民俗学の聖地・椎葉村に、ついについに訪れることができました。噂に違わぬ秘境、そして独自の文化を浴びてきました。
熊本空港から車で2時間弱。柳田國男は、118年前に、熊本側よりもさらに遠い宮崎側から椎葉村に立ち寄ったわけですが、この山深さは、「そら山人論を唱えたくなるよな」と、柳田の実感を体験しました。
柳田國男の初期三部作の第一弾『後狩詞記(のちのかりことばのき, 1909年)』は、この椎葉についての本な訳ですが、その意味する所は、「ポスト弓猟時代になお残された古い言葉たち」です。
柳田はおそらく今後消えゆく文化を名残惜しんでこの本を残したのかもしれないのですが、実際は、『後狩詞記』によって、そして椎葉に住む人々の営みによって、なんと今でもその文化が生きています。それを目の当たりにしてきました。
これは、佐々木喜善から聞き取りした内容を本にした『遠野物語』が、柳田の想像を超えて現代まで残っていることに通じていて、なんと幸運なことなんだろうと思います。
遠野や椎葉のように固有の素晴らしい文化を持ったところは、全国に数多あると思いますし、柳田自身も生涯を通じて100以上の旅をした経験から、そのように書き残しています。
しかし、こうやって本にする、文章にする、そういう営みによって現代まで文化が残され、今も訪れることができるということは、全ての地域に起こり得ることではないで、本当に幸運なことだなと思うし、自分も歴史実践を継続していこうと思いをあらたにしました。
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▼ささきる|佐々木大輔|@sasakill東京杉並在住。作家。遠野物語活動化。遠野物語を再創造する GAME OF THE LOTUS主宰。小説 / カードゲーム / TRPGをつくっています。Tales & Tokens 代表 / Sekappy 取締役 / 遠野遺産認定調査委員
▼みやもと|宮本拓海|岩手水沢在住。編集と執筆。アテルイを顕彰する会や、さまざまな郷土史の実践活動を行う。株式会社公園 代表 / planter / FOLKS