評価制度は、実は運用が99%である。大抵、評価制度での“優秀さ”は現在の人材から定義するが、それがトラップになることがある。内部・外部環境が1〜3年単位で大きく変わっていくなかで、将来結果的にどういう人が活躍するかという“優秀さ”は変わっていく。そのような状況では、過去の評価制度が“優秀さ”の定義を固定化してしまい、そこから抜け出せないということが起きる。明確にリフレームしたいのは、評価制度を作るということが、「満点100点はこんな感じ、これができていないと◯点マイナス」のように模範解答を作る感覚ですべきではないということである。評価制度は、運用が99%。だからこそ、「今の優秀さってなんだろう」と組織内でアップデートし続けられる文化があるか、そのアップデートの機会が与えられているような評価運用でなされているか、ということが大事。「評価制度をかっちりやれば揉め事がなくなる」という言説を聞くことも多いが、そんなことはありえない。極端なことを言うと、システムがなくても、全員が対話をし納得していれば、それでうまくいく。あくまで、いろんな人の目線が合わせられて言語化された、その成果が、評価制度という形で表現されているのである。