平成ひとケタのあのころ。九州の田舎の高校では、体育で女子は強制的にダンスをさせられていました。
それも今どきのカッコいいHIPHOPダンスではなく、「創作ダンス」。
思い余って、「伊勢物語第6段」をネタにダンスを作ってしまうという始末。
そして、今昔物語にも同じような話が載っているのですが、よくよく読んでみると様々な違いがあることに気づきます。
伊勢物語、おぎたま、今昔物語。伝えようとしたコトは同じでも、立場や視点が違うだけでこんなにも違う話になるなんて!
この時に出会った「あなや!」という言葉を織り交ぜながら、今宵も友がたりいたします。
在原業平:実在の人物で伊勢物語の主人公。色好みの男性として有名。いろいろやらかして東国に左遷された。
伊勢物語:在原業平がモデルの主人公の好色一代記。歌物語の一つ。
※今回取り上げた和歌「白玉か なにぞと人の問ひし時 露と答へ 消えなましものを」
:「あれは何?」と彼女が聞いてくれた時が一番幸せだった。あの時一緒に消えてしまえばよかったのに。
歌物語:物語→和歌→物語→和歌と、和歌を中心に物語が展開していくひとつのジャンル。今でいうと動画付きの音楽データ、PVのようなもの。
あなや:感動詞「あな」+感動の助詞「や」。高校生だったおぎたまに刺さった言葉の一つ。「あれえ」や「きゃー!」と訳することが多いが、未だにしっくりする言葉が見つからなくて悩んでいる。
初出(しょしゅつ):その言葉が一番初めに使われた用例のこと。
迅く去ね(とくいね):「迅速に去れ」=「さっさと消えちまえ!」を意味するあまりよろしくない言葉。おぎがキレるとよく使う。
なまし:完了の助動詞「ぬ」の未然形+仮想の助動詞「まし」の終止形。「~してしまっただろうに」と訳するのが教科書的正解。
※おぎ注はイメージしやすいように大まかに説明しています。これをテストに書いてもマルは貰えませんのでご注意を!
今昔物語集 巻27第7話 在原業平中将女被噉鬼語 第七
<原文>http://yatanavi.org/text/k_konjaku/k_konjaku27-7
<現代語訳>https://hon-yak.net/27-7/
<国立国会図書館>https://dl.ndl.go.jp/pid/877538/1/53
※自由気ままな古典愛トークですので、学術的・歴史的に正しいものとは限りません。
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