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May 31, 2016「村居、目に触るるを書す」陸游北京は、ここ数日30度を越える日が続いています。気温だけ見るとすっかり夏です。太陽が降り注ぐ朝、意を決して外に出ると、意外と空気がひんやりしていてさわやかなことに驚きます。この時期、日本なら梅雨入り前ですから、もう湿度がかなり上がっていますが、北京は日本と違って湿度が20%ほど。やはり蒸し暑い夏ではなく、清清しい初夏の朝です。中国と日本が同じなのは、この時期が麦の収穫の時期、麦秋であることです。5月の風に揺れる穂は、金の波のようです。今日は、この時期の様子を詩に詠った陸游の「村居、目に触るるを書す」を紹介します。...more9minPlay
May 25, 2016偶題晴れ渡る空に太陽が輝き始め、覚悟して外に出てみると意外とさわやかで過し易かったりする時期です。空気が乾いていて、日本にいた時に感じていた初夏の空気とは、だいぶ違うような気がします。北京の街は、今が一番いい季節かもしれません。早起きして公園に行き、走り出すとどこからともなくいい香りがしてきます。春の花の甘い香りではなく、もう少し大人っぽい香りです。辺りを見回すと白いライラックが咲いています。なんだか1年ぶりに懐かしい友達に会ったような感じがしました。北京の公園の花は夏に向けて、少しずつラインナップを変えて行きますが、香りを楽しむ花はこのライラックで一区切りです。そう考えると、ライラックの香り溢れる公園を走り抜けるのはもったいないような気がして、少しでも長い時間、ここにいたいなぁと思います。いつもより時間をかけて、公園内を散策すると次の主役、蓮の花に蕾がついているのを発見。夏の準備が、着々と進んでいるようです。さて、今日は今頃の様子を歌った于謙の「偶題」を紹介します。...more7minPlay
May 12, 2016初夏北京の街角では、あちこちでバラの花が咲き始めました。バラは菊の花と共に北京市の市の花でもあります。そのせいか、この時期盛りを迎えている牡丹や芍薬と違って花壇よりもむしろ歩道や車道の中央分離帯などより人の目に付きやすいところに多く植えられているような気がします。日本人の私にとってバラの花と言うと高嶺の花や温室育ちのイメージですが、北京では車の排気ガスを浴びながらもその美しさで和ませてくれる苦労人、強い花のイメージです。もしかすると、日本では美しさとは、はかなさで、中国では美しさとは強さなのかなとバラの花を見て一人深読みしてしまいます。1つ、間違いなく言えるのは日本にいた時よりも北京に来てからの方がバラの花が好きになったということです。さて、今日はバラ香る今頃の様子を詠った司馬光の「初夏」を紹介します。...more7minPlay
May 09, 2016紫の藤の樹(紫藤樹)日本では、ゴールデンウイーク真っ只中。いかがお過ごしでしょうか?中国の5月の連休は3日間と短く、あっという間に終わってしまったように感じています。私はちょうど日本から友人が北京を訪ねてくれたので一緒に盧溝橋や万里の長城、お茶市場などに出掛けました。日によって夏を思わせるまぶしい天気だったり、冷たい雨が降る一日だったり。でも、天気に関わらず新緑の季節到来といった感じです。緑の葉は青空の下、太陽の光に負けじと輝く姿も、小雨に打たれてうつむき加減でしっとりたたずむ姿もとても美しく、花と同じようにいろいろな表情で私たちを和ませてくれます。こんな木々が生き生きとする季節が私は好きです。残念なのは、北京はその時期が短く、直ぐに本格的な夏になってしまうことです。短いからこそ、この季節を濃厚に楽しみたいなぁと思います。さて、今日は李白の「紫の藤の樹(紫藤樹)」を紹介します。...more8minPlay
May 04, 2016王倫に贈る今週末から中国も日本もゴールデンウイークに突入しますね。中国では、以前はこの5月1日の労働節の連休は1週間ほど休みになり大型連休でしたが、今年は30日、1日、2日の3連休です。いつもの週末より1日休みが長いだけです。でも、本格的に暑くなる前のこの時期は、行楽シーズン。どこに行っても大勢の観光客でにぎわうことでしょう。人ごみを見に行くのも気が進みませんが、陽気のいいこの時期に家にいるのもなんだかもったいないような気がします。いつもの公園に行ってみると、1週間前までは蕾さえも目立たなかった牡丹の花が咲き始めています。この調子では、メーデーの連休には見頃を向かえそうです。そろそろ、市内の幹線道路の中央分離帯にバラの花も咲く頃です。あの場所のあの花は、咲いたかな。と、混みあっていると分かっていても、やはり出掛けたい季節です。さて、今日は李白の「王倫に贈る」を紹介します。...more8minPlay
May 04, 2016春夜洛城に笛を聞く今日は、二十四節気の穀雨。穀物を潤す雨が降る頃です。日本では菜種梅雨、春に3日の晴れ間なしと言った言葉があって、春は雨のシーズンでもあるのですが、北京は相変わらず乾燥しています。この時期に雨が降ったら、作物にとっては恵みの雨になりますが、今日も北京は快晴でした。太陽がまぶしくて春と言うより夏を思わせる一日でした。そういえば、穀雨の次は立夏ですものね。季節の移り変わりは至るところで感じますが、日が伸びたことでも季節が変わったことを教えてくれます。そして、夜に色があるとすれば夜の色も漆黒の冬から、墨を水に流したような透明感のある黒に変わったような気がします。職場を出て、ちょっと寄り道したくなる時期になって来ました。さて、今日は李白の「春夜洛城に笛を聞く」を紹介します。...more8minPlay
May 04, 2016牡丹今年の北京の春は、一滴ずつ水時計が時を刻むようにではなく、堰を切ったようにあふれ出て、全速力で駆け抜けていくような感じです。今月の初めに出掛けた公園で迎春花に続いて木蓮やライラック、桃、杏などが咲き出したと思ったら、1週間ほどで散りはじめ、今は山吹が見頃を迎えています。中国はあと半月ほどで労働節=メーデーの連休。これに向けて各公園の花壇ではインパチェンス、日日草など夏の花の植え込みが始まっています。花にばかり目を取られていたら、いつの間にか街路樹にもやわらかい緑の葉が茂り始めました。柳の枝もすっかり新緑の色に染まっています。町の表情がどんどん変わって行き、暑くも寒くもない今から5月上旬が北京では一番いい時期かもしれません。この後、バラや牡丹、芍薬が咲き始めるまで、あと少しです。さて、今日は百花の王とも呼ばれ中国の花とも言われる牡丹を詠った陳与義の「牡丹」を紹介します。...more8minPlay