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今回はいつもと違う、それぞれがひとり語り形式でお届けするRC。どうなったかは聴いて確認してください。しかし、SonicManiaでプライマルスクリームのRocksやMovin' on Upで踊っていた瞬間のことが前世の記憶のように感じられて何か寂しい。どんどんと、僕の心も身体も完全に支配してしまうような、ロックの初期衝動に慣れてしまってきていることの寂しさ。そんな中じんわりと沁み渡るStella Donnellyの新譜。"Just what is it that you want to do?"
放送曲:butterflys/jin yamaguchi
【Rockin' Chair presented by】
熊本を拠点に活動するユニットflex lifeの里枝さんと、準レギュラーのHandelicをお迎えすることとなった今回。Handelicの新譜"So Much Fun"の9曲目「Coffee And Donuts」の舞台裏は勿論のこと、りえさんの紡ぐ「詩」としての歌詞についてだとか、ボーカリストとしての絶妙さとその魔法的な部分のことだとか、そういうずっと訊いてみたかった・話してみたかったことをクールとチャーミングとシリアスが同居してるようなりえさんご本人とゆっくり話すことができた幸せな時間になりました。よく通る落ち着いた声で、しかもトークが超面白いりえさん。冴え渡るHandelicの喩え。重要な部分でバシッと決めるため出てくるジン。何でもかんでも「化学反応」と言ってしまいたくはないですが、やはり今回はこれまでのロッキンチェアーの中でもかなり素敵なケミストリーが起こってる気がします。
放送曲:冒頭→Handelic&青木里枝songs(ダイジェスト) 中盤→Coffee And Donuts(弾き語りver.)
青木りえさんについて
So Much Fun/Handelic
Handelicについて
【Rockin' Chair presented by】
世間の隅っこでその場で思いついたことをただただ話すだけの僕らを見つけて聴き続けてくれている方が、最初に思っていたよりも随分多くて、改めてそんな皆さんに感謝したいなと思います。僕らが楽しければいいよね、で始めたけど、やっぱり誰も聞いてくれなかったら辞めてたと思う。一銭にもならないけど何かしらの表現をして、それを社会に放ってみるのは、どこにも辿り着けない僕にとっての命綱のようなものに、もう、なりつつあるのかもしれません。社会の外、法外からの手紙なのだ、全部。「雨の中大声で笑う 僕たちは不思議だと思う」
放送曲:jane's radio tour session/Jane's Radio Tour
【Rockin' Chair presented by】
今回本編でジンが少し話していた「相反する二つの感情があるっていうのは普通」ということについて、僕らは時々なんか忘れがちな気がする。たかだか140字で世の中の真理っぽいことが書けるわけはないのに、扇情的で「巧い」言葉が実際に世の中に影響をもたらしていくようになってきていて、例えば何らかのリサーチをするとき、おそらく真っ先に参考にされるであろうそれらは、言うて「多数こそが正義」の論理でしかないのだけど、そのことを忘れてなんとなく正しそうな方へ、そんな空気の方へただ流れていく。個を強めることが良きことだと思われ推奨されてきたSNSが最終的にたどり着くのは、雰囲気正義と同調圧力の全体主義かよ、なダブルコンボ。何が言いたいかというと、そういうのから距離取りたいケイチの新曲ぜひ聴いてください。
Diner Song/素敵なアメリカ→ https://open.spotify.com/album/7IKjaCjCLAB7SGcBBdrmFU?si=gD5_b3H8REeV0-ADtyGbfA .
【Rockin' Chair presented by】
音楽を聴くことと精神的な状態(「成長」と呼びたくない)や生活というのは、それはもう密接に関わっていて、永遠に同じように自分に響いてくるわけではないというのが時々とんでもなく辛くなる時があります。あんなに、震えるほど好きだった曲を聴いて何も感じなくなっていた時のどうしようもない喪失。どんどんどんどん何かに感動することが減ってきていること。受け取ったものから圧倒的な何かを自分の中で作り上げ盲目的に傾倒していたときのこと。僕の場合だと「きっとうまくいく」を観て、人生最高の一本だ、とあちこちで言いまくっていたこととか、リアムギャラガーという存在が全てすぎてタンバリンをAmazonで買った瞬間とか、天然木とか。そうしたものの前では、批評や誰かの知ったかぶりの言葉は全く無意味でノイズですらなかった。セミが鳴いてんな、くらいの。あの時の絶対性を持ち続ける人だけがアーティストになるのだと思う。
Lovin' You(Minnie Reparton cover)/keichi kumagai
【Rockin' Chair presented by】
野猿街道という幹線道路をバスで行く夏の夕べの、何にも満たされるようなことがないはずなのに果てしなく満たされる感覚のことが分かるのは、きっと僕だけじゃないはず。ぬるま湯のような外気、バスの振動、停留所を告げるアナウンス、夕暮れの中でも限りなく夜に近い瞬間、そういうやつ。聖蹟桜ヶ丘駅の中には当然のように花屋があって、錆びれかけたターミナルと駅ビルの床は高度成長が薫ってくるようなタイル張りで、それらは30年前からずっと、きっと当然のようにそこにあり続けてる。誰にも知られることのない無数の月島雫と天沢聖司が通った残像が、今にも見えてきそうな気がする。いや現に今見てる。丘の上から街を望めば、電車が通過するときの金属の軋む音が遠く聞こえる。京王デパートの一階にあるスーパーで超熟食パンが安売りされてる。帰りの横断歩道で、すれ違いざまに知り合いの顔を見た気がする。
rain beat/jin yamaguchi
【Rockin' Chair presented by】
おれの言葉、全部借り物やないかい。本当は結論めいたことなんか一言も発するべきじゃないのにね。その点ジンは誠実だよなぁ。
放送曲:無題demo/keichi kumagai
【Rockin' Chair presented by】
Clairo、Stella Donnelly、Jordanaなど素敵な女性SSWが世界には沢山いるので、準備不足感は否めないけど特集してみました。個人的な話ですが、例えばYUIの声を聴くとどこか寂しいような、お兄さんお姉さんたちが東京に向かって行く00年代の朝のイメージが湧く。だからきっと今聴いている最先端なベッドルームポップとか、シティポップリバイバル的なものとか、2020年代に聴く昭和アイドルの声とかも、きっと数年後には、この常に無機質にしか感じられないような"現在"というものの匂いや手触りをしっかりと伝えてくれるものの一部になっているのだろうな、と思います。でもその匂いを感じてしまう頃、僕たちは今より随分老けてるのだから少し悲しくもあるし、なんだかやるせないね。時の経つのの早いこと。気がつけば2045年くらいになってそう、などと安易に言いたくなるくらいに。
放送曲:rude feat,shu /jin yamaguchi
【Rockin' Chair presented by】
『ユリイカ』という4時間近くある2000年公開の映画を新宿で観ました。シンプルな物語の中の、ショットの上で蠢いている無数の熱情や、火鉢の中の炭のような抑制されたエネルギーに触れた僕や他の観客は、映画館を出るときに、スクリーンの中の彼らのように自分たちが一度傷つき再生していることに気づく。打ちのめされて終電に乗る。その翌々日、知らない人はいないと言えるような国民的メジャーなアーティストのMVやアートワークを手がける人と向かい合って沢山話をした。中央線沿いの一戸建ての家のパーティーで。20代に何をしていたか、とか手がけたミュージシャンとの距離感とか。でも最後に、創作について、「結局は続けることこそが全て」みたいなことを仰ってて。腑に落ちつつ始発に乗る。時々一体自分はどこにいるんだろうとふと不安になったりします。それこそ電車の中とかで。雑踏の中で。六畳の部屋で。みんなきっとそんな瞬間があるのだろう。そういう負の部分を否定せずなんとか形にした熊谷慶智の新曲ぜひ聴いてみてください。
the circle/熊谷慶智
【Rockin' Chair presented by】
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