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3年目を迎えた今回は特別編をお届け。そもそも廣瀬さんとは何者なのか、鍵和田さんが根掘り葉掘り聞いていく特別シリーズ「廣瀬純はどう生きてきたか」の第3回です。今回は留学先のフランス・パリ時代にフォーカスしたパリ編。「その後の人生に大きな影響を与えた」メキシコからの留学生たちとの交流、『シネキャピタル』の構想、意外な仕事の数々etc。空き時間やお散歩のお供にも、ぜひお聴きください!
🗣️「故・安井豊作の『シネマ』とは何か?」
今回は、昨年末に逝去された映画評論家・安井豊作さんを追悼し、その著作を読み解きます。取り上げるのは2011年発売の『シネ砦 炎上す』(以文社)。
アテネ・フランセ文化センタープログラム・ディレクター、蓮實重彦責任編集の「リュミエール」での映画批評活動、「カイエ・デュ・シネマ・ジャポン」編集委員、映画美学校初代事務局長、機関誌「シネ砦」……。安井さんの活動は多岐に渡り、現代思想と映画を架橋し「ゴダールの宇宙」「キャメロンの時代」といった独自の概念を創造してきた。本書は、その25年間にわたる全評論を網羅した大冊だ。
とはいえ、そもそも安井豊作とは何者なのか。ポッドキャストではその活動を振り返りつつ、廣瀬さんとの個人的な思い出話から、「シネ砦」が表すこと、「問題」としてのシネマの意味、今こそ必読のこの書を読み解きます!
「三宅唱監督の新作は“トンネル地理学映画”なのか?」
『ケイコ 目を澄ませて』(22)、『夜明けのすべて』(24)などで数々の映画賞を席巻し、現代日本映画界を牽引する三宅唱監督の最新作。つげ義春の短編漫画「海辺の叙景」と「ほんやら洞のべんさん」を原作に、シム・ウンギョンを主演、共演に堤真一、河合優実、髙田万作を迎える本作。行き詰まってしまった脚本家の李(シム・ウンギョン)は、旅先でおんぼろ宿に迷い込む。そして自らの人生と向き合っていく……。
ショットを繋ぐ「トンネル」に着目しつつ、この映画自体が「トンネル」のような形象で創造されている、と廣瀬さん。そして“全てのショットがトンネルからの出口の光景である”と思わせる「トンネル地理学映画」として本作を読み解きます。ポッドキャストの動画版も「ポパイ」YouTubeチャンネルにて近日配信予定です!
「ゴダールは死ぬ前に全ての借りを返したのか?」
2022年9月、居住していたスイスで安楽死(自殺幇助)によって亡くなったジャン゠リュック・ゴダール監督。本作は、その前日に撮影された彼の“本当の”遺作。コラージュ技法による18分の本編『シナリオ』と、 ゴダール自身が制作ビジョンを語るドキュメンタリー映像 『シナリオ:予告篇の構想』の二部で一つの作品として構成される。映画界への最後の贈り物だ。
ポッドキャストでは、ダールの映画監督としての生涯における最後の画面である“映画最後のショット”がいかなるものだったのかという視点から話をはじめ、「借りを返す」をキーワードにゴダール全体を振り返ります。
「『カニバイシュ』は地味とディスられがちな前半も面白いのか?」
今回取り上げるのは、ポルトガルの巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督による『カニバイシュ』(1988年)です。物語の舞台は厳粛な雰囲気に満ちた貴族たちの晩餐会。貴族の娘、マルガリーダとアヴェレダ子爵の婚礼の夜、厳かに進行する会。嫉妬に燃える貴族、ドン・ジョアンの登場や、子爵による“とある告白”によって驚愕の事態へと展開していく。奇想天外な監督のユーモアが炸裂するオペラ・ブッファ(喜劇的なオペラ)映画だ。現在、「オリヴェイラ 2025 没後10年マノエル・ド・オリヴェイラ特集」が「Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下」ほかにて上映中。この貴重な機会を見逃すべからず。
「左右対称についての物語」と廣瀬さん。「見る人/見られる人」の切り返し、複数の人物が水平に並ぶことで「誰がどこにいるのかわからなくなる」点や、鏡、煙、音などの要素に注目しながら読み解きます。ついついクライマックスにかけての展開が着目されがちな本作だけれど、物語前半までに「おおよそ全ての基盤が提示されている」のだとか。これから鑑賞する人も、鑑賞済みの人も、ぜひポッドキャストを聴いて『カニバイシュ』を研究してみて!
ちなみに、前回(レオス・カラックス監督『IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー』)の動画版もYouTubeにて配信中! チャンネル登録もぜひよろしくお願いいたします。
今回取り上げるのは、『アネット』『ポンヌフの恋人』を手がけたレオス・カラックス監督新作、『IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー』。
カラックス監督に白紙委任するも「予算が膨らみすぎ実現不能」となったパリ・ポンピドゥーセンターの展覧会。その展覧会の代わりとして作られたのが『IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー』だ。ホームビデオから映画、音楽、写真とさまざまなジャンル、フォーマットの映像をコラージュしながら、自身の半生から映画そのものを追求する、謎めいた一作。カラックス監督が初めて自ら編集まで手がけたことも話題の本作に込められたメッセージとは。日本では「横浜フランス映画祭2025」にてプレミア上映され、4月26日からユーロスペース他全国ロードショーを予定している。
「“コラージュの繋ぎの論理”のような部分に面白さがあった」と廣瀬さん。赤や緑などの色や登場するモチーフ、映像の繋がりに着目しながら、カラックス監督の現在地を紐解きます。ぜひこれまでのカラックス作品を思い出しながら劇場へ足を運んでみてください。ちなみに、ポッドキャストの動画版もYouTubeにて近日アップ予定です。ぜひ登録&チェックを〜。
「イーストウッドはなぜ玄関にこだわるのか?」
数多くの西部劇やアクション映画に出演するほか、『許されざる者』(1992)『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)など数々のヒット作を世に送り出してきた、説明不要の名俳優であり名監督、クリント・イーストウッド最新作。恋人を殺害した容疑で被告となった殺人犯の裁判をめぐり、陪審員に選ばれたジャスティン・ケンプ(ニコラス・ホルト)。実は彼は思わぬかたちで事件と関わっており…? 被告を有罪にするか、釈放するか、深刻なジレンマに悩むことになる法廷ミステリーだ。
今年8月に廣瀬さんが刊行した『監督のクセから読み解く名作映画解剖図鑑』(彩図社)の中で、イーストウッドのクセとして取り上げた「疑いの眼差し」は今作でもキーポイント。舞台のジョージア州、裁判というモチーフ、「体裁を取り繕う」テーマが共通する97年の監督作『真夜中のサバナ』と比較しながら、“あからさま”な「演出」に注目しつつ、紐解いていきます。
「濱口竜介は神秘の人なのか?」
今月は大ボリュームの特別編です。映画批評家の廣瀬純さんとライターの鍵和田啓介さんが、公開中の映画……ではなく、発売中の“本”をネタバレ上等で語り明かしています。取り上げるのは、濱口竜介監督による映画論『他なる映画と』(1・2巻)。
『ハッピーアワー』『寝ても覚めても』『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』そして当番組でも取り上げた『悪は存在しない』。カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアの世界三大映画祭を制覇し、米国アカデミー賞国際長編映画賞にも輝いた、世界が注目する映画監督・濱口竜介による全2冊の映画論集成だ。1巻目の「映画講座」篇には、仙台・神戸・鎌倉・ソウルなどで開かれたレクチャーを初の活字化。2巻目の「映画批評」篇では、各所で発表してきた作品レビュー、映画をめぐる論考、エッセーにくわえ、日本語未発表原稿や書き下ろし2篇(7万字に及ぶブレッソン『シネマトグラフ覚書』論ほか)も収録された、充実の書。
1巻目のレクチャーでは「声」、2巻目の批評は「言葉」であるとし、濱口監督自身が声と言葉をもって映画に触れようとしている、と廣瀬さん。『他なる映画と』からみなぎる「有限性」の問題に焦点を当て、映画によって産出される「何か」の意味を、その文章を引用しつつ読み解いていきます。1時間50分と本書にも匹敵する大ボリュームでお送りします!
「ワイズマンの新作タイトルにはなぜ『苗字』が含まれているのか?」
監督はドキュメンタリー界の巨匠フレデリック・ワイズマン。親子3代にわたりミシュラン三つ星を55年間保持しつづけるフレンチレストラン「トロワグロ」の裏側に迫ったドキュメンタリー作品だ。
ワイズマン監督の「細かい技がてんこ盛り」な本作。番組では少し趣向を変えて、今作の”お通し”部分ともいえる「最初の1時間」にフォーカスし、じっくり作品を読み解いていきます。それでは、縦横無尽に広がる話を聞き逃さぬよう!
※繰り返しますが、ネタバレ上等がコンセプトなので、未見の方はくれぐれもご用心を!
「アダム・ドライバーはまたしても”しょうもない男”なのか?」
『ヒート』や『ブラックハット』のマイケル・マン監督最新作。イタリアの自動車メーカー・フェラーリ社の創業者エンツォ・フェラーリ(アダム・ドライバー)を主人公に据え、私生活と会社経営の両面で窮地に陥った彼の激動に満ちた1年間を描く。
本作で多用される「ピン送り」は、「2つの存在が1つのショットの中でバラバラの時間を平行に生きる」ことを描き出していると廣瀬さん。マイケル・マン監督が製作総指揮として関わった『フォードvsフェラーリ』(ジェームズ・マンゴールド・監)との比較や本作における言語の問題に触れながら、作品を紐解いていきます! それでは、縦横無尽に広がる話を聞き逃さぬよう!
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