

安:あー、確かに。

大野:むしろ、ひけらかしている人よりも、大切にしている人のほうがむしろ大事じゃないですか。

安:はい。

大野:それを開示してもらうというか、教えてもらうためには、やはり1to1を重ねて、信頼関係を作っていくということが欠かせないプロセスだと思うんですよね。

安:そうですね。

大野:はい、そこを忘れないでいただきたいと思います。

安:はい。ありがとうございました。

大野:ありがとうございました。

安:今回もBNIジャパンナショナルディレクターの大野代表と、私BNIメンバーの安紗弥香でお送りいたしました。このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社の提供でお送りいたしました。それでは次回もオフィシャルBNIポッドキャストでお会いしましょう。See you next week.

第150回 人脈の過小評価BNI Japan Official Podcastで公開された投稿です。

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