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January 18, 2017「歳初喜皇甫侍御至」厳維日本では鏡開きも終わって、お正月の雰囲気が少しずつ薄れて来るころでしょうか。こちら中国では旧暦の1月1日=春節まで2週間ちょっと。年末、年越しの雰囲気が盛り上がってきています。お正月を家族で過ごそうと、故郷へ向けての帰省ラッシュも始まります。私自身のこどもの頃のお正月の楽しみは、お年玉をもらうことや、晴れ着を着せてもらうこと、美味しいものを食べられることよりも、むしろ、同世代の従兄弟たちに会えることでした。一人っ子の私は普段、家の中では大人に囲まれていたので、子供同士でご飯を食べたり、テレビを見たり、そんな何気ない事がとても楽しかった記憶があります。従兄弟たちとトランプやゲームをやろうとハリキッテいたものの私が一番年下で、コテンパンに負かされたことさえ、何だか楽しかったので、大人たちの酒宴が終わり、みんなが帰る時は、とても寂しかったです。さて、今日は厳維の「歳初喜皇甫侍御至」(歳初、皇甫侍御の至るを喜ぶ)を紹介します。...more9minPlay
January 09, 2017「夜雪」白居易今年も「もう幾つ寝るとお正月」と数えるほどの日数になってしまいました。北京では旧暦でお正月を祝うので、この時期でもお正月の準備はまだ、まだと言った感じです。それでも来年のカレンダーを用意していると、いよいよ今年も終わるんだなぁと実感してきます。みなさんにとって今年はどんな年でしたか?いろんなことがあったけれど、最後は静かに締めくくりたいなと思うのは日本人だからでしょうか。中国の旧暦大晦日は、賑やかな花火や爆竹の中、新年を迎えますから日本の大晦日の夜のイメージとはだいぶ違います。私の日本の大晦日のイメージは、深々と雪が降る中、ゴーンと除夜の鐘が静寂を破って鳴り響く感じです。108つの鐘の音に合わせて今年の出来事が浮かんでは消えていく。さて、今年最後のご紹介は白居易の「夜雪」です。...more7minPlay
January 09, 2017「帰省」狄仁傑気が付けば今年も残り10日ほど。お正月の予定は決まりましたか?新暦、旧暦の違いはあれど中国も日本も新しい年を家族で迎えたいという気持ちは共通でしょう。お正月休みはレジャーよりも帰省の時期です。故郷に帰って、料理を作ったり、家事を手伝ったり普段はできない親孝行する人も多いのではないでしょうか。今日は狄仁傑 (てきじんけつ)の「帰省」を紹介します。...more10minPlay
January 09, 2017「小雪の日香亭弟が灰鼠裘を贈らる」袁枚早いもので、12月も折り返しまで来ました。11月に少し雪が舞いましたが、それ以降は比較的穏やかな日が続いていました。でも、さすがにここに来て、寒さも本格化し北京の冬用のひざ下までの長いダウンコートを着ている人が増えました。セーターを脱ぐときにビリビリとする静電気の季節でもあります。さて、今日は暦を少し遡って袁枚(えんばい)の「小雪の日香亭弟が灰鼠裘を贈らる」を紹介します。...more10minPlay
December 13, 2016「冬夜書を読む」菅茶山今日は二十四節気の「大雪」。雪が大いに降るころと言う意味です。北京では、大雪が降ることは少ないのですが、暦どおり屋外は深々とした寒さになって来ました。日中でも空気が冷たくなってきて屋外での活動もそろそろ限界が近づいて来ている感じがします。北京の公園には、ほとんどと言っていいくらい池がありますが、厚い氷が張る前に水を抜いて掃除をしているところも多いようです。だんだんと公園の表情が変わってきているようです。一方室内は、どこも集中暖房がしっかり効いていて、屋外とは対照的です。こうなると室内で過す時間が増え、本でも読もうかという気持ちになりますね。北京は、これからが読書の季節かもしれません。さて、今日は菅茶山(かんさざん)の「冬夜書を読む」を紹介します。...more8minPlay
December 13, 2016「桂花美人に題す」高啓日本の11月は前半に文化の日、後半に勤労感謝の日があって秋の行楽シーズン真っ只中でしょうか。文化の日が「菊薫る」と形容されますが、ならば勤労感謝の日は「金木犀香る」と言った感じです。日本の我が家には小さな庭に金木犀の木があって、秋になると甘い香りを漂わせ季節の移り変わりを教えてくれます。遠く離れていても自宅の庭の景色を思い出すと、どこからともなく甘い金木犀の香りが漂ってくるようです。金木犀の香りは、それだけ印象深いものです。北京では、あちこちの公園で冬の支度が始まっています。10月上旬の国慶節から目を楽しませてくれた黄色い菊や紅いサルビアが枯れる前に抜かれています。街から色が無くなっていくようで寂しいのですが、抜いた花は公園に来ている市民に配られ、受け取った人は根に泥の着いた花の束を手にして嬉しそうな笑顔を浮かべていて癒されます。さて、今日は高啓の「桂花美人に題す」を紹介します。...more8minPlay
November 18, 2016「謝亭送別」許渾11月中旬は日本なら秋たけなわ。北京は集中暖房も始まり、冬の準備完了。冬の足音がはっきりと聞こえてくる時期になりました。朝早く屋外を走ることが出来なくなったり、暖かい所で生まれ育った私は寒さに弱いのですが、冬には冬の楽しみもあります。冬本番が近づいて美味しくなる物。鍋物が一番に思い浮かぶかもしれませんね。街角の市場に並ぶ果物では柑橘類も旬を迎えます。夏の間の大きな西瓜やハミメロンに較べれば小さいのですが、この時期、存在感を示しているのは私の大好きな柚子。漢字では柚子と書く、日本で言うところのザボンです。皮を剥くのが大変なのですが、皮を剥く時に漂う柑橘の香り。なんだか南国の雰囲気があって大好きです。その季節、季節でそれぞれに美味しいものが楽しめる。中国中から果物が集まる首都、北京の魅力の1つかもしれません。さて、今日は許渾の「謝亭送別」を紹介します。...more8minPlay
November 18, 2016「山行」杜牧暦の上では、立冬を過ぎ「冬」になりました。今年は、10月下旬に厳しい寒波が北京を襲い、最低気温が氷点下になるなど暦よりも早く「冬」を実感しました。逆に、ここに来て少し厳しい寒さは緩んだようですが、日が沈むのがめっきり早くなり、やはり季節の移り変わりを感じます。冬を感じながらも、街中の街路樹の紅葉は今が見頃です。黄色く色づいた銀杏が北京の紅葉の主役です。少しずつ葉を落とし始めているとこもあり、足元に黄色い絨毯を敷いたような場所もあります。この葉が全て落ちきると北京は本格的な冬を迎えることになります。そんな冬本番になる前に、この人も紅葉狩りを楽しんだのでしょうか。今日は杜牧の「山行」を紹介します。...more8minPlay
November 18, 2016「飲酒 其の七」陶淵明先週の北京は雨続きでした。夏の雨と違い、ザットではなくしとしと降る感じです。そして、一雨ごとに纏っていたものが剥がされるように寒さを感じる頃になりました。公園を走る人の姿も、めっきり減り、少し寂しい感じです。少し前までは顔見知りのランナーが何人かいたのですが。もっとも、最近は朝、なかなか明るくならないので私が走りに行く時間も遅くなっています。向こうは向こうで私のことを「いつもの日本人、見かけないなぁ」と思っているかも知れませんね。さて、今日はこんな季節に美味しくなるお酒をテーマにした陶淵明の「飲酒 其の七」を紹介します。...more9minPlay
October 19, 2016「秋興」杜甫10月も下旬に差し掛かり、北京はますます秋の気配が濃くなってきました。街角では冬用のコートを着たり、薄手のダウンジャケットを羽織っている人もみかけます。晩秋であり、冬の入り口さえも見えて来たように感じることもあります。そして、気温の変化だけでなく、日が短くなったことにも驚かされます。朝、いつもと同じ時間に起きても外が暗かったり、夕方だと思っている時間なのに月が輝いていたり。こんな季節は部屋で本を読んだり、物思いにふけるのが似合いそうです。さて、今日は杜甫の「秋興」を紹介します。...more10minPlay