カフエマメヒコ井川啓央の「いかひこ深夜便」

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カフエマメヒコ井川啓央の「いかひこ深夜便」 episodes

  • マメクル2020 #30/黙ってられない
    ひとつきぶりの更新です。このひとつきの間、影山くんとは演劇をやっておりました。いまの世を風刺した作品でした。そいつが終わって、改めてマメクルを、ということになり、互いに話し出すと。こののらりくらり、デタラメだらけの世の中に、いい加減、黙ってられないという感じでして。みなさんは、ボクらみたいに憤ったりしないんですかね。ボクラだけが特殊なんですね、きっと。人間て押しても引いても、ダメだとわかると、気持ちは途端にシュンとなっちゃうんですよね。んーーーー。齢47にして、ふたりともシュンってなってます。
    31 min
  • いかひこ深夜便2020 #28/盛り付けについて
    この春のマメヒコのメニューに「檸檬寒天」というのがありました。半透明な寒天に、白いバニラアイス、淡く檸檬色がかった檸檬シロップ。それがガラスの器に盛られて、白いソーサーに乗って出てくる。パッと見るとほぼ真っ白な見た目のそのデザートを目にしたとき、サカイさんは井川さんの「盛り付け」について改めて着目しました。井川さんらしい盛り付け、というのは散歩や遠足をこよなく愛する井川さんだからこそ生み出されるものなのだと改めて話してみてわかりました。
    18 min
  • マメクル2020 #29/居場所は作る
    どこかに置いてもらう、仲間に入れてもらう。それは、人間が生きていくうえで大切な能力のひとつでしょう。ゆえに周りから浮かないよう、嫌われないように合わせて生きていく。それはそれで良いと思う。ボクはボクに対して、絶大な信頼があります。いつもなにかにつけ言い出しっぺですけど、最後の片付けまで、きっちり必ずやりますから。だからって褒めてもらうなんてことないし、感謝されたり、ましてや権力とは無縁、お金をくれたりもしません。それでもいつも鼻うた歌って、ニコニコやってるからねボクは。そんなヒト、なかなかボクくらいしかいないだろうと自分で思います。ボクってなかなかの人物ですよ。だから自分が納得できないことに対しては、世間にまったく同調しません。ボクはボクが選択したことに対して、たとえ世間中がどう言おうと、まったく気にならないし、ボクはボクの一番の理解者です。そもそも、悪口なんて言われたことありません。それほどみんなボクに興味なんてあるわけ無いわけね。そりゃ陰で多少、「あいつ馬鹿じゃねーの」、くらい言われてるでしょーけど、ボクの耳に直接入ってくることではないので、傷ついたり、困ったりしないわね。ボクがいつも思うのは、自分の居場所というのは、誰かが用意してくれるものではなく、自分で作るものだということです。コロナのさなか、右に倣えの世の中でしょう。コロナそのものの恐怖というより、全体主義的な視線に脅威を感じたり、うんざりしてるヒトっていると思うんですよね。「マメヒコはなぜコロナ対策をしないのか」と毎日、ひとりかふたりのお客さんにそんなようなことを言われるんだと、うちのスタッフが言ってました。それは気の毒だねーですけど。だからといって、なんちゃって対策のフリをするなんて気にならない。もしボクがなんちゃってをやりだしたら、いまのスタッフはボクに失望して辞めるでしょう。ボクらは、コロナだろうがなんだろうが、四六時中店中をひっくりかえして掃除してるんです。そんなとこないだろうと、自信持ってる。ステッカー貼ってないじゃないか、だから安心できないっていうなら、どうぞ貼ったあるとこに行けば、ってそれだけ。自分の居場所を作る。それは強さがいるかも知れないね。
    26 min
  • いかひこ深夜便2020 #25/映画祭について
    【映画を作るにあたって】自分らしい作品を作ろうと思ったら、誰にも邪魔されない聖域を作ることだ。映画を作るより、聖域を作ることのほうがいずっと大事なことだ。そして完璧に作ろうとしないこと。細かいことはこだわらない、なるべくおおざっぱに作る。批評家ではなく、創造者なのだから。作りたいなら批評眼はひっこめることだ。季節感は大事にして、シリアスだけど可笑しくて、気持ちが揺さぶられるんだけど、メロドラマではなくて。社会はこんなもんだろうという映画ではない。こんなものかもしれないけど、ほんとにそうなのかな、そうではないんじゃないかな、というものを作らなくてはだめだ。音楽も含めて映画。人生の無意味さ、実存の不安定さを映画で表現できるか。そういう映画が作れたら作りたい。
    興奮してお届けしています。すごいことがありました。ときどき、こういうことあります。聞いてください。
    36 min
  • マメクル2020 #28/コメント欄について
    WEBラジオを10年以上続けています。軽く1000本は出していると思う。影山とやってたときもあるし、たつじとやってたときもある。増原とやってたときもあるし、なっちゃんとやってたときもある。それに瀬尾さんとも精力的に更新しています。いつもそのたびに、これを誰が聞いているんだろうかとよぎりました。ボクは一体、誰に向かってボールを投げているのか、と。気楽な気持ちで続けてはいましたし、しゃべることは好きですから苦労ということはなかったです。でも、そのときどきに、良いものになるように、あとから聞いても色褪せないことを話そうとは努めてきました。それでも、誰からも反応がないとき。それは自己満足だったのだと。自分では良いと思えた回も、誰からも反応がない。とても虚しい思いをずっとしていました。この数年。そうやって聞いてくれてたヒトたちが、可視化されました。「いかひこ」というグループになったんです。それで、いろいろと反応してくれるようになりました。それがラジオや演劇、もちろんマメヒコそのものを続ける励みになったんです。#24でたくさんコメントが付きましたが、それもとても励みになっているんです。今年になって、さらにラジオが届いていたんだと感じる機会が増えています。とても不思議です。「井川さんの言葉が、棘のように心の深いところに刺さっている」と言われたこともある。ボクはいまのマメクル2020は、ちょっと行儀良すぎると思う。かつて、誰も聞いていないと思っていた頃は、もっとハチャメチャで、だけど、そのかわり、とても深いところにたどり着いていた、そんな感覚もあるんです。いま聞いているヒトたちに、あの頃の話が届けられたらどうなんだろうか。と思ったりもします。コメント欄は、みなさんに発露の場所になったら良いと思っていますが、なかなか深い話というのは、顔の知れないヒトたちとするのは難しいですよね。攻撃されたら嫌だなとか、どうせ話してもわかってもらえないだろうとか。その気持ちはわかります。だから、それぞれの距離感で付き合ってもらえればインですが、コメント欄に書いてみたいというヒトは、http://ikawayoshihiro.com/ から「いかひこ」に申し込んでください。ひっそりがいいなら、ボクに直接メールください。どちらにせよ、2020年とコロナで、なにかが変わってきている気配を感じます。今年はそういう星のめぐり合わせなのかもしれません。不思議です。
    28 min
  • マメクル2020 #27/ちきん
    影山くんと、お芝居をやることになりました。楽しみです。この回のマメクルでも話している、コロナによって街に溢れた「怖い」という感情、正義、正論について、なんかお芝居にできないかと思ってさっと書いたものです。タイトルは「鶏(ちきん)」です。四六時中、周りの目を気にしているヒト「ちきん」の物語です。舞台は架空の時代、架空の国の話です。影山くんは大統領の役。ボクは妖精使いです。こんなときに、演劇?と眉をひそめるヒトがいるそうなんですが、(ボクはそういうこと言われたことないけど)じゃあ、どんなときなら演劇なのでしょうか。トマトをミキサーに入れたらトマトジュースになるというように、何かを何かしたら、何かになるなんていう考え方そのものが、ボクは間違っていると思います。そういうことを四六時中気にして、話してるヒトたちを見ると、どうぞ、勝手におやりなさないなと意地悪を言いたくなる。いつもそうですが、このお芝居をやったら、何かになるなんてことはありません。良いことも悪いこともボクがなにかをしても、世界は1mmも動いたりはしない。動くと思うから、期待もするし、絶望もするし、なにもやれなくなるんですよ。ボクはいまこんなときだからこそ、これをやってみたい。8月に銀座でやります。詳しくはマメヒコのホームページで。
    25 min
  • いかひこ深夜便2020 #24/不在の対話について
    不在の対話 / 桜の木にバナナの実より ボクより少し若い彼は、まだマメヒコが三軒茶屋にしかなかった、そんな頃のお客さんでした。黒縁の眼鏡をかけ、その奥で、世間を斜めに見つめている、色白な知的な青年でした。  彼は店に立ち珈琲を淹れるボクを見つけると、いつもなにか話したそうでした。ボクも時間ができると、彼の隣に座りました。  話し出すと、マメヒコのことを批評しました。彼はマメヒコの批判ではなく、批評をしてくれました。 「なぜマメヒコはランチをやらないのか」 「なぜマメヒコにはケーキセットがないのか」 「なぜマメヒコの珈琲には酸味が必要なのか」 そういうひとつひとつを、やっている当のボクが考えもしえない切り口で朗々と説明するのでした。ボクは彼の批評を聞くたびに、(こんなにも自分のことを、マメヒコのことを、わかってくれるヒトが、世の中にいるんだ)と、胸がいっぱいになりました。後にも先にもこんな風に分かり合えるヒトは彼のほかにいないと思う。心の奥の座敷でお茶を酌み交わせる人間に出会えることは、なにものにも代えがたい幸福なのです。ほんとうに、ほんとうに、マメヒコをやってよかったと、彼のおかげで思えました。 一度だけ彼と店の外で会いました。彼の知人が鎌倉に古い和式の邸宅を持っているというので、案内されたのでした。「井川さん、いつかマメヒコはこういうところで、やってみるのも面白いですよ。井川さんならできそうな気がするなぁ」 瓦屋根に立ち昇る入道雲、首の周りにべたつく海風、百日花の赤い花。雲をつかむような夢物語でさえ、彼が言うと現実味がありました。 その時ぼんやり。ヒトはいつか必ず死ぬんだなぁ、そんなことを思いました。眩しいあの夏を境に、彼は突然、店に来なくなり、そしてボクの前から消えました。なにか気に障ることでもしただろうか。まるで思い当たりません。詮索し始めると、寂しいよりも不愉快になるのでやめました。そして、ボクとマメヒコは、あれからずっと忙しく、余裕などまるでなかった。 その彼からボク宛てに便りが来ました。何年も、何年も経ってからのことです。*   * 井川さん、お久しぶりです。長い間連絡せず、また突然連絡したりしてすいません。 井川さんのところによくお邪魔していた頃、井川さんも少し記憶にあるかと思いますが、 会社が突然バタバタしました。 そして、そのちょっと後ぐらいに僕は顔に病気を患いました。 親からも、面影ないわね、と言われるぐらい顔が変わってしまいました。そして、知り合いと会うのを避けていました。 その後、父が以前勤めていた会社に転職、治療に努め、四年ぐらいかかって最近やっと元の顔に戻ってきました。 Webサイトを通じてですが、井川さんのご活躍を拝見させてもらい、当時、二人で話していたことを次々と実現していて、さすがだなあと尊敬しています。 久しぶりに井川さんのカフェの噂を知人から聞き、懐かしくなり、メールした次第です。 本人はまだまだだと思っていますが、他人からは顔のことを何も言われなくなったので、精神的にはだいぶ落ち着いて、希望が持てるようになりました。良い人生勉強になりました。(笑) お話させていただいたのは短い時間でしたが、僕も井川さんのことが大好きだったので、なんでこのタイミングに病気になったんだろうと、ずっと残念に思ってました。 こうしてメールすることさえ、重い階段を登る感じです。書き始めてから今日送るまで、このメールはずっと「下書き」で保存状態にありました。 今後も陰ながら応援させていただきます。*   * 彼らしい簡素な便りでした。水臭い手紙でした。でもその淡白さに、ボクは何度も泣きました。寂しくて、悲しくて、やりきれなくて、彼がかわいそうで、世の不条理に、ボクは何度も泣きました。 ボクは二度と彼と連絡を取ることはないと思う。そして話をすることもないでしょう。もうボクらは充分、語り合ったんだ。ボクは、マメヒコを続けることで、不在の彼と話をするしかない。ボクらはそういう運命だったのです。
    31 min
  • マメクル2020 #26/それぞれの個性
    お店を複数持っていると、それぞれ違います。いろいろな要因がありますが、立地によるところが大きいかもしれません。
    マメヒコはの三軒茶屋店は住宅地にあるし、渋谷は繁華街の真ん中にある。
    街に溶け込んで安定してお客さんが来る三茶店と、目まぐるしく街が変わるせいかお客さんもくるくる変わる渋谷。渋谷でお店を続けていくことは、立っているだけでも大変な豪雨の中にいる感覚です。
    そんな安定した三茶店に向いているスタッフもいるし、変化に向いているスタッフもいる。
    そうやって、お店はそれぞれの個性を持つようになります。どのお店も判を押したように同じではつまらない。
    お店もヒトとおんなじだなと思うのです。
    31 min

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