先日、Xのポストにお尋ねのコメントをいただきました。「おススメの現代語訳は?」というものです。いままでこのつぼねでは源氏物語の話を幾度となくしてきましたが、そろそろ語る頃合いなのかもしれません・・・。
源氏物語は数多の著名な作家たちが腕を振るって現代語に翻訳してきました。そのそれぞれに魅力があり、色があり、そして時代を映しているのです。
その中からほんの一部を、ほんの少しだけ紹介しようとつぼねにやってきました。この友がたりはあくまでおぎたまの独断によるものであり、感想に過ぎないのですが、さてさて、あなたの心の琴線には誰の源氏物語が触れるでしょうか・・・?
(07:13) 源氏の壁!複雑な人物整理は “漫画”がベスト
(16:37) 瀬戸内源氏&イチオシ“女人源氏物語”
着物が犬:「あさきゆめみし」のコミックス版第4巻に登場する。紫の上の女房の着物の柄がよく見ると「犬」と見えることから、「この人は絶対、雀の子を逃がした犬君だ!」と高校時代のおぎが気づいて大興奮した。
超訳:原文にとらわれずに分かりやすく、読みやすいように翻訳すること。英意和訳とも。シドニィ・シェルダン「真夜中は別の顔」などが有名
大系本の赤と青:岩波書店が出版している古典文学の原文を集めたシリーズ。古典文学を研究する上で、底本としている学者が多数。最初のシリーズである日本古典文学大系が赤色の表紙で、それに続く新日本古典文学大系が青色の表紙だったため、おぎは簡単に「赤と青」と呼んでいる。
上野栄子さん:一介の主婦だが、家事と介護の傍ら、辞書を引きつつ18年かけて源氏物語を完訳。その後、2008年に80歳で自費出版をした。
※おぎがわかりやすく説明しているだけなので、テストに書いてもマルはもらえませんのでご注意ください!
「あさきゆめみし 新装版」著:大和 和紀 講談社(KC KISS) コミック
https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000359115
※源氏物語全巻をほぼ網羅した漫画。ストーリーや人物関係図だけでなく、平安時代の文化や風俗などを知るにも良い作品。
谷崎源氏: 「潤一郎訳 源氏物語」谷崎潤一郎訳 中公文庫
https://www.chuko.co.jp/bunko/1991/07/201825.html
※一文が長く、初心者には読みづらいものの、独特の色気があると言われている。
円地源氏:「円地文子の源氏物語」著:円地文子 集英社文庫 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-9960018385
田辺源氏:「新源氏物語シリーズ(全5巻)合本版」著:田辺聖子 新潮文庫
https://ebook.shinchosha.co.jp/book/E057501/
※会話を多用してあり、読みやすく親しみやすい。たまも大好き。「あさきゆめみし」に影響を与えたと言われている。
瀬戸内源氏:「源氏物語」訳:瀬戸内寂聴 講談社文庫
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000204351
★ 「決定版 女人源氏物語 著者:瀬戸内寂聴 集英社文庫
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-744575-6
※源氏物語に登場する女性ひとり一人の視点から源氏との恋愛を描いた。
https://www.chuko.co.jp/bunko/1995/11/202474.html
※光源氏の視点から語られる。男性目線の源氏物語を味わうことができる。
角田源氏:「古典新訳コレクション 源氏物語」角田光代 訳 河出文庫
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309419978/
※敬語を大幅に削り、気負いない文章で書かれている。令和の世に似つかわしい源氏物語。
https://www.chikumashobo.co.jp/special/genji/
https://www.kadokawa.co.jp/product/200801000436/
※源氏物語現代語訳のパイオニア的存在。古風な文体であり、和歌などもそのまま書かれているため読みづらくはあるが、原文に忠実な翻訳であり、原文と対比させながら読むには良い。
※自由気ままな古典愛トークですので、学術的・歴史的に正しいものとは限りません。
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