英語が伸びる人は何をしている?ー第二言語習得理論から学ぶ成功の秘訣
英語学習を続けていて、どうやったらここから一つ上のレベルにいけるのかな、
と悩んだことはありませんか?
英語が伸びる人って「努力してるから?」それとも「才能があるから?」
色んな疑問が頭をよぎります。
実は、第二言語習得(Second Language Acquisition, SLA)理論という研究分野には、 「第二言語、つまり外国語がどのようにして習得されるのか」に関する多くの研究があります。
今日は、その中の理論をもとに、英語が伸びる人がやっていることを5つご紹介します!
私は、日本で約20年、アメリカで11年英語を教えてきました。
アメリカでは、世界中からきた学生さんに英語を教えています。
今まで初心者から上級者まで、あらゆる国から集まった数千人の英語学習者を見てきましたが、
今日、お話しする特徴は、この私の経験ともピッタリ当てはまります。
それでは始めましょう!
英語が伸びる人がやっていること
1. インプット(Input)をたくさん取り入れる
アメリカの言語学者クラッシェン(Stephen Krashen)は、「インプット仮説(Input Hypothesis)」 という理論を提唱しました。これは、 「言語習得は理解可能なインプット(i+1)をたくさん受け取ることで進む」 という考え方です。
✔️ 英語が伸びる人は、理解できるたくさんの英語に触れています!
✔️ 難しすぎず、でも少しチャレンジングなレベルの英語を聞いたり読んだりするのが効果的!
✅ 具体的なアクション
📌 毎日10分でも英語のニュースやポッドキャストを聞く
📌 以前にご紹介した多読や多聴がおすすめです!辞書なしでも英語を英語として理解できる本や音声にたくさん触れること。短文の集合ではなく、文脈のある本や音声教材に触れることが大事です!
英語が伸びる人がやっていること
2. アウトプット(Output)を積極的に行う
スウェイン(Merrill Swain)という学者は「アウトプット仮説(Output Hypothesis)」 を提唱しました。言語は 「アウトプット、つまり、話したり書いたりすることで伸びる」 ということです。
✔️ 伸びる人は 「間違えたらどうしよう…」と考えずに、どんどん話したり書いたりします!」
✔️ アウトプットをすることで、自分の英語の弱点に気づくことができる!また、自分の英語を修正できるようになります。
✅ 具体的なアクション
📌 1日1つ、英語で日記を書く
📌 英会話レッスンやオンラインチャットで話す機会を増やす
独学の方は、書いた日記をAIに自然な英語に書き直してもらって、自分が書いた日記との差から学ぶことをお勧めします!英語の先生やコーチがいる方は、その人から見てもらいましょう!
英語が伸びる人がやっていること
3. インタラクション(Interaction)を大事にする
ロング(Michael Long)という学者は、「インタラクション仮説(Interaction Hypothesis)」 で、「他者とのやりとりを通じて言語は発達する」と述べています。
✔️ 伸びる人は 「英語で人と交流する機会」 を大切にしている!
✔️ 会話の中で相手の言い回しを学んだり、自分の英語を修正する機会が生まれる!
✅ 具体的なアクション
📌 言語交換パートナーを見つけて話す
📌 英語のコミュニティやイベントに参加する
この番組のエピソード25「英語と一緒に出かけよう」で、英語を使う機会のアイデアをお話ししています。ぜひ参考にしてみてください
英語が伸びる人がやっていること
4. 失敗を恐れずにチャレンジする
心理学者ドーニエ(Zoltán Dörnyei)の 「動機づけ理論(Motivation Theory)」 によると、学習者のモチベーションが 「言語習得の成功」を大きく左右するということです。
✔️ 伸びる人は、「間違えることは成長のチャンス!」と考え、どんどん挑戦する!
✔️ 完璧を求めすぎると、アウトプットの機会を逃してしまう…!
✅ 具体的なアクション
📌 楽しめる方法で学ぶ(映画・音楽・ゲームなど)
📌 「伝わればOK!」の精神で英語を話す
📌 失敗しても「学びの一つ」と捉える
このように自分の心をコントロールすることが英語上達の鍵です!この番組では、英語学習のマインドセットをお話ししています。エピソード14「不安をバネに!英語スピーキングの心理学」や、エピソード4「英語の自分を育てよう」などぜひ聴いてみてください
英語が伸びる人がやっていること
5. 継続できる人(Long-Term Engagement)
エリス(Rod Ellis)は 「第二言語習得には時間がかかる」 と述べています。つまり、「続けることが何よりも大事!」 ということです。
✔️ 伸びる人は、短期間で結果を求めず、長期的に学習を続ける
✔️ 一度にたくさんやるより、「毎日少しずつ」が最も効果的!
📌 この「英語習得にかかる時間」については次回のエピソードでお話しします。お楽しみに!
まとめ
英語が伸びる人の特徴を、第二言語習得理論から5つご紹介しました!
1️⃣ インプットをたくさん取り入れる(聞く・読む)
2️⃣ アウトプットを増やす(話す・書く)
3️⃣ 人とのインタラクションを大切にする
4️⃣ 失敗を恐れずチャレンジする
5️⃣ 継続することを最優先にする
「才能がある人だけが英語を伸ばせる」わけではありません。
「伸びる人のマインドと習慣」を取り入れれば、誰でも上達できます!
あなたも、今日から 「英語が伸びる人」 のマインドと習慣を取り入れてみてくださいね。
参考文献(References)
Dörnyei, Z. (2001). Motivational strategies in the language classroom. Cambridge University Press.
Ellis, R. (1997). Second language acquisition. Oxford University Press.
Krashen, S. D. (1982). Principles and practice in second language acquisition. Pergamon Press.
Long, M. H. (1996). The role of the linguistic environment in second language acquisition. In W. C. Ritchie & T. K. Bhatia (Eds.), Handbook of second language acquisition (pp. 413–468). Academic Press.
Swain, M. (1985). Communicative competence: Some roles of comprehensible input and comprehensible output in its development. In S. Gass & C. Madden (Eds.), Input in second language acquisition (pp. 235–253). Newbury House.