士師記の登場人物はしばしば利己的で、

後ろ盾には法律や正義ではなく暴力があります。

北野武監督の『アウトレイジ』に近い世界観なのですが、

これはトマス・ホッブスの『リヴァイアサン』の概念に近いです。

ウィリアム・ジェイムズの「二度生まれの人」から、

私たちは多くの洞察を得ます。

「俺は聞いてないオジサン」ことエフライム族に端を発する内乱に、

神はどこにも登場しません。

このような無益な争いからは、距離を奥に越したことはありません。

ハンセン氏病療養施設で精神科医として働いた

神谷美恵子の『生きがいについて』は、

精神医療で働く人びとのバイブルとして知られています。

「生きがい」は他の言語に訳すことが難しい言葉だと神谷さんは言います。

ギデオンは抑圧され困窮するイスラエルで暮らし、

自分自身困窮していましたが、

ただ苦しいという主観に閉じこもるのでなく、

構造的な矛盾への視点があります。

これをブルッゲマンは「預言者的想像力」と呼んでいます。

「死ぬ直前後悔していること」、

というオーストラリアの有名な調査が示しているのは、

誰も「お金」と「仕事」のことに言及していないということです。

デボラとヤエルの活躍からは、

聖書の女性への温かいまなざしを感じます。

幸せのレシピは様々ありますが、共通するのは3つです。

1．人との関係

2．親切

3．今、ここにいること

です。

女性の士師デボラが活躍した時代は、

女性の聡明さが際立つ時代でもありました。

フェミニスト神学者ドロシー・ゼレから私が学んだことが、ここに現れています。

イエス「について」歌ったり書くことが、

キリスト教的な芸術ではありません。

むしろ、たとえば牡蠣フライについて書いたとき、

どうしても出て来てしまう信仰こそが、

無意識のクリスチャンとしての芸術家の真骨頂なのです。