漢詩歳時記

漢詩歳時記

By CRI JapaneseSociety & Culture
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漢詩歳時記 episodes

  • 「送人還京(人の京に還るを送る)」岑参
    暦の上では「寒露」を過ぎました。露が冷たく感じられる時期ということです。確かに国慶節の大型連休も終わり、北京は涼しいというよりも寒さを感じる頃になりました。あと1ヶ月ほどすると北京では集中暖房が始まります。この集中暖房は驚くほど暖かくなるので、暖房が始まるまでのちょうど今頃が北京では一番寒い時期かもしれません。近所の公園を走る時も、日差しがあってもTシャツ1枚ではさすがに寒く、ウインドブレーカーを羽織るようになりました。街行く人の服装もすっかり冬服になっています。厚手のコート姿こそありませんが、毛糸のセーターなどは当たり前と言った感じです。国慶節の連休を利用して衣更えをした人も多かったことでしょう。さて、今日は新疆トルファンでの10月の様子を詠った岑参(しんじん)の「送人還京(人の京に還るを送る)」を紹介します。
    8 min
  • 「逢入京使(京に入る使いに逢う)」岑参
    中国は国慶節の大型連休中。北京は中国全体から見れば、憧れの都、観光地です。大きな花籠や赤や黄色の中国カラーの花で飾られた天安門広場にも地方からたくさんの観光客が押し寄せています。北京に暮らす私は普段、天安門広場に行くことはほとんどありませんが、5月1日のメーデーの連休とこの国慶節の連休には毎年、天安門広場に行っています。数年前までは、ちょっと早起きしてでかけると、かなり近くで国旗掲揚式を見ることができました。最近は、観光客が多すぎて国旗掲揚台の近くまでいくのも難しくなり、人が少し引いたであろう時間帯に出かけています。そこで、毎年、写真を撮ります。自分の着ている服を今までの年と較べてみると、今年は寒くなるのが早いように思います。年によっては半そでのセーターという時もありますが、今年は長袖のブラウスに羽織るモノが必要です。さて、今日は岑参(しんじん)の「逢入京使(京に入る使いに逢う)」を紹介します。
    8 min
  • 「玉関寄長安李主簿(玉関にて長安の李主簿に寄す)」岑参
    過ごしやすい日が続いています。中秋節の連休が先週終わったばかりですが、今週末からは国慶節の大型連休です。秋の行楽シーズン、私は一足早く日本からの友人と敦煌へ出かけてきました。1994年、2004年に続いて3回目です。その度に街の様子は変わっていますが、雄大な景色は変わらずいつも私の心をとらえます。でも、同じ場所に立ってもその時の自分の境遇によって感じるものは違います。今回も玉門関に行きました。玉門関の関をずっと関所のような場所だと思っていましたが、ここはシルクロード和田からの玉が通った場所であり、交易の場所だったということを今回、知りました。ということは辺境の地とは言え賑やかな場所だったのでしょうか。往時のざわめきが聞こえてくるような気がしました。さて、今日はこの玉門関での漢詩です。この人は、どんな気持ちでここに立ったのでしょう。岑参(しんじん)の「玉関寄長安李主簿(玉関にて長安の李主簿に寄す)」を紹介します。
    8 min
  • 「聞白楽天左降江州司馬(白楽天の江州司馬左降せられしを聞く)」元稹
    「暑さ寒さも彼岸まで」秋のお彼岸ですね。北京では、日本のようなお彼岸の習慣はありませんが、確実に暑い季節は終わっていて秋たけなわです。来月初めの国慶節を約10日後に控え、街は衣更えの最中です。花壇の花は夏の花から秋の花へと植え替えられ、住宅の外壁などの塗り直し工事も多くみられます。秋の仕度はその次の冬への助走なのかもしれません。北京秋天、短い秋をどんな風に楽しみましょうか。さて、今日は元稹の「聞白楽天左降江州司馬(白楽天の江州司馬左降せられしを聞く)」を紹介します。
    8 min
  • 「八月十五日夜、禁中独直、対月憶元九」白居易
    明日は、中秋の名月、中秋節です。朝晩だけでなく日中の空気も秋の色に染まってきました。中国では、中秋節の満月は一家団欒の象徴ですが、夜空を見上げて思い出すのは、家族だけではないようです。幼馴染や古くからの友達。来し方に思いを巡らせ、言葉にすればそれが詩になるのでしょうか。十五夜を詠った詩は、たくさんあります。今日は白居易の「八月十五日夜、禁中独直、対月憶元九(八月十五日夜、禁中に独直し、月に対して元九を憶ふ)」を紹介します。
    10 min
  • 「山間の秋夜」眞山民
    今日は、二十四節気の白露。秋が本格化してくる頃。白露(しらつゆ)と読めば、いかにも和風で、秋の季語になっています。朝晩の空気がヒンヤリしてくることから、草の葉に白い露が結ぶということ。確かに、最近の北京は特に朝晩の涼しさに秋の訪れを確信します。同じ雨冠でも「霞」と言う文字は、春をイメージさせますが、この「露」という文字は、やはり秋の象徴のようです。加えて、「白」は中国の陰陽五行説で秋に割り当てられている色です。私としては秋が深まっていくのは、大好きな夏が遠ざかっていくようで、少し寂しくもあります。でも、スケジュール帳を見てみると、9月、10月は公私にわたりイベントがびっしり入っています。寂しなんて言っている場合では、ありません。歳月人を待たず。北京の短い秋を思う存分、楽しみたいなぁと思いました。さて、今日は眞山民の「山間の秋夜」を紹介します。
    7 min
  • 「秋浦の歌」李白
    北京は日に日に秋の気配が漂ってきています。8月も今日で終わりです。先週一週間、私は世界遺産でもある安徽省の黄山の旅を楽しみました。奇岩、松、雲海、温泉が黄山の四絶、4つの素晴らしいものといわれています。今回は、天気がよすぎて雲海は見られませんでしたが、奇岩に寄添う松の木の緑色が印象的でした。岩と松が同時に楽しめるのが黄山の特徴かもしれません。岩や峰には、その形からいろいろ想像力をはたらかせた名前が付いています。私が中でも印象に残ったのは、「夢筆生花」という峰です。ひっくり返して筆の穂先を上にしたような形をした峰の先に、まるで花束のような形をした松が生えているのです。この峰には、こんな伝説があります。李白が黄山を訪れ、詩を書いたり、もてなされて楽しくお酒を飲んでいたのですが、酔っぱらって詩を書いていた筆を落としてしまいました。その筆は地面にささり、気がつくと大きな峰になって、筆の先が天を向いていたというものです。筆が峰になるというのは、伝説でしょうが、李白が黄山の近くを訪れ作品を残したのは、本当のようです。では、今日は、その李白の「秋浦の歌」を紹介します。
    10 min
  • 「秋思」劉禹錫
    昨日は、二十四節気の1つ「処暑」でした。処はとどまると言う意味で、暑さが収まる頃ということです。日本にいた時と違って、北京ではこの二十四節気どおりに季節が動いていくような気がします。朝、公園に走りに行く時の必需品だったサングラスや日焼け止めクリームも出番が減りました。走り終わったあとの喉の渇きも、真夏の時より大分落ち着きました。吹く風のさわやかさも夏とは違います。夏の間は、アツイ、アツイと文句のように言っていたのに、その暑さもなくなるとなんだか寂しい気持ちにさえなってきます。この何だか寂しい気持ちになるのも、秋ならではと言った感じがします。これは、古今東西、人は同じように思ってきたようです。今日は、秋の思い、というタイトルの詩、劉禹錫の「秋思」を紹介します。
    7 min
  • 「勧学」陶淵明
    8月というと「夏休み」という単語が、先ず思い浮かびます。今は学生時代と違って、長い休みもない変わりに、新学期までに仕上げなくてはいけない宿題もありません。宿題があったころは、8月も折り返しを過ぎる今頃になると「そろそろ、宿題をやらなくっちゃ」と、ソワソワしていました。子どもの頃は、「宿題なんてなければいい」と思っていましたが、大人になってみるとその宿題だけが悩みの種だった、もっと言うと、勉強だけをしていればよかったころが懐かしく思います。同じ出来事でも若い頃と今では感じ方が違うかもしれません。高校時代に学校で漢詩を学んでいた時には
    ちんぷんかんぷんだったものが、今になると鮮やかに情景が浮かんだりします。漢詩だけでなく、映画も小説も今改めて見てみると最初にその作品に触れた時とは違った感想を持つことも、よくあります。今日紹介するこの漢詩もその1つです。陶淵明「勧学」。
    8 min
  • 「與趙莒茶宴(趙莒の茶宴にて)」銭起
    立秋を過ぎ、やっと北京に青空が戻って来ました。先週は、早めのお盆休みをいただいて日本に帰り、故郷でお墓参りをしたり、同窓会に参加したりしました。朝はいつもの北京の公園ではなく、実家近くの海岸線の松林の中を走ってみました。走り出すと蝉時雨の賑やかさに圧倒されましたが、少し時間が経つと却って蝉の声が涼し気に聞こえて来ました。北京での音のシャワーは車の音、人の声など人工的なもの。日本で耳にした夏の音は、この蝉の声や風鈴の音。自然が奏でる音には癒されるものがあります。でも、最近都会のマンションでは風鈴の音さえもうるさいと苦情の種になることもあるそうです。音に癒されるか、煩わしく感じるかは、音の種類や大きさではなく、聞く人の心の持ち方なのかなと、ふと思いました。さて、今日は銭起の「與趙莒茶宴(趙莒(きょ)の茶宴にて)」を紹介します。
    8 min

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限られた文字の中に、悠久の歴史や雄大な景色、時に心のひだが織り込まれている漢詩。日本語と中国語の朗読で北京の季節の移り変わりとともにお伝えします。

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