長く続いた「た」のシリーズにも終わりが見えてきました。今回は「た」が使われるのが自然な文と不自然な文を比べて、そこから「た」の本質に迫っていきます。水野曰く「た」の本質には数学的アプローチで迫ることが出来るらしいのですが…?
00:00 「た」の意味は図形問題と同じアプローチで解決する
01:05 定延先生の説明。「た」はテンスだけで説明できる。
04:52 情報のアクセスポイントから「た」を説明する
08:03 600年前なら新しいからね/新しかったからね
16:03 人は探索意識によって「た」を使い分ける
28:30 ビール飲んでる人を見たときは飲んでるね~/飲んだね~ どっち?
38:02 説明がすごすぎて定延先生のPR案件みたいになる
42:05 エンディング。終わりの雰囲気出してるけどまだ続くよ。
先行研究を調査する上で参考にした本。タ形の意味の列挙はほとんどこちらが元になっている。決して初学者向けの本とは言えませんが、日本語文法を腰を据えて勉強してみたい方にはおすすめ。この2冊は色んな論文や本で目にします。
大学の時に使っていた日本語文法の教科書。教科書なので読み物として面白いというわけではないが、平易な言葉遣いで日本語文法の全体観が把握できる。
○日本語学と通言語的研究の対話 テンス・アスペクト・ムード研究を通して○
定延利之先生によるタ論。タとはミラティブ(発見)だ、という自説を展開。研究の発表パートと、世界の諸言語を幅広く研究するロシアの言語学者・マルチュコフ先生との対話パートという構成の本。マルチュコフ先生の鋭い質問が面白い。
○日本語のテンス・アスペクト研究を問い直す 第2巻 「した」「している」の世界
タ、テイルに関する論文を集めたオムニバス。「タってそもそも活用形の一つなの? それとも、助詞?」「東北方言ではタ以外にもケというテンス形式があるよ」「情報を得たときにそれが頭に定着するまでの速度とタの関係」など、タに興味を持った方にはたまらない論文がいっぱい。
日本語以外に、ロシア語、中国語、ベトナム語、韓国語の過去時制、完了形を考察。対照研究を通じて日本語のタの本質に迫る。
タに限らず、英語の完了形や未来時制などの事例を取り上げながら、言語から見える時間意識に迫った一冊。「タを深掘りしたいというよりは時制、時間とは何かを勉強してみたい」という方にはこちらをおすすめしたい。
日本文学研究者であり詩人でもある藤井貞和先生による日本語時制論。古典文法の時制体系を概観し、タの本質に迫る。
難解と言われる認知言語学を、図や例えをふんだんに盛り込んでわかりやすく解説した良書。
○タ形の意味を考える ──日本語学習者の運用能力に貢献する文法研究──(山本雅子)
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慶應義塾大学理工学部卒。専門は情報工学。WEBにコンテンツを作り散らかすことで生計を立てている。現在の主な収入源は「アカデミックに人の悪口を書くnote有料マガジン」。
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