DONGURIの仕事として、先週、インターネットを賑わせていた株式会社PATRAの新しいプロダクト「wonde」。コロナ禍において、私たちの日常の一部になった手指のアルコール消毒。しかし、現状ではアルコール臭く「消毒のための消毒をしている」感が否めない。このwondeはハンドウォッシュミストでありながら、香りを楽しめるフレグランスプロダクト。推奨されているアルコール濃度を満たしたりなど、社会環境に合わせてアウトサイドインで機能を開発しつつも、インサイドアウトで「不安や“ゆらぎ”を肯定する」というお守り的な思いを込めたコアバリューを持っている。今、アルコール消毒をしているユーザーに「困りごとは?」と尋ねても「香りがあったらなぁ」という答えは返ってこなかっただろうが、wondeはルーティンとして染み付いた日常の行動に新しい意味・経験をもたらしてくれるプロダクトとして大きな共感を呼んでいた。マーケットドリブンがセオリーであるコスメ領域においても、そのなかでインサイドアウト的な提案をすることによって、あそこまでバズるという経験をして、改めて意味のイノベーションの可能性を感じた。マーケットから作ることでコモディティ化していくなかで、いかに“一目惚れ”させるような商品を企業から提案することができるか。wondeは意味のイノベーションの良い成功事例である。