東京都武蔵村山市で障がい者・高齢者のための遠隔操作できる農作業ロボットの開発をしている乙幡陽太さんをゲストにお招きし、歩きながら1時間、対談する。
乙幡陽太(おっぱたようた)/1996年2月18日、東京都武蔵村山市生まれ。農家の次男として生を受ける。中学時代、忙しく畑で働く父を見て、草むしりを代わりにしてくれるロボットを作ることを志し、東京高専 機械工学科へ進学する。高専時代に、自分の母親の足が悪かったことや祖父母と同居していたこともあり、福祉や高齢者のためのロボットに興味を持つ。
高専卒業後、障がい者との距離感が近く、福祉ロボットの研究を盛んに行う三重大学工学部 機械工学科へ編入する。大学・大学院の研究室で、意図せずに手足がふるえてしまう障がい者の方のふるえを抑制する装置の開発や高齢者のリハビリ中の転倒を防止するロボットの研究を行う。大学院1年生のときに、ドイツ・ミュンヘン工科大学に留学し、ドイツの国際福祉機器の展示会への参加を通して、国によって福祉機器にも違いがあることを学ぶ。大学院修士課程卒業後は三重大学大学院博士課程へ進学するが、多忙な研究生活に疲弊したため休学し、実家に戻る。
休学後はそれまで挑戦してみたかったプログラミングやアプリ製作に挑戦する。しかし、父が忙しそうに畑仕事をしている様子を見て、農業を手伝い始める。農業を始めると、農園でそれまでは栽培したことのなかったカラフルなニンジンや緑や紫色のトマト、世界三大健康野菜ともいわれる芋「アピオス」などの栽培に挑戦し、通信販売やPR活動も行うようになる。また、農業の仕組みや野菜を美味しく食べる方法を学ぶために野菜ソムリエプロの資格も取得。現在は農家2年目で、地域の直売所やマルシェに野菜を出荷している。
2021年、農業をしている中で、一人ですべての作業を行うのではなく人に手伝ってもらうことの大切さや、老化などの身体のハンデがあるために農業がしたくてもできない人がいることに気づく。そして、「手助けを求めている農家と働く意欲のある障がい者・高齢者とをロボットを間に入れることでマッチングできるのではないか?」と考えるようになる。
2021年6~7月に、障がい者・高齢者がベッドの上からでも遠隔操作ができるロボットを開発するため、クラウドファンディングを実施し、131人の方から129万6000円の支援を集める。現在は、「身体にハンデがあるという理由でやりたいことを諦めなくていい社会」を実現するために、ロボットや工学について日々勉強しながら遠隔農作業ロボットの開発を行っている。
ポケットマルシェ代表の高橋博之が、社会を“生きる“ゲストと対談する「高橋博之の歩くラジオ」。ゲストのみなさんは、農家・漁師、起業家、研究者、行政官、メディア、NPO、学生……と様々な立場から、自分たちの生活する場、自分たちの生きる社会をよりよくしていこうと、熱い想いや強い志をもって働きかけている方々です。
「高橋博之の歩くラジオ」では、あらゆる角度から社会についての議論が交わされ、心に響く言葉が生まれています。自分の“生きる“日々を振り返って、ちょっと立ち止まって考えたり、背中を押してもらったり。このラジオが、そんなきっかけになることを願っています。
※こちらのエピソードは、過去にポケットマルシェ公式Youtube/Facebookにてライブ配信されたものです。
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