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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
この記事では、AI検索・AIサーチが当たり前になっていく中で、 「情報発信ができない会社」がどんどん不利になり、 勝ち組と負け組の二極化が加速していくという話をしています。 その上で、今から具体的に何をスムーズにし、どう動いていくべきかを、 現場での経験を交えながらお伝えします。
収録当時の考え方に加えて、2025年時点でのAI検索やツールの最新状況も、 引用元付きで補足しながら整理していきます。
少し前までは、私自身も「AIが本格的に検索の主役になるのは、もう少し先だろう」と考えていました。 人間の検索行動にはクセがありますし、検索エンジンに入力するキーワードも、ある意味長年の習慣です。 その習慣が丸ごとAIに置き換わるには、時間がかかるだろうと見ていたのです。
ところが、ここ1〜2年の変化を見ていると、その前提を修正せざるを得ないと感じています。 特にAIサーチのように、AIが検索と回答を一体化して返してくれる仕組みが広がると、 ユーザーの「探し方」そのものが変わっていきます。
従来のGoogle検索では、基本的に次のような二段階のプロセスを踏んでいました。
つまり検索エンジンには、「調べたい情報を探すための道具」としての役割だけを期待していて、 何を基準に選ぶべきかというところまでは、自分で考えたり、別途調べたりする必要がありました。
一方で、PerplexityのようなAIサーチや、検索機能付きの各種LLM(大規模言語モデル)、 ChatGPT、DeepSeek R1などを使ってみると、体験がまったく違います。
例えば、 「こういう状況で、こういうものを探している。どんな基準で選ぶべきか。そして、具体的に何がおすすめか」 とAIに聞くと、
この両方が、最初からセットで返ってきます。 ユーザーは、あまり深く考えなくても、自分の希望条件をざっくり伝えるだけで、 AI側が「こういう基準で選ぶといいですよ」「その基準なら、このあたりが候補です」と まとめて提示してくれるわけです。
しかも「こういう基準で返して」と明示的に指示しなくても、 「この辺でおいしいラーメン屋ある?」と聞くだけで、 AIのほうでレビューや特徴を踏まえて勝手に基準を組み立て、 「こういう観点で見ると、この店とこの店が良さそうです」と返してくれたりします。
ここまで来ると、ユーザーにとっては、 「自分で判断基準を考える」という負担そのものがAIに肩代わりされている状態です。
AIサーチが広がっていくと、何が起こるのか。 私は「勝ち組」と「負け組」の二極化が、今以上にはっきりしてくると考えています。
その先行事例として、すでに起きてしまっているのが採用市場です。
採用の世界では、 「入りたい」と思わせるストーリーを打ち出せている会社と、 そうでない会社の差が、すでにはっきり出ています。
前者は、主に大企業が多いですが、 「自分の人生のストーリーの中に、この会社での数年間を組み込みたい」と思わせるだけの情報発信ができています。 一方で、魅力の打ち出しが十分でない会社は、
といった明確なメリットがない限りは、 言い方は少しきついですが、「他で採用されなかった人」だけが、なんとか集まるような状況になりがちです。
これは、その会社の中身が悪いというより、 「きちんと魅力を伝えられていない」ことが問題なのですが、 結果としては、きれいに二極化してしまっています。
AIサーチが一般的になると、同じ構造が購買行動のほうにもそのまま波及する可能性が高いです。
これまでは、 「地元の地域名+リフォーム」「駅名+歯医者」などで検索してもらい、 自社サイトに来てもらえれば、ページの中身を読んでもらうことで魅力を伝えられる、 というゲームでした。
ところが、 AIがユーザーの代わりに判断基準を決めて、候補を選んで返すようになると、 ユーザーが自分でいろいろなサイトを巡る機会そのものが減っていきます。
結果として、
この2つの間で、大きな差がついてしまうことになります。
AIサーチは、多くの場合、 「なるべく多くの人に無難に当てはまりそうな基準」を優先しておすすめを返します。 いわば、最小公倍数的な基準です。
その結果どうなるかというと、
つまり、「AIが用意した土俵」で戦うしかなくなっていくわけです。
このとき強いのは、
です。
ざっくり言えば、 すでに資産を持っている会社、あるいは資産を作る能力が高い会社がますます有利になる構図です。
逆に、「自分たちはほとんどコンテンツを出せていないし、これから作る体制もない」となると、 この先はかなり厳しい状況になりつつある、と感じています。
少し前の私は、 「Googleが検索に本格的なAIサーチを入れるのは、まだ先だろう」と見ていました。 ここ数年の動きを見ても、Googleは慎重で、 検索結果のコアな部分を大きく変えるのは簡単にはやらないだろうと感じていたからです。
その代わり、
といった形で、細かい機能レベルでAIが入り込んでくるだろうと考えていました。 ユーザーは最初、それがAIだと意識していないのですが、 便利に使っているうちに「これAIがやってくれているのか」と気づき、 態度が変わっていく、というイメージです。
2025年現在の状況を見ると、当時の予想以上のスピードでAIが検索や地図に組み込まれています。
たとえば、Google検索では「AI Overviews」と呼ばれる機能が導入され、 検索結果の上部に、AIが生成した要約やポイントが表示されるケースが増えています。 ユーザーは、従来の青いリンクを一つずつ開かなくても、 要点をざっと掴めるようになってきました。
また、Googleマップでも、Geminiモデルを使った生成AI機能が順次展開されており、 「○○な雰囲気の店」「友だちと行ける場所」といった、かなりあいまいな質問にも答えてくれるようになっています。
この流れは、私がもともと想像していた 「細かい機能にちょっとずつAIが入り込む」というシナリオよりも、 さらに一歩進んで、ユーザーの検索体験の「表側」にAIが出てきた と言ってよい状況です。
同時に、ChatGPT側でもプロダクト検索やショッピングリサーチなど、 購入行動に近い領域での機能拡張が続いており、AIに「候補を選んでもらう」文化は着実に広がっています。
こうした状況の中で、 「自分たちの情報を外に出せないままAI時代に突入してしまう」ことは、 ますます危険度が増しています。
とはいえ、「じゃあ今日からしっかり情報発信しましょう」と言って、 すぐにできるなら誰も苦労しません。 現場で多くの企業を見ていると、コンテンツを出せない理由はいくつもあります。
副業人材に期待できるかというと、それもなかなかハードルが高いのが現実です。
その結果、 「コンテンツを出すべきなのは分かっているけれど、具体的にどう動けばいいか分からない」 という状態で止まってしまっている企業が、本当に多いと感じています。
では、何から始めればよいのか。 私が現場でいつもお伝えしているのは、 いきなり記事を量産しようとするのではなく、自社のストーリーと言葉を先に整えましょう ということです。
具体的には、次のようなことを言葉にしていきます。
AIサーチの世界では、 単に「何屋か」だけでは差別化になりません。 「○○な課題を解決するならこの会社」というストーリーで認識されることが重要になってきます。
この作業は、一部の担当者だけで勝手に決めて良い性質のものではありません。
など、会社全体の文化に関わる話になるからです。
特に、歴史の長い企業で、従業員数もある程度多いところほど、 会社を変えるのは簡単ではありません。 一方で、10名程度の小さな組織であれば、 全員で一部屋に集まって「これからこうしていこう」と決めれば、 動き出すまでのスピードはかなり早くなります。
自社がどちらのタイプに近いのかを一度振り返ってみてほしいところです。
AIに対する人の態度が変わる瞬間は、 「便利に使っていたものが、実はAIだったと気づいたとき」です。
最初は「AIはちょっと怖い」「あまり信用できない」と感じていた人でも、 日常的に使っているサービスの裏側でAIが動いていて、 「これってAIのおかげだったのか」と気づくと、 一貫性を保とうとして態度が軟化しやすくなります。
収録当時、私自身もDeepSeekをはじめとするモデルをローカル環境で試し、
に、正直驚きを覚えました。
一方で、スマホアプリなどクラウド前提の使い方については、 情報管理の観点から慎重に見ている企業も多く、 「ローカルに落として、自社のルール内で運用する」という方向性のほうが、 現実的だろうという感覚も持っていました。
現在では、DeepSeek自身もWebやアプリでの提供に加え、APIプラットフォームも整備されており、他のサービスから呼び出して使いやすい環境が整いつつあります。 これにより、「自社サービスの裏側でDeepSeekを使う」といった実装も現実的な選択肢になっています。
こうした動きは、「AIが特別な存在」というより、 「気づかないうちに、いろいろなところでAIを使っていた」 という世界をますます加速させていくでしょう。
AIサーチの世界では、オンライン上の競争はますます激しくなります。 だからこそ、 オンラインとオフラインをどう組み合わせるかが重要になってきます。
全国相手に完全オンラインだけで商売をしているビジネスは、 AIサーチによる競争激化の影響を、もろに受けやすくなります。 正直に言って、私の会社もその影響を受ける側に入ります。
一方で、ローカルな地域商圏でビジネスをしている企業は、 オンラインで一度接点を持てれば、その後はリアルの接点で関係を深めていけるという強みがあります。
つまり、
という流れを意識して設計する必要があるということです。
ここでいうコンテンツは、 Webサイトの記事やブログだけを指していません。
こうしたリアルの活動も、きちんと整理して発信すれば、 お客さんの記憶に残るストーリーになります。
AIサーチの時代だからこそ、 「どんなキーワードで上位表示されるか」だけではなく、 お客さんの心の中にどんなイメージを残すかまで含めて、 コンテンツとして組み立てていく必要があると感じています。
実際、私がクライアント企業のサイトをClarityなどのヒートマップツールで見ている限り、
は、ほとんど読まれていないケースが多いです。 スクロールもされず、滞在時間も短い。 作っている側の自己満足か、あるいはそうした制作を勧める業者さんに騙されてしまっているか、 どちらかに近い状況になってしまっていると感じます。
一方で、Microsoft Clarityのようなツール自体は、 今でも無料でヒートマップやセッションリプレイを提供しており、 ユーザーの行動を観察するための環境はむしろ整ってきています。 「どんなコンテンツが実際に読まれているのか」を数字で確かめながら、 ストーリーテリング中心のコンテンツに切り替えていくことが重要です。
最後に、スピード感の話をしておきます。
収録当時、
といったスケジュール感では、もう厳しいだろうとお伝えしました。
実際、その後のAI検索や各種ツールの進化のスピードを見ると、 この見立てはむしろ控えめだったと言えるかもしれません。 Google検索やGoogleマップ、各種AIサービスのアップデートは、 年単位ではなく、数か月単位で大きく変わり続けています。
だからこそ、 「今年できることは今年のうちにやる」 くらいの感覚で、 自社のストーリーづくりと情報発信の体制づくりに手を付けていく必要があります。
ここまでの話を、あらためて整理します。
とはいえ、一社だけでこれらをすべて設計し、言語化し、運用していくのは簡単ではありません。
実際、私のところにも、
といったご相談を、多くいただいています。 そうした企業とは、二人三脚で状況を整理しながら、 一緒にストーリーづくりや発信の設計を進める伴走支援の形を取ることが増えてきました。
もし、今まさに「どうしようかな」と悩んでいるのであれば、 一度外部の視点を入れて、 一緒に道筋を整理することも視野に入れてみてください。 そのうえで、自社なりのペースで、しかし確実に一歩を踏み出すことが何より大切だと考えています。
こちらのフォームへどうぞ。
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第550回:AI検索が引き起こす二極化時代…情報発信できない企業が淘汰される前に、今すぐ取り組むべきこと は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
コンサルタントは、いつまでお願いすればいいのでしょうか。何をゴールにして契約すればいいのでしょうか。こういうことは、なかなか相手へ聞きづらいかもしれませんが、利用する側としては大事なところですよね。
私は、自社ができることを増やすためにコンサルティングを使うなら、卒業することをゴールに置いてほしいと思っています。ただ、すべての外部契約を早く終わらせればいいという話ではありません。まず、何を求めているのかを分けて考える必要があります。
コンサルタントという名前でも、実際に担う仕事は、人や会社によってかなり違います。外部の専門家として、継続して一部の仕事を担ってもらう場合もあれば、自分たちができるようになるまで、支えてもらう場合もあります。
例えば、その機能を社内で持つ優先順位が低い、採用してまで自分たちで行うつもりはないということなら、良い外部パートナーを見つけ、長く付き合うのは自然な選択です。相手がコンサルティングという名前のサービスでも、その役割として使っているなら、それでよいと思います。
一方、自分たちがもっと強くなりたい、今はできないことをできるようになりたいからお願いするのであれば、目指す先が違います。相手がいなければ動けない状態を、ずっと続けたいわけではありませんよね。
外部へ機能を持ち続けたいのか、自社ができるようになるために支援が欲しいのかを、先に分けてください。ここが曖昧なままだと、いつまで依頼するのかも、何をもって良い支援とするのかも、分からなくなってしまいます。
自社を育てることが目的なら、できるようになりたかったことを、自分たちでできるようになったときがゴールです。コンサルタントの側は、その状態へ、できるだけ早く近づけることを目指すべきだと私は考えています。
その場で成果を出すことも、もちろん大切です。それに加えて、社内で考えて動ける空気を作ったり、必要なスキルを身につけてもらったりする。次の判断も、毎回外から答えをもらうのではなく、自分たちでできるようにしていくわけです。
例えば、三年のつもりで始めたものが、二年で卒業できたとします。契約の売上だけで見れば、コンサルタント側は少なくなります。でも、支援する仕事として見れば、予定より早くお客さんが成長したということですから、喜ぶべきことだと思うんですね。
卒業を喜んでくれる相手かどうかは、パートナーを見る一つの基準になります。一つの課題が解決するたびに、新しい問題を持ってきたとしたら、その課題が本当に自社の売上や能力、会社の状態にプラスになるのかを見てください。契約を続けることが先になっていないか、ということです。
卒業したら二度と関わらないという意味でもありません。しばらくして、新しくこういうことをやりたいので手伝ってほしい、とプロジェクトごとに声をかける。私は、そういう関係も健全だと思っています。
答えを持ってきてもらって、そのとおりにやって成果が出るなら、それでいいのではないか。そういう考え方もあると思います。ただ、それだけを繰り返すと、次も誰かが答えを持ってきてくれないと動けない状態になってしまいます。
自分たちで考え、試し、どこでうまくいかなかったのかを知る。その過程には、その後の判断へ使えるものがあります。最終的な結果だけを見ていると、そこを評価しないまま通り過ぎてしまうんですね。
ここは誤解しないでいただきたいのですが、過程が良ければ、結果が悪くてもいいという話ではありません。結果を出すことが大前提です。そのうえで、結果は出なかったけれど、この過程で分かったことには意味があった、と両方を考えてほしいんです。
結果への責任と、過程から学ぶことを、どちらも持って進めます。失敗しても勉強になったと言い続けていればいい、ということではありませんし、早く答えを得ることだけを優先していれば、自社に力が残るとも限りません。
コンサルティングを頼むときも、単に成果物を受け取ったかだけでなく、その間に自分たちが何を考えられるようになったかを見てください。自分たちが主体で進めているかどうかが、卒業できる状態へつながっていきます。
とはいえ、緊急の課題があるのに、まず自分で解き方を学びましょうと言っている余裕がない場合もありますよね。そのときは、専門家が答えを出して、先に会社が回る状態へ戻すことも必要です。
これは段階の問題です。すぐ対応しなければいけないことは対応する。その後、落ち着いてから、自分たちが考えて進められるようにする。最初から何でも自力で見つけなければいけない、と固定して考える必要はありません。
基本的な知識や、うまくいっている方法を先に教わることもあります。掛け算の九九を、毎回原理から発見し直す必要はないですよね。まず覚えて、使いながら便利さや考え方を理解していくこともあるわけです。
教わった答えを入口にしても、ずっと答えを待つ状態で終わらせないことです。最初は人のやり方を使い、その後、自社に合わせて考えられるようにする。その先に卒業があるということを、忘れないでください。
外へ任せ続けたい仕事なのか、自分たちができるようになりたい仕事なのか。契約を続けるか迷ったときは、まずここへ戻ってみてください。後者なら、いつか相手から離れて進めるようになることを、前向きな目標として置いていただければと思います。
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代表取締役・Webコンサルタント 中山陽平
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投稿 第549回:Webコンサルティングはいつまで頼む?自社でできるようになるための卒業を考える は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
この記事では、GoogleマップのGoogleビジネスプロフィール(GBP)に「AIベースのQ&A(チャット)機能」が入り始めたという海外事例を手がかりに、これからの集客とWebサイトの役割をどう考えるかを整理します。
今回の話の出発点は、Search Engine Journalに掲載されていた「GoogleマップのQ&AがAIに置き換わり始めた」という記事です。米国のモバイル向けGoogleマップで、特定カテゴリに限定して導入が進んでいる、という内容でした(収録時点:2025年1月22日)。
日本ではまだ確認できない前提で、記事内の動画などをもとに状況を追いながら、「この流れが続いたとき、Webサイトは何のためにあるのか」「マップからの集客をどう考えるべきか」を一緒に考えていきます。参考として、元記事はこちらです。Ask Maps Is Google Q&A’s AI Replacement: Here’s What It Means For Marketers
Googleマップには、以前からユーザーが質問して誰かが答える「Q&A機能」がありました。私自身もローカルガイドとして、質問に答えたりすることがあります。
一方で、Q&Aは不正確だったり、意図的に良くない情報を混ぜられたりといった問題があったようで、廃止の話も出ていました。そこで単純に消えるのかと思いきや、置き換わる形で「AIによるQ&A」が入り始めた、というのが今回のポイントです。
新しい機能は、決め打ちのFAQが並ぶだけではありません。自由入力で質問できる形式で、感覚としてはAI検索やチャットツールに近いものです。私はPerplexityに近い印象を持ちましたし、NotebookLMのように「用意されたソースから答えを返す」方向にも見えます。
例えばレストランに対して「何時からこの料理はありますか」「チキンのソテーはありますか」といった質問を投げ、メニューや材料が掲載されていれば、その情報をもとに答えてくれる、というイメージです。
記事内の動画を見る限り、表示位置はかなり下の方で、レビューや各種情報のさらに下に出てきます。現時点で“ど真ん中”に出ているというより、追加の情報欄として入っている印象です。
また、いきなり自由入力だけではなく、事前に生成された質問もいくつか並びます。例としては次のようなものです。
気になるのは、事前に表示される質問がどこから来ているかです。以前のユーザー生成Q&Aから持ってきているのか、業種ごとのテンプレなのか、という点ですね。
記事内の調査を追うと、以前のQ&Aデータとの相関はほぼない可能性が高い、とされています。業種テンプレ一択でもないようで、同じ業種でも地域や店舗、チェーンの場所によって質問が変わるケースが見られた、という話でした。
このAI Q&Aは、すべての業種に出るわけではないようです。記事では大きく3つの方向性が挙げられていました。
そして何で決まるのか、という点はGoogleビジネスプロフィール(GBP)のカテゴリ設定が効きそうだ、という話でした。例としてYMCA(キリスト教の青年会)を挙げつつ、同じ組織でもカテゴリが分かれており、AI Q&Aが出る/出ないが分かれていた、という観察が紹介されています。
ここが今回いちばん実際の現場に直結するポイントだと思います。調査の範囲では、AIが参照するのは「自分たちがコントロールできる範囲のデータ」が中心だ、という話でした。
具体的には、GBPに登録しているサービス情報や基本情報、そしてレビューの文言、さらに登録しているWebサイト内の情報が参照されやすい。旅行や地域系でありがちな第三者ポータルサイトのデータを、安易に広く拾う仕様ではなさそうだ、という見立てです。
ただし、AIがどうしても答えを作れない場合に、Googleが「信頼できる第三者」と判断した外部サイトへ参照が伸びたケースも見られたようです。ニュース記事やFacebookページが参照先として出た、という観察もありました。
一方で、常に外部へ出るというより、情報が足りないと「情報がありませんでした」のような表示になるケースもある、ということでした。
レビューについても、質問すれば回答が返ってくるようです。レビュー内の文言がかなり参照される印象で、良い評価だけでなく悪い評価もなるべく見る方向に寄っている、という話でした。
私はこれを聞いて、Amazonのレビュー要約のように「全体の傾向を短くまとめる」動きに近いと感じました。上の方だけを拾うのではなく、いろいろな箇所を見て返す、というニュアンスです。
AIが主に参照するのがGBPと自社サイトだとすると、ここがメンテナンスされていないのは大きな損になります。特に怖いのは、昔のキャンペーン情報が残っていて、まだ開催中のように見えてしまう、といったケースです。
一番迷惑を被るのはお客さんですが、最終的に一番損をするのは自分たちです。マップ経由で来る来ないに関わらず、所在確認として見られることもありますから、古いまま放置しない方がいいと思います。
私は「Googleビジネスプロフィールを第2のWebサイトとして扱う」くらいの気持ちで、情報を充実させた方がいいと考えています。
AIの入り口がここにできると、公式導入後により分かりやすい場所へ移動してくる可能性もあります。
ここは悩ましい点として残しておきます。チェーン展開している場合、店舗ごとに分かりやすいページ(エリア)を持っているところは多くありません。店舗一覧ページに全部集約されてリンクしているケースもあります。
そうなると、店舗ごとの情報粒度がどう扱われるのかが読みづらい。私自身、米国側の事例を追いながら見ていますが、現時点ではまだ難しい、というのが正直なところです。
ここまでの話を踏まえると、まずは「AIに拾われても困らない情報の置き方」に寄せていくのが現実的です。難しいことを増やすというより、基本情報を新鮮に保つ、という話です。
最近、ローカルSEOやMEOの業者さんの営業がかなり増えていると感じます。実際、うちのお客さんにもよく電話がかかってきていますし、他でも同じ状況だろうなと思います。
ただ、Googleビジネスプロフィールはネット上で情報を入力していける仕組みです。難しければ本や動画教材を使えば十分に自分たちでできますし、特別な“裏技”を業者だけが持っているわけではありません。自分たちの情報を自分たちでコントロールする、という意味で、私は人任せにしない方がいいと思っています。
Googleマップに限らず、AIの回答が検索や各種サービスに組み込まれていく流れは続くと思います。そうなると、いわゆるゼロクリックサーチが増え、「サイトに行かなくても情報が分かる」場面が増える可能性があります。
極端に言えば、Webサイトが「Googleにデータを与えるためのデータベース」になってしまう可能性すらある。初回の見込み客が、サイトに来ないまま比較検討を終えてしまう世界も、十分にあり得ると私は見ています。
一方で、前向きに言い換えると、サイトのアクセス数だけに縛られず、トータルで成果を見ていける時代とも言えます。Googleのいろいろな入口に対して、文字だけでなく写真や動画も含めて、どう情報を提供していくかが重要になっていくはずです。
その前提で、「サイトに来ない状態でサービスを売るにはどうするか」をシミュレーションしておくと、次の一手が見えやすくなると思います。
情報が多すぎて処理が大変な時代だからこそ、人は「誰が言ったか」「この会社は信頼できるか」で判断を省略しがちです。だから、企業としてどう見られているか、どんな印象を積み上げているかが、より効いてくる可能性があります。
SNS発信の話もここにつながります。ネガティブなことばかり発信していると、見た人が離れていくのは自然です。お客さんの気持ちになって、どう伝わるかを考えながら活動していく必要があると思います。
もうひとつ、読んでいて感じたこととして、サイト上の広告やタイアップ記事などで生計を立てているメディアは、より厳しくなる可能性があります。人の動きが変われば、売り方も変えないと追いつけない、という話です。
例えるなら、CDの売上中心から、ライブやグッズなど「自分たち自身を商品として展開する」方向へ軸足を移すような変化に近いのかもしれません。Search Engine Journalもイベントなど別軸があるとは思いますが、裏では脱却を進めているのでは、と私は想像しました。
GoogleマップにAIのQ&Aが入ってくる流れは、単なる機能追加ではなく「情報の入口がどこになるか」を変える可能性があります。だからこそ、GBPとWebサイトの情報をスムーズにし、第三者の推測に頼らず「自分たちの情報を自分たちでコントロールする」ことが重要になります。
地域商圏のビジネスはもちろん、オンライン型であってもGoogleマップがディスアドバンテージになり得る、という感覚も持っておくといいと思います。どこかで書き起こし記事も改めて出したいと思っていますが、まずはこの流れにアンテナを立てて、情報を点検してみてください。
なお私は、中小企業・小規模事業者向けに、ウェブ活用のヒントの提供やコンサルティング、制作支援などをワンストップで行っています。もし今回の内容が参考になれば、Podcastのフォローや購読、知り合いへの共有などをしていただけると嬉しいです。
収録時点(2025年1月22日)では、米国のモバイル向けで一部カテゴリから導入が進んでいる、という状況でした。日本でいつ導入されるかは分からない前提で、動向を見ていく必要がある、と考えてはどうでしょうか。
調査の範囲では、Googleビジネスプロフィールに登録した情報、レビューの文言、そして紐づけているWebサイト内の情報が中心に参照されやすい、という話でした。足りない場合だけ外部サイトを参照するケースもあり得る、という見立ても紹介されています。
記事では、命に関わる領域、スパムが多発するカテゴリ、規制や取り扱いに注意が必要なカテゴリなどは表示されないことがある、とされていました。どの業種に出るかは、GBPのカテゴリ設定が影響しそうだ、という話もありました。
不要になると断定はできませんが、ゼロクリックサーチが進むと「サイトに来なくても情報が分かる」場面は増えるかもしれません。その場合、サイトは“来てもらう場所”というより、Googleに正確な情報を渡すための基盤としての役割が強まる可能性がある、というのが今回の見立てです。
私は、基本は自分たちでやれるようにしておく方がいいと考えています。GBPはネット上で情報を入力していける仕組みで、特別な“秘伝”がある世界ではありません。自分たちの情報を自分たちでコントロールする、という意味でも重要です。
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続きはPodcastをご覧下さい。
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
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投稿 第548回:GoogleマップへのAI-FAQチャット機能追加はWebサイトの意義が問われる出発点か は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回はCX、カスタマーエクスペリエンスについて、中小企業・小規模事業者の方が踏み出しやすい一歩をお伝えします。
きっかけは、ITmediaのCXに関する人気記事の振り返りを見たことです。システムを導入して改善した話や、コールセンター、大きな店舗の話など、記事になるのは対象の大きな事例が多いんですね。本屋さんやSuicaの記事を読んでも、自分たちの商売で何を考えればいいのかは、なかなか分からないかもしれません。
では、自分たちの改善点をどう見つけるか。今回お勧めしたいのは、「人の振り見て我が振り直せ」で、自分が買い手になったときの体験から見直すことです。
自分たちのことって、分からないんですよね。自社のサービスはよく知っていますし、「こういう場合にはこうだよね」というものがあります。「こういうお客さんが来ているに違いない」「こういう悩みを持っているに違いない」という固定観念も、積み上がっていきます。
「うちのお客さんは、ここを押さえておけばいい」「こういうお客さんを連れてくればいい」という答えがぱっと出てくるほど、私は結構怖いなと感じます。もちろん、正しければいいんです。でも、何となく作った「脳内お客様」が更新されないまま、その人に向けて施策を打っていることがあるんですね。
「お客さんはこういう人のはずなのに、なぜか当たらない。手段が悪かったのかな」。それで、SEOならSEO、広告なら広告、SNSならSNSの会社さんに頼もうとなる。そうすると、そもそも誰に向けているのか、最初に何を解きほぐすべきか、どんな順番で情報を伝えればいいのかが、見直されないままになってしまいます。
ただ、そこを見直すのは難しいんです。歴史が長いほど難しいし、過去にうまくいった経験があれば、なおさらです。「あの頃これでうまくいったんだから、合っているはず」と思う。でも、そのお客さんの価値観が変わっていたり、お客さん自体が入れ替わっていたりすることもあります。
そこで、自分が買い手になった場面を見直してみてください。個人としても、会社としても、何かを買う側の体験はたくさんしているはずです。
自分たちの問題は見えなかったり、意識したくなくて見ないようにしたりします。思いついても、また押し込んでしまうこともある。でも、よくも悪くも、他人のあらは見えるんですね。「このサービスはここがよかったんだけど、ここがね」ということなら、指摘しやすいと思います。
他社のサービスを受けて、よかったこと、よくないと思ったこと、嫌だったことを、一度書き出してみるんです。できれば複数人でやって、まとめていくといいと思います。
ただ、ミーティングやブレストでやると、悪口大会になりかねません。そこは、うまく進行してくれる人が必要になります。
昔受けたサービスを最近また受けて、驚くほどよくなっていた。逆に、昔はよかったのにと思った。そういう場合は、何が変わったのか、その後ろにどんな変化があったのかまで考えてみます。
例えば、お迎えの対応がよくなくなった背景には、人材の問題があるかもしれませんし、お客さんに対する経営側の考え方が変わったのかもしれません。分からないことは多いですし、確定もできません。それでも、いろいろな可能性を含めて考えてみるということです。
他社のサービスを振り返ると、「この会社はこう思っているんだろうけれど、お客さんとしては、そこは求めていないんだよな」と感じる場面があると思います。「それより、こうしてほしいんだよな」というずれです。
そのずれを意識した上で、自分たちが提供者になったときにも、同じことをしていないかと振り返ってみてください。
自分たちは、このタイミングで、この順番で進めるべきだと思っている。ここはお客さんの判断に委ねるべきだ、逆にここはこちらで予定を決めて進めるべきだと思っている。それが本当に、今のお客さんにとっていいのだろうか。他社で得た気づきをもとに、自分たちのサービスを見直していく形です。
慣れてくると、他社を鏡にしなくても、「自分たちがお客さんだったら」という目線にぱっと切り替えられるようになってきます。今対応すべきこと、今やった方がいいことを考えて動けるようになる。まだ難しいなら、他社という鏡を借りればいいんですね。
CXの仕組みを大きく考えることも大事です。ただ、システムや大規模なものが必要な段階でなければ、中小企業・小規模事業者は、こうしてアナログに顧客理解を進める方がいいと私は思っています。
メディアには、予算のある企業向けの情報が多く出てきます。対象が違うものをまねしても、あまり効果がないこともありますし、「これをやった方がいいのでは」と大きな予算を組んでしまうこともあります。対象の違う情報は、基本的に見送っていいと思うんです。
日常には、ヒントがたくさんあります。CXという言葉に限らず、買い手として感じたことをためて、自分たちの改善につなげるのは、すごく有効です。
新しい人が会社に入ってきたときも、同じです。その人は、まだ皆さんのサービスをよく知らないですよね。顧客体験研修を行う会社さんもありますが、そういう状態だからこそ、一から体験してもらう意味があります。
入ったばかりの人が指摘するのは、ハードルが高いかもしれません。それでも、「ここが不安だった」「この情報は、もっと前の段階で欲しかった」という声を聞くことは、同じ観点から役立ちます。
「この段階ではこうしてほしかった」「この書類は、このタイミングで欲しかった」「ここでこういうものがあると安心する」。あとで知ったことを、もっと早く知りたかったという場合もあるでしょう。
会社さんによっては、商圏が違うなどの条件で、仲のいい経営者同士がお互いのサービスを体験することもあります。自分では分からないことの方が多いので、社内だけのブレストで何とかしようとせず、外の体験から気づきを得る方がいいと思います。
特に経営者は、自分のサービスについて「こういうものだ」というこだわりを持っている方が多いですよね。そして、こうした顧客体験の部分は、Web上のデータだけではなかなか見えてきません。
サイトの行動データから、いろいろな判断ができる状態にするには、かなりの量が必要です。月間のアクセスが3桁、4桁、多くても5桁の前半ぐらいの中小企業・小規模事業者では、難しい部分があります。データが得られても、知りたいところまで細かく見えないことがあると感じます。
「それはN=1の話でしょう」と言われるかもしれません。でも、現場の肌感覚から、改善につながる一つの気づきが出てくる可能性は高いと、私自身は感じています。
家族など、年代の違う人にも話を聞いてみてください。年末年始のように普段と違う買い物をする機会には、お客さん側として感じたことをメモして持ち寄り、年始にみんなで気づきを集めてもいいと思います。
改善のヒントは、自分たちの中だけでなく、市場や日々の行動にもあります。「これはうちでも使える」「うちもここがよくなかった」と、一人ひとりが気づけるようになる。その気づきを受け入れる雰囲気が会社にあれば、自分たちのサービスを更新し続けられるのではないでしょうか。
お客様が全商品・全ページを比較するという思い込みは、Podcast 第487回:買うときと売るときの、選び方の違いで扱っています。
気づいた不安を商品ページに反映するときは、Podcast 第583回:購入条件や必要な作業を分かりやすく伝えるも参考にしてください。
こちらのフォームへどうぞ。
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第546回: Webマーケの改善点が見えないとき、自分が買い手になった体験を振り返る は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
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