新型コロナウイルスが世界的に流行する中において、中華民国台湾は、爆発的感染拡大を抑え込んでいる国といわれますが、人々の生活スタイルに変化が起きた結果、各方面に影響を及ぼしています。
それは、今学期のスタートが当初の予定よりも2週間遅く、2月25日からとなった子どもたちにとっても同様です。
大手飲料メーカー、キングカーの基金会「キングカー文教基金会」はさきごろ、台湾全域の小学生、中学生、高校生を対象に、新型コロナウイルスが、彼らの生活にどのような影響を与えたかについてアンケート調査を行いました。
本日の「ようこそT-ROOMへ」では、このアンケート調査の結果をもとに、台湾の子どもたちが、今回の新型コロナウイルスをどのように捉えているのか、彼らの生活にどのような影響を与えているのか、についてご紹介したいと思います。
この調査は、今年3月25日から4月10日の期間、台湾全域の小学校5、6年生、中学生、職業高等学校を含む高校生を対象に行われ、インターネット、調査用紙合わせ、回答数は11205件に達しました。
回答者は男子が54.9%、女子が45.1%、年齢層は、小学生が41.1%、中学生が22.9%、高校生が36.0%。そして、居住地は北部が40.9%、中部が17.1%、南部が37.7%、そして離島が4.3%となっています。
それでは、主な項目の結果をご紹介していきましょう。まずは、新型コロナウイルスの流行後、公共交通機関に乗る頻度は変わったかという質問です。
これに対し、全体の54.9%は変化なしと答えましたが、「これまでに比べ減った」と答えた人も42.7%と4割を越えました。年齢別では、小学生では55.6%と5割を越えたほか、エリア別では感染者数が多い北部で47.5%と、5割に迫りました。
続いては、マスクの着用についてです。現在、台湾では、外出時のマスク着用は、常に義務付けられているわけではありませんが、公共交通機関の利用時など、公共の場に立ち入る時については、マスクの着用が義務付けられています。
「外出時には必ずマスクを着用しますか」という問いに対し、男性の68.8%、女性の55.5%が「はい」と答えました。男女で10%以上の開きがあることに対し、調査を行ったキングカー文教基金会では、この世代の女性は、男性よりもより外観を重視し、義務付けされていない場所では、マスクをしていないのではないか、と分析しています。
また、年齢別では大きな開きがみられず、概ね6割前後でしたが、エリア別では大きな開きがあり、北部が73.4%と非常に高い割合になった一方、中部では55.1%、南部では59.1%と6割弱、さらに、感染者が少ない東部では24.6%に留まりました。
ショッピングや友人との食事、映画鑑賞などの外出が減ったか、という問いに対しては、全体の74.7%が減ったと答えましたが、以前と変わっていない、という人も18%いました。
では、家にいる時間はどうでしょうか。家にいる時間が増えたか、という問いには、全体の43.0%が「はい」と答えました。エリア別では、北部が49%だったのに対し、中部、南部、東部は40%前後と10ポイント近い差ができました。
冒頭でご説明したとおり、台湾では2週間遅れではあったものの、旧正月休み明けの新学期は2月25日からスタートしました。しかし、台湾でも、オンライン授業を取り入れている学校はあります。オンライン授業がこれまでに比べて増えたと答えた人は33.6%と、およそ三分の一でしたが、エリア別では北部が42.5%だった一方で、中部、南部、東部は20%台と差が出ました。感染者数の数に加え、北部の方がインフラが整っているという見方ができそうです。
日本では、登校自粛による学習環境への影響が議論されていますが、台湾は、オンライン授業は一部で行われているものの、学校への授業や、塾での補習への影響はあまりないようです。
調査によりますと、新型コロナウイルスが学校の授業に影響を与えていると思うか、という問いに対し、全体の72.4%の人が「受けていない」と答え、残りも、その大部分が「少し受けている」で、「深刻な影響がある」と答えた人はわずか3.0%に留まりました。
また、学習塾などでの補習への影響については、88.8%の人が「受けていない」と答えています。新型コロナウイルスの爆発的感染拡大が起きていないことで、子どもたちの学習環境への影響は最小限に抑えられているといえそうです。
とはいえ、台湾の子どもたちに不安がないわけではありません。調査によりますと、自分が新型コロナウイルスに感染することを恐れているかという問いに、およそ3割、30.6%が「恐れている」と答えたほか、家族が感染することを恐れているかという問いにはさらに多い47.2%の人が「恐れている」と答えました。子どもたちは、自分自身よりも、家族の感染をより心配しているんですね。
なお、全体の60.9%は「しっかりとした感染防止対策を行っている」と答え、「感染を心配していない」という人はわずか8.5%と、1割以下に留まりました。小学校高学年から高校生の年齢でも、新型コロナウイルスに対する心構えはしっかりできているといえます。
新型コロナウイルスの感染拡大で憂慮されるのは、自身、家族の健康はもちろんですが、それと共に大きな課題は、経済面です。
新型コロナウイルスが、父母、世帯の収入に影響することを憂慮するかという問いに、29.5%が「恐れている」と答えたほか、47.1%が「一定期間影響があるだろう」と答え、「全く心配していない」という人は23.4%に留まりました。やはり、経済、収入面について、多くの子どもたちが気にしているんですね。
こうした状況の中、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、どのような点を重視するようになったか、9つの項目から3つ選べというという設問に対し、最も高かったのは「個人の衛生」で78.1%で、2番目は「自分の健康」で74%、そして、これに続いたのが「国際的な時事問題」で55.4%、「家族との関係」で34.4%でした。
台湾の子どもたちは、ただ受け身になっているだけではなく、公共衛生の重要さ、グローバル化社会における国際社会とのつながり、そのメリットとデメリットなど、様々なことを感じているんですね。
今回の新型コロナウイルスの流行が、勉強に課外活動に恋に、青春を謳歌すべき年頃の彼らに影を落としていることは確かですが、子どもたちは将来国を支えていく宝、コロナ後の世界で、彼らが活躍できるよう、今こそ、政府そして社会全体が、十分にサポートをして欲しいですね。