「エネ消費61％減の事例あるが…海外から後れ、日本はなぜ地中熱利用の発展途上国なのか」　地下の熱エネルギー「地中熱」も再生可能エネルギーの一つだ。冬は外気よりも暖かく、夏は冷たい地中熱を活用すると空調を大幅に省エネルギー化できる。半減できた事例も多く報告されており、建築物の脱炭素化に威力を発揮する。しかし、導入実績で海外から大きな後れをとっており、日本は地中熱利用の「発展途上国」となっている。（編集委員・松木喬）

「24年度業績予想を3度上方修正、アドバンテスト好調の理由」　アドバンテストの業績が好調だ。旺盛なＡＩ（人工知能）向けのテスター需要を取り込み、２０２４年度の連結業績予想をこれまでに３度上方修正した。大手半導体受託製造（ファウンドリー）などが設備投資を増やす中、その需要に追従し、２４年度の業績は過去最高となる見通し。同社は２５年度も需要拡大が続くと予想しており、２年連続の最高業績の更新も視野に入る。（小林健人）

「「台数頼み」脱却カギ…いすゞ・日野自、今期世界販売台数引き下げの背景事情」　いすゞ自動車、日野自動車の商用車２社は主力地域の厳しい市況を受け、２０２５年３月期の世界販売台数予想を共に引き下げた。いすゞはピックアップトラック（ＬＣＶ）のタイ販売が振るわず１１月公表値を修正し、期中３度目の引き下げを実施。日野自もインドネシアで台数を落とし、期中２度目の下方修正を行った。「３カ月前は上向くと思っていたインドネシアの経済が戻っていない」（中野靖日野自最高財務責任者〈ＣＦＯ〉）など見通しが不透明な中、販売台数に頼らない事業モデルの構築が求められている。（大原佑美子）

「工・理・医で産業化推進…京大、「量子研究拠点」を4月設立」　京都大学は量子研究を強化するために、大学院付属の光量子センシング教育研究センターを４月に設立する。工学研究科を中心に理学研究科と医学研究科などが連携する。光量子技術で高感度化学分析を実現する。併せて京大が国の量子技術イノベーション拠点に認定される。１２番目の拠点となる。拠点間で連携し、量子人材育成や産業化を推進する。

「洋上風力発電の事故抑制…OKI・損保ジャパンなど、海底ケーブルの異常予兆検知で連携」　ＯＫＩと損害保険ジャパン、ＳＯＭＰＯリスクマネジメント（東京都新宿区）は、洋上風力発電で用いる海底電力ケーブルの異常予兆を検知するサービスで連携する。埋設した同ケーブルが露出して断線する事故などを防ぐため、同ケーブル内の光ファイバーを活用して異常予兆を検知する。事故抑制や損害軽減、事業の安定運営に寄与する。実際の現場での実証などを進め、２０２７年ごろのサービス開始を目指す。

「発売3カ月目に目標下回る…マツダ「CX－80」国内苦戦、浮上のカギは？」　マツダが２０２４年１０月に投入した３列シート・スポーツ多目的車（ＳＵＶ）「ＣＸ―８０」の国内販売に苦戦している。月販１４００台の目標を掲げたが、発売３カ月目となる１２月には１２０１台と目標を下回り、新車効果を発揮できていない状況だ。電動化移行期に屋台骨を支える上級ＳＵＶ「ラージ商品群」の一翼を担う日本市場の旗艦車。認知を広げ、魅力を訴求して巻き返しを狙う。（広島・小林広幸）

「牧野フライス、ニデックと3月上旬に面談…買収提案の情報収集」　牧野フライス製作所は同社の買収を提案しているニデックとの面談に３月上旬をめどに応じると表明した。ニデックから面談を強く要請されていたほか、買収提案が牧野フライスの企業価値向上に資するか否かを判断するために必要な情報を得るためとしている。

「人手介さずにブーム交換できる…日立建機、中型ショベルに新仕様」　日立建機は２０日、中型油圧ショベルのマルチブーム仕様機「ＫＭＣ４００Ｐ―７＝写真」を国内で３月から受注開始すると発表した。ドイツ持分法適用会社のＫＴＥＧ（ヘッセン州）が既に販売している機種で、日本でも建築物や基礎などの解体工事向けに需要を見込む。オペレーターが運転席に座ったままで、フロント部分のブームやアームを人の手を介さずに交換でき、作業の効率化につなげられる。価格は非公表。

「インターフェース速度33％向上…キオクシアと米サンディスクが開発、第10世代NANDの性能」　キオクシアと米サンディスクは２０日、第１０世代のＮＡＮＤ型フラッシュメモリー技術を開発したと発表した。現在量産する第８世代に比べインターフェース速度を３３％向上、消費電力も減らした。また、メモリーの積層数は３３２層まで増やし、ビット密度を高めた。将来的に高速かつ低消費電力、大容量が求められるＡＩ（人工知能）向けのメモリー需要に応える。量産開始の時期は未定。

「世界47市場で展開する”パイオニア”、日本市場に投入する「蓄電池」の機能」　米フルエンス・エナジーは日本の蓄電池市場に進出した。輸送や設置を効率化できるモジュール式の蓄電池と、充電や売電のタイミングを最適化して収益を最大化するソフトウエアを投入する。同社は１６年の実績がある同分野のパイオニアで、世界４７市場で展開する。今後の再生エネルギー導入拡大に伴い蓄電池需要が伸びるとみて進出を決めた。