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『詩と散策』
ハン・ジョンウォン |橋本 智保・訳|書肆侃侃房|2023年2月6日
朗読箇所:「悲しみ、咳をする存在」より(P.39~50)
散歩を愛し、猫と一緒に暮らす詩人ハン・ジョンウォンが綴るエッセイ
雪の降る日や澄んだ明け方に、ひとり静かに読みたい珠玉の25編
オクタビオ・パス、フェルナンド・ペソア、ローベルト・ヴァルザー、シモーヌ・ヴェイユ、パウル・ツェラン、エミリー・ディキンソン、ライナー・マリア・リルケ、シルヴィア・プラス、金子みすゞ、ボルヘス……
『詩と散策』は、著者のハン・ジョンウォンがひとり詩を読み、ひとり散歩にでかけ、日々の生活の中で感じたことを記している、澄みきった水晶のようなエッセイ集だ。読者は、彼女の愛した詩人たちとともに、彼女が時折口ずさむ詩とともに、ゆっくりと散歩に出かける。
【目次】
宇宙よりもっと大きな
寒い季節の始まりを信じてみよう
散歩が詩になるとき
幸福を信じますか?
11月のフーガ
悲しみ、咳をする存在
果物がまるいのは
夏に似た愛
心のかぎりを尽くして来たから
永遠のなかの一日
海から海のあいだに
なにも知りません
よく歩き、よく転びます
国境を越えること
みんなきれいなのに、わたしだけカンガルー
ひと晩のうちにも冬はやってくる
夢とおなじ材料でできている
夕暮れただけ
窓が一つあれば十分
灰色の力
真実はゆっくりとまぶしくなければ
猫は花の中に
いくつかの丘と、一点の雲
今日はわたしに、明日はあなたに
彼女の歩く姿は美しい(送らない手紙)
日本の読者のみなさんへ
訳者あとがき
http://www.kankanbou.com/books/kaigai/kaigai_essay/0560
企画・朗読:若林恵
録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
書影撮影:Kaori Nishida
黒鳥福祉センターにて収録
『江戸のキャリアウーマン:奥女中の仕事・出世・老後』
柳谷 慶子 |吉川弘文館|2023年2月17日
朗読箇所:第1章「奥女中と出会う」より(P.1~9)
生家を離れ、単身武家への奉公に出た奥女中。家柄に関係なく器量次第で出世できた彼女たちの働きぶりやキャリア形成、老後の待遇はいかなるものであったのか。儀礼の差配、親族大名との交際・文通、将軍家への使者など、奥向から大名家の存続を支えた職務に注目。年功を積み上げ生涯をかけて職をまっとうした奥女中の姿に、働くことの意味を問う。
【目次】
奥女中と出会う―プロローグ/伊達家歴代の「奥向奥方」(伊達家の相続と奥女中/初代政宗から四代綱村まで/五代吉村から七代重村まで/八代斉村から一三代慶邦まで)/奥女中の就業規則(職務と役割分掌/出仕・役替・昇進・懲罰/給与と待遇)/行事と交際を支える(行事と作法/文通を担う)/御城使 江戸城大奥へ使者となる(御城使の任務と権威/「大奥勤め」での登城/非公式ルートの交渉/御城使と男性家臣との協業)/老後と名跡立て(老いても働く/家を興した奥女中)/奥女中として生きる―エピローグ
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b618488.html
企画・朗読:若林恵
録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
書影撮影:Kaori Nishida
黒鳥福祉センターにて収録
『価値論:人類学からの総合的視座の構築』
デヴィッド・グレーバー |藤倉 達郎・訳|以文社|2022年12月2日
朗読箇所:第7章「私たちの夢の偽硬貨、またはフェティッシュの問題IIIb」より(P.377~388)
『負債論』(2011)そして『ブルシット・ジョブ』(2018)などの著作でその名を世界中に轟かせたデヴィッド・グレーバーが2001年に出版したデビュー作(Toward an Anthropological Theory of Value)の待望の翻訳。
本作は、グレーバーが博士論文の出版を後回しにしてまで自身の課題に取り組んだ「最初の主著」であり、また彼のライフワークともなった「価値の総合的理論の構築」へ向けた「最初の一歩」である。
デビュー作とは思えない(あるいはデビュー作ゆえの)博覧強記で、これまでの彼の著作以上に読者を困惑させるその筆致=思索には、のちに数々の作品で「価値転覆」的な発想をもって世界を驚かせてきたグレーバー思想のエッセンスが集約されており、徹頭徹尾「エコノミズム(経済主義)」批判に貫かれた本書において、その概念に対置された「コミュニズム」は一体いかなる像を結ぶのか?
シカゴ大学人類学科でグレーバーと同僚だった藤倉達郎氏によるリーダブルかつ正確な翻訳でお届けする、グレーバー思想の源流。
【目次】
序にかえて
第1章 価値を語る三つの方法
クライド・クラックホーンの価値プロジェクト
利益を最大化する個人
構造主義と言語学的な価値
結論
第2章 交換理論の現在の潮流
マルクス主義の興隆とその後
経済人の再来
アパドゥライの「価値の政治」
補足的説明──アネット・ワイナーの譲渡不可能なモノ
ストラザーンのネオ・モース派アプローチ
マルクス主義による批判、モース派の返答
総合に向けて?
ナンシー・マン──行為の価値
結論(なぜこんなに行為が少ないのか?)
第3章 行為の重要性としての価値
西洋的伝統の裏面
マルクスの価値論
「人間行為論的(praxiological)アプローチ」
動態的構造
自己中心性と部分的意識
象徴分析としての『資本論』
市場なき社会
バイニング―生産と実現
カヤポ―家庭内サイクルと村の構造
価値のト ークン(しるし)
価値、価値観、フェティシズム
第一の覚書──否定的価値
第二の覚書──直接的収奪と間接的収奪
結論──千の全体性
第4章 行為と反影、あるいは富と力の理論へむけての覚書
富の誇示
行為(action)と反影(reflection)
「貨幣」対「硬貨」
フェティシズムのさまざまな種類
マダガスカルと奴隷貿易
オディとサンピィ
供犠とお守りの創出
政治的次元、あるいは儀礼的生贄としての税
展望と結論
第5章 ワンパムとイロコイの社会的創造力
ワンパムの起源
名前の復活
戦争と社会構造
平和をつくる
「偉大なる平和」の起源
循環と歴史
創造と意図性
夢の独裁
真冬の儀式と白犬の生贄
夢の経済
第6章 マルセル・モース再訪
社会契約としての贈与
社会主義理論への貢献としての『贈与論』
モノと人
事例1──クラの腕輪と首飾り
マオリとクワキウトル
事例2──アオテアロアにおける贈り物
事例3──クワキウトルのポトラッチ
結論Ⅰ──いくつかのものごとの解明
結論Ⅱ──政治的および道徳的な結論
第7章 私たちの夢の偽硬貨、またはフェティッシュの問題 Ⅲb
王と硬貨
再考
魔法とマルクス主義
魔法と人類学
魔法的な態度と宗教的な態度
クトゥルフの建築家
結論
マルクス対モース、ふたたび
謝 辞
『価値論』の背景と概説─訳者あとがきにかえて
シカゴ大学の人類学
本書の概説
本書執筆前後のグレーバー及び本書翻訳の経緯
http://www.ibunsha.co.jp/new-titles/978-4753103713/
企画・朗読:若林恵
録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
書影撮影:Kaori Nishida
黒鳥福祉センターにて収録
『ザ・メタバース:世界を創り変えしもの』
マシュー・ボール |井口 耕二・訳|飛鳥新社|2022年11月8日
朗読箇所:Chapter04「次なるインターネット」より(P.89~100)
ザッカーバーグも、
エピックゲームズのティム・スウィーニーも
本書の著者による「メタバース」の分析に
大きな影響を受けてきた!
「メタバース」がここまで広がる元になった
伝説のウェブ記事を書いた第一人者が、
渾身の書き下ろし!
全米で話題の決定版が、ついに日本上陸!
「ウォール・ストリート・ジャーナル」ベストセラー!
米アマゾン「エディターが選ぶノンフィクション」に選出!
WIRED日本版編集長
松島倫明氏 推薦!
「テクノロジーの未来はすべてここに書かれている。
その可能性の限界を決めるのは、わたしたち人間の想像力だ」
テック界の最重要人物たちも激賞!
リード・へイスティングス
(ネットフリックス共同創業者・共同CEO、ベストセラー『NO RULES』著者)
「本書を読めば、事実と作り話を見分けられるようになるし、
単なるこけおどしと現実も見分けられるようになる。
メタバースがどういう可能性を秘めているのか
知りたければ、まずは本書を読むべきである」
ティム・スウィーニー
(「フォートナイト」のエピックゲームズ創業CEO)
「マシュー・ボールはメタバースとはなんであるのかを
分析してはっきりさせ、世の中に訴えてきた。
そんな彼が書いた本なのだ、
メタバースという新たなるメディアの
戦略的・技術的・哲学的な基盤を知るに
不可欠ながらわかりやすいガイドであるのも
うなずけるだろう」
和田洋一
(元スクエア・エニックス代表取締役社長)
ありがたい予言、バラ色の妄想、
いつもながらの煽りに、
そろそろ飽きてきた頃ではないか。
何をすべきで、何をすべきでないか、
広い視野で頭を整理したいなら、
本書を読むべきだ。
著者は、預言者、妄想家、扇動屋を
評価も非難もしない。
なぜなら、残念ながら答えがないのが正解だからだ。
では、ワクワクするような未来はないのか。
いや、そんなことはない。
それを探す意味でも、
本書を手に取ってほしい。
この本を読めば、ようやくメタバースの全容がわかる!
・いちばん信頼できるメタバースの定義
・AR・VR・レンダリング・ブロックチェーン…
すべての最重要ワードは、
「メタバース」でつながる!
・GAFAMの中で勝算があるのは?
・メタバース時代はいつ来るのか
【目次】
1 メタバースとは?(未来を概観する;混乱、不透明;ひとつの定義(やっとかい);次なるインターネット)
2 メタバースの創り方(ネットワーク;コンピューティング;仮想世界のエンジン;相互運用性;ハードウェア;ペイメントレール;ブロックチェーン)
3 メタバースですべてが変わる(メタバース時代はいつ来るのか;メタビジネス;メタバースの勝ち組と負け組;メタバースにおける存在の問題)
結論 だれもが傍観者
https://www.asukashinsha.co.jp/bookinfo/9784864109284.php
企画・朗読:若林恵
録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
書影撮影:Kaori Nishida
黒鳥福祉センターにて収録
『弱者に仕掛けた戦争: アメリカ優生学運動の歴史』
エドウィン・ブラック|貴堂 嘉之・編|西川 美樹・訳|人文書院|2022年4月27日
朗読箇所:「はじめに」より(P.15~26)
アメリカ優生学運動が目指したものとは何だったのか?
ナチのホロコーストで膨大な数の人びとの生命を奪った優生思想は、アメリカにおいていかに暴走を始めたのか。背景には、「超越人種」の存在を信じ、地道に教えを説き奔走する科学者たち、そして彼らに莫大な資金を投資する財団や研究所があった。診療記録から書簡まで、厖大な資料をもとに当時の人びとの声を甦らせ、現代社会にも根深く息を潜める優生学の拡大をつぶさに追う渾身の書。
「今回、本書を邦訳しようと思ったのは、本書がこれまでのアメリカ優生学運動史のみならず、国際的な優生学運動史を塗りかえる内容となっているからである。(…)アメリカ優生学運動や戦前の国際優生学運動の全貌を解き明かすプロジェクトは、一人の歴史研究者では一生涯をかけても達成不可能な仕事に思われるのだ。だが、ブラックはこの遠大なプロジェクトを圧倒的な調査力をもってやってのけた。」(監訳者解題より)
【目次】
第一部 豆の鞘(さや)から迫害へ
第一章 山岳民の掃討
第二章 進化
第三章 アメリカ独自の生物学
第四章 不適者を狩る
第五章 人種学を合法化する
第六章 断種合衆国
第七章 産児調節(バース・コントロール)
第八章 盲目
第九章 雑種化
第二部 優生学による虐殺(ユージェノサイド)
第一〇章 起源
第一一章 英国の聖戦
第一二章 優生学的帝国主義
第一三章 優生学による虐殺(ユージェノサイド)
第一四章 人種と血(ラッセ・ウント・ブロート)
第一五章 ヒトラーの優生帝国
第一六章 ブーヘンヴァルト
第一七章 アウシュヴィッツ
第三部 新優生学(ニュージェニクス)
第一八章 灰からの、その後
第一九章 アメリカの遺産(レガシー)
第二〇章 優生学から遺伝学へ
第二一章 新優生学(ニュージェニクス)
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b590672.html
企画・朗読:若林恵
録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds)
音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii
書影撮影:Kaori Nishida
黒鳥福祉センターにて収録
『ゾンビと資本主義:主体/ネオリベ/人種/ジェンダーを超えて』
『プルースト 読書の喜び:私の好きな名場面』
Ⅰ 雨上がりの森──序にかえて
『みんなが手話で話した島』
企画・朗読:若林恵
『イリノイ遠景近景』
『土地は誰のものか:人口減少時代の所有と利用』
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