「風邪かな」と思ったら、まず葛根湯。
そんなイメージを持っている方は多いと思います。
しかし漢方では、同じ「風邪の初期」でも、その人の体力や胃腸の状態、そして症状の現れ方によって処方を使い分けます。
今回の「漢方診察室」で取り上げるのは、香蘇散(こうそさん)。
なんとなく寒い。
頭が重い。
食欲がない。
胃がつかえる。
そして、なぜか気分も晴れない。
そんな「症状にあまり勢いのない風邪」で思い出したい処方です。
香蘇散の特徴は、強く発汗させることではありません。
穏やかに表を解きながら、滞った「気」を巡らせ、胃腸を整える。
キーワードは、
「軽い表証」
「胃腸虚弱」
「気滞」
です。
番組では、香蘇散を構成する香附子・蘇葉・陳皮・生姜・甘草の働きから、香りを重視する処方構成、「六陳八新」という生薬の知恵まで、できるだけわかりやすく解説しています。
さらに後半では、
・スペイン風邪の時代と森道伯
・和田東郭と「肝鬱」の症例
・蘇葉と「魚毒」の伝承
・刺身に添えられるシソのお話
など、香蘇散にまつわる歴史的なエピソードにも触れています。
もちろん、漢方薬も薬です。
香蘇散に含まれる甘草による偽アルドステロン症や低カリウム血症、他の甘草含有漢方薬との重複など、安全に使用するための注意点についてもお話しします。
今回の一言は、
「香蘇散は、お腹のつかえと心の曇りに、そっと風を通す処方。」
強い薬で力任せに押すのではなく、その人の体力、胃腸、気分まで含めて全体を見る。
そこに、漢方医学のおもしろさがあります。
のんびり、ゆったり、漢方の知恵をお届けする「漢方診察室」。
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※本番組は漢方医学についての一般的な情報提供を目的としています。実際の診断や治療、漢方薬の使用については、医師・薬剤師などの医療専門職にご相談ください。