ブックカタリスト

BC093「自分の問い」の見つけ方


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今回は、以下の二冊を取り上げながら「自分」を知るための方法について考えていきます。

* 『リサーチのはじめかた ――「きみの問い」を見つけ、育て、伝える方法 (単行本)』

* 『人生のレールを外れる衝動のみつけかた (ちくまプリマー新書 453)』

書誌情報

『リサーチのはじめかた』

* 著者

* トーマス・S・マラニー

* スタンフォード大学歴史学科教授。コロンビア大学で博士号を取得。専門は中国史。邦訳書に『チャイニーズ・タイプライター』(2021年、中央公論新社)がある。BBCやLA Timesなどで研究が取り上げられるほか、Google、Microsoft、Adobeなど企業での招待講演も多数。

* クリストファー・レア

* ブリティッシュ・コロンビア大学アジア研究学科教授。コロンビア大学で博士号を取得。専門は近代中国文学。著書にChinese Film Classics, 1922-1949などがある。

* 翻訳:安原和見

* 出版社 筑摩書房

* 出版日:2023/9/1

* 目次

* 第 1 部 自 分 中 心 の 研 究 者 に な る

* 第1章 問いとは?

* 第2章 きみの問題は?

* 第3章 成功するプロジェクトを設計する

* 第 2 部 自 分 の 枠 を 超 え る

* 第4章 きみの〈問題集団〉の見つけかた

* 第5章 〈分野〉の歩きかた

* 第6章 はじめかた

『人生のレールを外れる衝動のみつけかた (ちくまプリマー新書 453)』

* 著者:谷川嘉浩

* 1990年生まれ。京都市在住の哲学者。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、京都市立芸術大学美術学部デザイン科講師。哲学者ではあるが、活動は哲学に限らない。個人的な資質や哲学的なスキルを横展開し、新たな知識や技能を身につけることで、メディア論や社会学といった他分野の研究やデザインの実技教育に携わるだけでなく、ビジネスとの協働も度々行ってきた。著書に『スマホ時代の哲学――失われた孤独をめぐる冒険』(ディスカバートゥエンティワン)『鶴見俊輔の言葉と倫理――想像力、大衆文化、プラグマティズム』(人文書院)、『信仰と想像力の哲学――ジョン・デューイとアメリカ哲学の系譜』(勁草書房)。

* 出版社:筑摩書房

* 2024/4/10

* 目次

* 序 章 なぜ衝動は幽霊に似ているのか

* 第一章 衝動は何ではないか

* コラム 否定神学、他人指向型、『葬送のフリーレン』

* 第二章 衝動とは結局何ものなのか 

* コラム 言語化のサンクコスト

* 第三章 どうすれば衝動が見つかるのか

* コラム 「それっぽい説明」から逃れるには

* 第四章 どのようにして衝動を生活に実装するのか 

* コラム 観察力の重要性 ― 絵画観察のワークショップからOODAループまで

* 第五章 衝動にとって計画性とは何か 

* コラム 社会的成功と結びつけない

* 第六章 どうすれば衝動が自己に取り憑くのか 

* コラム 衝動の善悪を線引きすることはできるか

* 終 章 衝動のプラグマティズム、あるいは実験の楽しみ

本編ではそれぞれの本の序盤部分を取り上げ、自分が持つ問題意識や衝動にせまる必要や、その方法について紹介しました。

実際の本はさらに多くの内容が展開されているので、ご興味を持たれたら実際にお読みになることをお勧めします。

本編のときに使ったメモは以下からご覧いただけます。

◇ブックカタリストBC093用メモ - 倉下忠憲の発想工房

「自分」の研究

私は「ノウハウ」に興味があります。知識の具体的運用。その際に問題になるのは、「自分は何がしたいのか」「自分は何が好きなのか」という要件です。この情報がまるっと抜け落ちていたら、どのようなノウハウも効果を発揮しないでしょう。

逆にその点を理解していれば、あまたのノウハウを自分に合わせて使っていくことができますし、場合によっては新しく創造することも可能でしょう。

つまり、「ノウハウ」という情報資産を活用する上で、「自分のこと」を知っておくのは大切なわけです。そこで、そうした営みを「セルフスタディーズ」と呼び、これまでずっと考え続けてきました。そこで出会ったのが本書らです。

ポイントは、「自分」というものを既知で十全に把握している対象ではなく、むしろ流動的でつかみ所がなく、そのすべてを把握することは不可能な対象とすることです。そうした対象であるからこそ、「研究」してみようと思えるわけですから、この視点の切り替えはきわめて大切です。

どちらの本でも、ただ思弁的に「考える」のではなく、さまざまに「実験」してみること推奨しています。むしろ、私の考えでは思弁的に考えれば考えるほどわからなくなるのが「自分」という対象なのでしょう(むしろそれは現象と呼ぶべきかもしれません)。

デジタルツールにおいても、このツールで自分が何をしたいのかと考えてみても即座に答えが出るものではありません。実際にいろいろやってみることが必要です。一方で、「ただやればいい」というものでもない。いろいろやりながら、それと並行して「自分は何をしたいのか」と考えること。その中で、「うん、これはいい感じがする」「これはちょっと違うな」と自分の反応を観察していく。そういう道行きが大切なのでしょう。

でもって同じことが、生きること全般に言えると思います。

「生きることで、自分を知る」

まとめるとそんな感じになるでしょうか。



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