先週の「決断疲れ」の話に続き、今回は「どうすれば決断疲れしないのか」「どうすれば組織の意思決定能力を高められるのか」という話をしたい。マネージャーの意思決定の悩みの1つに、メンバーから何か情報が得られたときに「これ本当だろうか?本当だとしたら動かないと…しかし多分違う気もする…(モヤモヤ)」という状況になることことが挙げられる。こうなると、「これどうしよう、Slackで聞こうか、とりあえず寝かそうか、それとも直接話してみようか…」と、意思決定コストが一気に跳ね上がる。この問題を解決するのが「リファレンスチェック」。これは採用の文脈で使われる手法で、誰かを採用するときに、その人の前職の関係者などに当人について聞いてみることによって情報対称性をとる、というもの。リファレンスの重要性は、採用に限った話ではない。普段の業務でも「レポートライン設計」を考えることによって、常にリファレンスを取れるような状況が作れる。例えば評価の場面では、マネージャーとメンバーのレポートラインが1つだけしかないと、マネージャーが主観で考えてしまっている場合、不幸な評価しか出ないだけではなく、評価の妥当性を他の人が判断できない。したがって、マネージャーがセットで動いたりキャリア面談を別の人がやってみたりなど、いろんな角度で2本以上のレポートラインを設計しておくことで、常に2人が1人のことを見てリファレンスしあう環境を作り、結果的に組織の意思決定能力が上げられる。