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  • 『黒人音楽史:奇想の宇宙』後藤護|音読ブラックスワン#106

    『黒人音楽史:奇想の宇宙』


    後藤護|中央公論新社|2022年10月20日

    朗読箇所:第5章「Pファンクの宇宙──道化としてのジョージ・クリントン」より(P.183〜196)


    ***

    「静かなやり方で」、新しい歴史を紡ごう

    奴隷制時代から南北戦争、公民権運動をへて真の解放をめざす現代まで。アメリカ黒人の歴史とは、壮絶な差別との闘いであり、その反骨の精神はとりわけ音楽の形で表現されてきた。しかし黒人音楽といえば、そのリズムやグルーヴが注目された反面、忘れ去られたのは知性・暗号・超絶技巧という真髄である。今こそ「静かなやり方で」(M・デイヴィス)、新しい歴史を紡ごう。本書は黒人霊歌からブルース、ジャズ、ファンク、ホラーコア、ヒップホップまで、黒人音楽の精神史をひもとき、驚異と奇想の世界へと読者をいざなう。古今東西の文献を博捜した筆者がおくる、新たな黒人音楽史。

    https://www.chuko.co.jp/tanko/2022/10/005585.html


    企画・朗読:若林恵
    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
    黒鳥福祉センターにて収録

    29 min
  • 『おしゃべりな脳の研究:内言・聴声・対話的思考』チャールズ・ファニーハフ|音読ブラックスワン#105

    『おしゃべりな脳の研究:内言・聴声・対話的思考』


    チャールズ・ファニーハフ|柳沢圭子・訳|みすず書房|2022年4月5日

    朗読箇所:第10章「鳩の声──古代・中世の聴声」より(P.154〜165)


    ***

    あなたの頭の中の声は、どんなスピードで語りますか? 脳内の語りをつねに使って思考しているのに、私たちはこんな素朴な問いにさえ答えられない。本書は、内なる声(内言)や聴声(幻聴)の本質を探り、それらと思考や意識との関係を捉えなおす試みだ。

    読めば、内言や聴声の経験の想像を超える多様さに、まず驚かされる。脳内の「声」は当人の声に似ているか、完全な文章で語るかといった一般的性質はもちろん、スポーツ選手のセルフトーク、ろう者の場合、小説家が登場人物の台詞を綴る場合、黙読、fMRIで捉えた特徴など、内言や聴声があらゆる方向から調べられている。「声」の経験の圧倒的な多様性の前では、日常的に感覚している脳内の語りと、「病的」とされてきた聴声の間の線引きも色褪せはじめる。

    「多くの人の内言には、ほかの声が満ちあふれているのである」「私たちは聴声経験の聴覚的性質にこだわるのをやめて、見過ごされてきた事実に目を向けるべきである。まず、声は交流できる存在だということ」

    これらは、「対話的思考」と呼ぶべき本性への手がかりであると著者は言う。ピアジェ、ヴィゴツキーといった偉大な心理学者たちも、内言や聴声を意識の本性についての大きな手がかりとした。読み進めるほどに心を奪われる、ユニークな探究の書。


    【目次】

    第1章 不思議なチーズ──内なる声と思考の関係
    第2章 ガス灯をつける──内観という方法
    第3章 おしゃべりな器官の内側──自分の異なる部分どうしが会話する
    第4章 ふたつの車──子どもの私的発話と内言の発達
    第5章 思考の博物学──内言の種類、外言との関連
    第6章 ページ上の声──黙読について
    第7章 私の合唱──対話的思考と創造性
    第8章 私ではない──聴声の経験
    第9章 さまざまな声──聴声経験と内言の多様性に注目する
    第10章 鳩の声──古代・中世の聴声
    第11章 自らの声を聴く脳──言語性幻聴の神経科学
    第12章 おしゃべりなミューズ──作家が聴く声について
    第13章 過去からのメッセージ──トラウマ的記憶と聴声
    第14章 しゃべらない声──非聴覚的・非言語的な経験
    第15章 自分自身と会話する──「声」の重要性の探究

    https://www.msz.co.jp/book/detail/09077/

    企画・朗読:若林恵
    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
    黒鳥福祉センターにて収録

    39 min
  • 『韓国の「街の本屋」の生存探究』ハン・ミファ|音読ブラックスワン#104

    『韓国の「街の本屋」の生存探究』


    ハン・ミファ|渡辺麻土香・訳|石橋毅史・解説|クオン|2022年5月31日

    朗読箇所:第2章「誰が、なぜ、どうやって?」より(P.36〜48)


    ***

    本屋が息づくと、その街が息づく──韓国各地に個性的な街の本屋が誕生し「本屋巡り」が定着するほど注目を集める一方で、日々どこかで本屋が店を閉じている。長年にわたり韓国の出版業界を見つめてきた著者が、奮闘する街の本屋の姿を中心に「本の生態系」を描き話題となったノンフィクション。

    日本語版には出版ジャーナリスト石橋毅史を「案内人」に迎え、解説やオリジナルエピソードも収録。夏葉社代表 島田潤一郎による寄稿も巻末に収録。


    「決して儲からないというのに、この場所には本や本屋が必要だという切なる想いを抱き、それぞれの本屋がそれぞれのやり方で、本に未来を託している。この多様な本屋の在り方こそが、これからの世界を象徴しているようで、その姿はとても頼もしい」──黒田義隆さん(ON READING)


    「実態を調査研究し問題点を捉え、本と本屋の未来を具体化しようとする著者の努力と思いに強く感銘を受けたし、日本も独立書店ブームの先、継続させていくための冷静な視座が必要だと思う。海の向こうで今日も本屋が営まれていることを想像しながら、自分も頑張ろうと改めて腹を据えた読書体験だった」──渡慶次美帆さん(くじらブックス)


    「『韓国の「街の本屋」の生存探求』は近年出版された中でも最良の『本屋本』の一つ。『楽しく』と『真面目に』を両立しながら読み進めてもらえる本だ」──松井祐輔さん(H.A.B)


    http://cuon.jp/info/2356
    https://hanmoto9.tameshiyo.me/9784910214344


    企画・朗読:若林恵

    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
    黒鳥福祉センターにて収録

    25 min
  • 『「社会」を扱う新たなモード:「障害の社会モデル」の使い方』飯野由里子・星加良司・西倉実季|音読ブラックスワン#103

    『「社会」を扱う新たなモード:「障害の社会モデル」の使い方』


    飯野由里子・星加良司・西倉実季|生活書院|2022年7月30日

    朗読箇所:第2章「『心のバリアフリー』は毒か薬か」(飯野由里子・星加良司)より(P.71〜83)


    この「社会」は偏っている! !

    時に小さく時に大きく「社会」の範囲を見積ることで「偏り」を隠微に維持しようとする権力装置。矮小化された「障害の社会モデル」理解をアップデートすることによって、「マジョリティ性の壁」を見定め突き崩すための思考の在り方=新たなモードを提示する。


    【目次】


    はじめに|飯野由里子

    序章 「社会」の語り口を再考する|星加良司

    1 「社会モデル」のいびつな普及
    2 「社会/個人」をめぐる認識の政治
    3 本書の構成と射程


    第1章 当事者研究と「社会モデル」の近くて遠い関係|西倉実季

    1 当事者研究の展開
    2 熊谷と綾屋の「社会モデル」理解
    3 身体と社会の無造作な二分法
    4 ソーシャル・マジョリティ研究における危うい線引き
    5 「社会」の過小性、「個人」の過大性


    第2章 「心のバリアフリー」は毒か薬か|飯野由里子・星加良司

    1 「心のバリアフリー」のリバイバル
    2 「心のバリアフリー」の系譜
    3 心のバリアフリーの新旧パラダイム
    4 新パラダイムに潜む問題(1): 普遍化のレトリックと「不均衡」の不可視化
    5 新パラダイムに潜む問題(2):「能力発揮」という理念と「不均衡」の再生産
    6 共生社会の両義性


    第3章 性の権利は障害者の味方か?|飯野由里子

    1 性の権利と「社会モデル」
    2 性の権利とは何か?
    3 「ホットでセクシーであれる権利」
    4 性の権利の連動性
    5 性的自由の前提条件


    第4章 合理的配慮は「社会モデル」を保証するか|星加良司

    1 忍び寄る「個人モデル」
    2 合理的配慮の二つの解釈
    3 合理的配慮の意図せざる効果I: 医学的基準の焦点化
    4 合理的配慮の意図せざる効果II: 機能アセスメントの強化
    5 合理的配慮の意図せざる効果III: 専門性による囲い込み
    6 「社会モデル」を取り戻す


    第5章 社会的な問題としての「言えなさ」:飯野由里子

    1 「ニーズが言える社会」へのとまどい
    2 「ニーズを言えるようにする」アプローチとその問題
    3 障害の開示とスティグマの問題
    4 なぜインペアメントが「ある」ことを疑うのか?
    5 なぜ合理的配慮が提供されないのか?
    6 何のための「社会モデル」か?


    第6章 変えられる「社会」・変えたくない「社会」|西倉実季

    1 狭く解釈される合理的配慮
    2 紛争化した事例
    3 社会モデル理解の問題点
    4 マジョリティ問題としての合理的配慮


    終章 「社会モデル」を使いこなす|飯野由里子

    1  本書の立場:「社会モデル」の要諦
    2 「社会」の過小性が生み出す問題
    3 「社会的なもの」の範囲をめぐる政治
    4 マジョリティ性の壁を崩す

    おわりに|西倉実季 

    https://seikatsushoin.com/books/mode/


    企画・朗読:若林恵
    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
    黒鳥福祉センターにて収録

    27 min
  • 『中国における技術への問い:宇宙技芸試論』ユク・ホイ|音読ブラックスワン#102

    『中国における技術への問い:宇宙技芸試論』


    ユク・ホイ|伊勢康平 ・訳|ゲンロン|2022年8月30日

    朗読箇所:「日本語版へのまえがき」より(P.10〜20)

    なぜ「技術」は西洋の伝統のうえでのみ定義され、論じられてきたのか? ハイデガーの「技術への問い」を乗り越え、破局へと暴走するテクノロジーに対抗するために、香港の若き俊英は文化的多様性に開かれた「宇宙技芸」の再発明に挑む。京都学派から100年。「近代の超克」を反省し、東洋思想を再び世界へと開くために必要な、「道」と「器」の再縫合はどうなされるべきなのか。諸子百家と人新世を結ぶ、まったく新たな技術哲学の誕生!


    【目次】

     日本語版へのまえがき
     まえがき
     年表 本書に登場する東西の思想家

    序論
     1 プロメテウスの生成
     2 宇宙・宇宙論・宇宙技芸
     3 テクノロジーによる断絶と形而上学的統一
     4 近代性・近代化・技術性
     5 何のための「存在論的転回」か?
     6 方法にかんする諸注意

    第1部 中国における技術の思想を求めて
     7 道と宇宙──道徳の原理
     8 暴力としてのテクネー
     9 調和と天
     10 道と器 自由と対する徳
     11 抵抗としての器道──唐代の古文運動
     12 初期の宋明理学における気の唯物的理論
     13 明の宋応星の百科事典における器道
     14 章学誠と道の歴史的対象化
     15 アヘン戦争後に起きた器と道の断絶
     16 器道の関係の崩壊
     17 ニーダムの問い
     18 牟宗三の応答
     19 自然弁証法と形而上学の終わり

    第2部 テクノロジーへの意識と近代性
     20 幾何学と時間
     21 テクノロジーへの意識と近代性
     22 近代の記憶
     23 ニヒリズムと近代
     24 近代の超克
     25 ポストモダンの想起
     26 故郷回帰のジレンマ
     27 人新世における中華未来主義
     28 もうひとつの世界史のために

    解説:「宇宙技芸」の再発明 中島隆博

    https://genron.co.jp/shop/products/detail/623

    企画・朗読:若林恵
    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
    黒鳥福祉センターにて収録

    28 min
  • 『ソーシャルメディア・プリズム:SNSはなぜヒトを過激にするのか?』クリス・ベイル|音読ブラックスワン#101

    『ソーシャルメディア・プリズム:SNSはなぜヒトを過激にするのか?』


    クリス・ベイル|松井信彦 ・訳|みすず書房|2022年6月3日

    朗読箇所:第3章「実際に壊すとどうなるか?」より(P.28〜35)




    「われわれのチームは、何千何万というソーシャルメディア・ユーザーの複数年にわたる行動を記述した億単位のデータポイントを収集してきた。自動化されたアカウントを使って新実験を行ったり、外国による誤情報キャンペーンが与える影響について先駆けとなる調査を実施したりしてきた」

    「その真実とは、ソーシャルメディアにおける政治的部族主義の根本原因が私たち自身の心の奥底にあることだ。社会的孤立が進む時代において、ソーシャルメディアは私たちが自身を——そして互いを——理解するために使う最重要ツールのひとつになってきた。私たちがソーシャルメディアにやみつきなのは、人間に生得的な行動、すなわち、さまざまなバージョンの自己を呈示しては、他人がどう思うかをうかがい、それに応じてアイデンティティーを手直しするという行動を手助けしてくれるからである。ソーシャルメディアは、各自のアイデンティティーを屈折させるプリズムなのだ——それによって私たちは、互いについて、そして自分についての理解をゆがめられてしまう」(本文より)

    計算社会科学(Computational Social Science)の最先端を走る研究者が、政治的分極化への処方箋を提示する。


    「本書は、データに基づく解決策が私たちを崖っぷちから救い出してくれるという希望を与えてくれる」J・ゴルベック(『サイエンス』)

    「エコーチェンバーが作用しているという仮説に、スマートかつ魅力的に挑戦している」F・ブルニ(『ニューヨーク・タイムズ』)

    「ベイルによる発見は、社会の成り立ちについての興味深い結論を教えてくれる」N・ヘラー(『ニューヨーカー』)


    【目次】

    第1章|エコーチェンバーの伝説
    - エコーチェンバーについてのエコーチェンバー
    - 分極化に向ける新たなレンズ

    第2章|エコーチェンバーを壊したらどうなのか?
    - エコーチェンバーを壊す
    - 悪いボット、良いボット
    - 謎の解明

    第3章|実際に壊すとどうなるか?
    - 群れることを習うパティー
    - ジャネット
    - 正しいことはいい気分
    - ハードリセット

    第4章|ソーシャルメディア・プリズム
    - 大して合理的ではない大衆
    - ソーシャルメディアとステータス追求
    - プリズムの威力

    第5章|プリズムが過激主義をあおる仕組み
    - 孤独な荒らしたち
    - あなたの知らない荒らし
    - 過激主義というカルト
    - プリズムから映し出される過激主義

    第6章|プリズムは穏健派を“ミュート"する
    - 穏健な大多数
    - 過激主義者との遭遇
    - 失うものが多すぎる穏健派
    - 穏健派の抱く絶望感
    - 穏健派の不在

    第7章|アカウントを削除すべきか?
    - 離れられない理由
    - プラットフォームが独力では私たちを救えないわけ
    - 私たち次第

    第8章|プリズムをハックする
    - 認識のずれを狭める
    - プリズムを見て取る
    - プリズムを通して自分を見る
    - プリズムを壊す

    第9章|より良いソーシャルメディア
    - コロナ時代のソーシャルメディア
    - 新手のプラットフォーム
    - 目的を定めたプラットフォーム

    付録 調査手法
    - ボットを使った量的な実験
    - ボットを使った質的な実験
    - シミュレーションされたソーシャルメディア・プラットフォーム実験

    https://www.msz.co.jp/book/detail/09083/


    企画・朗読:若林恵
    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
    黒鳥福祉センターにて収録

    23 min
  • 『統治不能社会:権威主義的ネオリベラル主義の系譜学』グレゴワール・シャマユー|音読ブラックスワン#100

    『統治不能社会:権威主義的ネオリベラル主義の系譜学』


    グレゴワール・シャマユー|信友建志・訳|明石書店|2022年5月6日

    朗読箇所:第21章「責任化する」より(P.256〜269)


    すべての権力を市場の統治下に取り戻せ! フーコー、マルクス、ハイエクから対労組マニュアル、企業CM、経営理論まで、ネオリベラリズムの権力関係とその卑しい侵食の歴史を鮮やかに描き出し、現代の社会構造と市場の問題をえぐり出す名著、待望の刊行。

    【目次】

    序章

    第1部 言うことを聞かない労働者たち

    第1章 労働者の不服従
    第2章 人的資源
    第3章 治安の悪化
    第4章 組合との戦い

    第2部 マネジメント革命


    第5章 神学的危機
    第6章 倫理的マネジメント主義
    第7章 マネージャを規律訓練する
    第8章 カタラルシー

    第3部 自由企業への攻撃

    第9章 私的統治の拠点
    第10章 観念の闘争
    第11章 どう反応するか?
    第12章 企業は存在しない
    第13章 警察的な会社理論

    第4部 異議申立者たちの世界

    第14章 企業の活動家対抗策
    第15章 支配的対話の産物
    第16章 問題解決マネジメント
    第17章 ステークホルダー

    第5部 新たな規制

    第18章 ソフト・ロー

    第19章 コスト・ベネフィット
    第20章 政治的エコロジー批判
    第21章 責任化する

    第6部 統治不能社会

    第22章 民主主義の統治性の危機
    第23章 チリでのハイエク
    第24章 権威主義的リベラル主義の諸々の出自
    第25章 政治にご退位ねがう
    第26章 民営化のミクロ政治学

    結論
    シュミット=ハイエク主義の時代:訳者あとがきにかえて

    https://www.akashi.co.jp/book/b605551.html

    企画・朗読:若林恵
    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
    黒鳥福祉センターにて収録

    32 min
  • 『韓国文学の中心にあるもの』斎藤真理子|音読ブラックスワン#99

    『韓国文学の中心にあるもの』


    斎藤真理子|イースト・プレス|2022年7月10日

    朗読箇所:第1章「キム・ジヨンが私たちにくれたもの」より(P.28〜44)


    なぜこんなにも面白く、パワフルで魅力的なのか。その謎を解くキーは「戦争」にある。

    なぜ、韓国文学はこんなに面白いのか。なぜ『82年生まれ、キム・ジヨン』、フェミニズムの教科書となったのか。世界の歴史が大きく変わっていく中で、新しい韓国文学がパワフルに描いているものはいったい何なのか。その根底にあるのはまだ終わっていない朝鮮戦争であり、またその戦争と日本は深くつながっている。ブームの牽引者でもある著者が、日本との関わりとともに、詳細に読み解き、その面白さ、魅力を凝縮する。


    【「まえがき」より】
    「最近日本で、韓国文学の翻訳・出版が飛躍的に増えている。この現象は、読者の広範でエネルギッシュな支持に支えられたものだ。読者層は多様で、一言ではくくれないが、寄せられる感想を聞くうちに、読書の喜びと同時に、またはそれ以上に、不条理で凶暴で困惑に満ちた世の中を生きていくための具体的な支えとして、大切に読んでくれる人が多いことに気づいた。(中略)韓国で書かれた小説や詩を集中的に読む人々の出現は、ここに、今の日本が求めている何かが塊としてあるようだと思わせた。それが何なのか、小説を読み、また翻訳しながら考えたことをまとめたのが本書である」


    【目次】

    まえがき

    第1章:キム・ジヨンが私たちにくれたもの
    第2章:セウォル号以後文学とキャンドル革命
    第3章:IMF危機という未曾有の体験
    第4章:光州事件は生きている
    第5章:維新の時代と『こびとが打ち上げた小さなボール』
    第6章:「分断文学」の代表『広場』
    第7章:朝鮮戦争は韓国文学の背骨である
    第8章:「解放空間」を生きた文学者たち
    終章:ある日本の小説を読み直しながら

    あとがき
    本書関連年表
    本書で取り上げた文学作品
    主要参考文献

    https://www.eastpress.co.jp/goods/detail/9784781620930

    企画・朗読:若林恵
    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
    黒鳥福祉センターにて収

    41 min
  • 『マーク・フィッシャー最終講義 ポスト資本主義の欲望』マーク・フィッシャー|音読ブラックスワン#98

    『マーク・フィッシャー最終講義 ポスト資本主義の欲望』


    マーク・フィッシャー|マット・コフーン=編|大橋完太郎=訳|左右社|2022年7月30日

    朗読箇所:マット・コフーン「編者解説 悲惨な月曜の朝はもうたくさんだ」より(P.283〜29)


    『資本主義リアリズム』で世界に絶望的な衝撃を与えたマーク・フィッシャー最後の言葉──

    ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジで行われた最終講義を書籍化。社会主義、コミュニズム、カウンターカルチャーはなぜ失敗したのか。資本主義のオルタナティヴは本当に存在しないのか。ポスト資本主義の世界における「欲望」と、左派加速主義は資本主義の可能性……マルクス、フロイト、マルクーゼ 、ルカーチ 、リオタール 、ドゥルーズ&ガタリを架橋しつつ、学生たちの対話から、現代のディストピアから脱出する道を探る。


    【目次】
    第1講 ポスト資本主義とは何か?
    第2講 「ほとんど想像もつかない規模の社会的・心理的革命」
    予兆としてのカウンターカルチャーボヘミアン
    第3講 階級意識から集団意識へ
    第4講 組合の力とソウルの力
    第5講 リビドー的マルクス主義

    編者解説 悲惨な月曜の朝はもうたくさんだ マット・コフーン
    訳者解説 大橋完太郎

    付録1 講義シラバス
    付録2 トラックリスト「悲惨な月曜の朝はもうたくさんだ」

    http://sayusha.com/authors/-/mark-fisher

    企画・朗読:若林恵

    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
    黒鳥福祉センターにて収録

    28 min
  • 『日本近代社会史:社会集団と市場から読み解く1868-1914』松沢裕作|音読ブラックスワン#97

    『日本近代社会史: 社会集団と市場から読み解く 1868-1914』


    松沢裕作|有斐閣|2022年4月12日

    朗読箇所:第7章「女工と繊維産業:家から工場へ」(P.117〜131)

    現代の日本社会の原型がここに──近世の身分制社会が崩れる19世紀後半から、明治維新を挟んで、第一次世界大戦の頃までの日本社会を、さまざまな社会集団が市場とどうかかわっているかに注目して描き出す。メディアや政治のしくみ、変革を求める運動も取り上げ、社会の全体像をとらえる。


    【目次】


    序章 社会史とは何か? 日本の近代とは何か?

    第1章 近世社会の基本構造──領主・村・町
    第2章 近世社会の解体(1)──廃藩置県と戸籍法
    第3章 近世社会の解体(2)──地租改正と地方制度の制定
    第4章 文明開化・民権運動・民衆運動──移行期社会の摩擦
    第5章 景気循環と近代工業──資本主義の時代の到来
    第6章 小農経営と農村社会──農家とその社会集団
    第7章 女工と繊維産業──「家」から工場へ
    第8章 商工業者と同業組合──家業としての商工業とその集団
    第9章 職工と都市雑業層──「家」なき働き手と擬制的な「家」
    第10章 都市の姿──有産者の結合と都市計画
    第11章 教育と立身出世──「家」の世界からの離脱
    第12章 メディアの変化──流通する情報
    第13章 政治の役割──地方利益誘導と救貧政策
    第14章 労働組合と初期社会主義──個人の問題から社会の問題へ
    第15章 日露戦後の社会──地方改良運動と都市民衆騒擾

    終章 日本近代社会の構造と展望


    http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641174757?top_bookshelfspine


    企画・朗読:若林恵
    録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
    音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
    黒鳥福祉センターにて

    30 min

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黒鳥社が贈る音声コンテンツレーベル。気になる話題を気になるあの人と語らう対談シリーズ「blkswn dialogue」ほか、レクチャーからドキュメンタリーまで、多彩なエピソードを続々と展開予定です。いつでもどこでも聞いて楽しい、たまに役立つポッドキャストレーベルです。

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