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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、特にBtoCでよく語られる「世界観」についてお伝えします。
「商品の世界観を感じてほしい」「世界観から、うちのブランドを好きになってほしい」。アパレルや装飾品の分野では、こうした話をよく聞きます。ただ、世界観を作って、そこから買ってもらうのは、かなり難易度の高い方向性だと私は考えています。
皆さんは、世界観で買った、世界観で好きになったものが、どれぐらいあるでしょうか。重視している方もいるでしょうが、それほど多くない方や、思い当たらない方もいるのではないでしょうか。
世界観という、ふんわりしたものを感じるには、そのブランドをかなり知る必要があります。世界観を感じられるようになった人が、コアな層へ入っていく、と考えた方が近いかもしれません。
これまでは、それを作るのに相当なお金も、仕掛ける側のテクニックも必要だったと思います。世界観を用意すれば、それだけで初めて来た人に好きになってもらえる、というものではないんですね。
ただ、このハードルが今後どう変わるかは、気になるところです。私の経験上は難しいと思っていたことが、ひっくり返る可能性もあります。その判断材料として、収録当時に気になっていた取り組みをご紹介します。
きっかけは、日経クロストレンドの2023年10月26日付の記事で紹介されていた、お菓子メーカーBAKEの「没入型EC」です。商品をただ並べるのではなく、ネット上に架空の建物のようなものを作り、そこで情報を見せながら世界観を好きになってもらい、商品を買ってもらう流れに挑戦していました。
オールFlashのサイトをご存じの方なら、画面全体にお店があって、お菓子が置かれ、キャラクターがいるようなものを想像していただくと近いと思います。私も昔、ActionScriptを一生懸命勉強しましたが、結局あまり使いませんでしたね。
このサイトでは、「マンション・インディゴ」という建物の各階にキャラクターやお菓子が登場します。例えば403号室には「マダムブルー」という人物がいて、「403号室 水平線の先まで持っていきたいパウンドケーキ」という商品がある。人物の価値観やストーリーに共感した人に、商品を買ってもらおうという通販サイトです。
オールFlashのサイトがあった時代の状況を思い出すと、正直、私の直感ではうまくいかないパターンに見えました。ただ、これはあくまで私の経験上の感覚で、実際に一定の効果が出るかを確かめたいと思ったんです。
当時考えていたのは、半年後や1年後にも取り組みが継続し、一定の効果が出ているなら、世界観を感じるハードルが下がっている可能性がある、ということでした。逆に立ち消えていたら、やはり難しかったのかもしれない。今の感覚だけで決めず、後から確かめる材料にしたかったんですね。
なぜ難しいと感じるかというと、架空のキャラクターを通じて、その世界に没頭してもらうのは、ものすごく難しいからです。
例えば、初めて会った人から「昔はこういうことをしていて、今はこれをやっていて、将来はこうしたい」と聞くと、その人の世界に入っていけることがあります。話の具体性や生々しさ、本当らしさに加えて、対面なら表情や声からも熱量を感じますよね。同意するかどうかは別として、相手がどういう人かは感じ取れます。
実際の人を通じて、会社ができるまでの流れを伝えることもできます。通販の商品と一緒に届く創業者の話を描いた漫画などは、そうした伝え方ですね。
ところが、全く架空の人物だと、相当作り込む必要があります。作り込んだとしても、キャラクターに奥行きが出るのは簡単ではありません。漫画やアニメのように、長く見て、お話を一緒に追体験するぐらいでないと、その世界観を感じてもらうのは難しいと思うんです。
アパレルなどで世界観がよく語られるのは、肌触りやお店の雰囲気、飾り付け、香りなどを通して伝えやすいからだと思います。お店に入れば、いろいろな感覚で受け取れます。
実店舗で感じられるものが限られるネット上では、架空の人物の設定だけで同じように伝えるのは難しいんですね。実際にいる人の話なら伝えやすくても、そこからさらに世界観まで感じてもらうとなると、別の難しさがあります。
物語を伝えること自体には、私も賛成です。過去、現在、未来の流れで説明すると、今目の前にあるものの輪郭や、なぜそれをやっているのかが自然と見えてきます。お客さんにも、すっと入っていきやすいんですね。
ただ、会社や人の話を聞いて「こういうふうに生きてきて、今こういうことをやっているんだ。じゃあ話を聞いてみよう、信じてみよう」と思ってもらうことと、架空の人物が生きる世界を好きになってもらうことは違います。
さらに、「この人と同じような世界で生きたい」と思ったとして、そこで扱う商品を買えばそれが実現すると感じてもらえるでしょうか。物語に共感することと、その商品を買うことで好きな世界に近づけると感じることは、近そうで遠いと思います。
当時サイトを見た私の感覚では、個性的な人物の設定を読んで「この人が愛するお菓子は、どんな独特なものだろう」と思っても、商品の見た目はわりと普通で、形が少し個性的というぐらいに見えました。やるなら、もっと大きく振り切らないと伝わらないのではないか、という気がしたんです。
もちろん、ここは人によって感じ方が違います。私は悪く言いたいわけではなく、自分の感覚が正しいのかを検証したい。小さな世界観でも購買行動に影響するなら、自分の見方を更新しなければいけないと思っています。
私の仮説では、世界観を自分たちで構築するのは、とても難しい仕事です。やるとすれば、すでに多くの人が知っていて、どんな人物なのかも分かっているキャラクターや有名人の力を借りる方向はあると思います。コラボレーションは、すでに物語性や世界観を持つものにつながるという意味で、効率のよい方向性なんですね。
それを一から自分たちで作るとなると、私の感覚では1〜2年ではなく、10年、20年という単位の仕事です。短期的な目標があるECサイトで採用するのか、会社として長く続ける戦略なのかを分けて考えた方がいいと思います。
自分たちのストーリーや世界観で商売をしていくと決めるなら、会社として打ち出して、途中でぶれずに続ける必要があります。短期でやるなら、会社全体で露出を一気に増やすような動きも必要になるでしょう。
収録当時、私にはそこまで大きく広がっているようには見えず、厳しいのかなと感じていました。ただ、実際の成果は分かりません。だからこそ、その後の動きを追い、自分の価値観も更新していきたいと思ったわけです。
では、ストーリーが使えないかというと、そうではありません。「私たちはこういうつもりでやってきて、今ここにいます」と、会社や人を時間軸で知ってもらう伝え方は使えます。
創業者の過去、現在、未来や、会社がどう変わってきたか。世界観という大きなものを構えずに、「私たちのことをもっと知ってください」と伝えるんですね。これは私も実際にお勧めして、成果が出ているやり方です。
相手に世界ごと好きになってもらおうとする前に、今どういう思いで、その商品や事業に取り組んでいるのかを知ってもらう。そこまでなら、ネット上でも伝えられると思います。
オールFlashのサイトが出たころは、独特の世界観を持った、アートのようなWebサイトが結構ありました。機能性よりインパクトが重視されることもあった時代です。
ただ、私が見てきた範囲では、作品としては面白くても、一般的な商売には役立たず、普通に使いやすいものの方が受け入れられたという状況がありました。もちろん、アートを作る集団が自分たちの仕事を見せるなら、そのビジネスには役立つと思います。
世界観のあるサイトが面白いことと、そこで商品が売れることは、分けて見ておきたいんですね。今もそう変わらないのではないか、というのが私の感覚です。
とはいえ、どちらが面白い世界かと言われれば、商品そのものだけでなく、その周りまで含めて楽しめる方が楽しいとは思います。そういう方向に進んでいったらいいな、という気持ちもあります。
一方で、物語性が営業心理学や、人の心を操るための手法のように使われていると感じることもあって、簡単には言い切れません。世界観づくりの難しさは押さえつつ、面白そうな試みを見つけたら、その後どうなったかも確かめていきたいと思っています。
ストーリーをどのコンテンツに使うかについては、後の回であるPodcast 第551回:ストーリーテリングを使う場所と、伝え方の考え方で詳しく扱っています。
見せ方と商品そのものの価値の関係は、Podcast 第486回:Webの見せ方だけで売ろうとしていないかも参考にしてください。
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第489回: 世界観から商品を好きになってもらうのはなぜ難しいのか は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
新しいサービスが始まった、こんな取り組みが話題になっている。そういうニュースは目につきますし、社内でも共有しやすいですよね。ただ、Webマーケティングの参考にするなら、その後どうなったかまで追いかけていただきたいと思います。
話題になった段階と、実際に事業として続いていく段階は違います。今回は、私が当時、書店のアバター接客のニュースを読んだときに考えたことを例に、取り組みの結果をどう待ち、何を確かめるかという話をします。
「こういうニュースが出たから、この方向が受けるんだな」と考えてしまうことがあります。でも、発表されたばかりの段階は、まだ仕掛けが始まったところです。そこで話題が広がること自体も、プロモーションの一部かもしれません。
大事なのは、半年後や一年後に、本当に事業になっているかです。その会社だけで終わったのか、ほかの会社にも広がったのか。一つの流れとして定着しているかを見る必要があります。
新しい取り組みを知ることと、それが商売として成り立つと判断することは、分けて考えてください。自分たちが何かを始める場合も、最初に注目されたかだけでなく、収益につながり、事業の一つになるかが気になるはずですよね。他社の取り組みを見るときも同じです。
私は、飲食店で配膳ロボットを見かけたときにも、ニュースで見たものが実際に広がっているかという観点で見ていました。話題になったロボットでも、その後の姿は同じではありません。もちろん、技術が違う時代のものを、そのまま比較できないという点はあります。
新しい情報を毎日追うだけだと、始まった話ばかりが増えていきます。後になってどうなったかは目立ちにくいですが、そこまで見ることで、情報収集の質が変わると思います。
私が気になったニュースの一つは、有隣堂とKADOKAWAによる、アバターを使った書店での接客でした。書店員の方がアバターを通じて本を薦めたり、相談に乗ったりする取り組みです。当時の記事では、AIが答えるのではなく、後ろに実際の店員さんがいる仕組みとして紹介されていました。
これを見たとき、私はその場で成功か失敗かを決められないと思いました。始まったばかりですからね。気になったのは、売上や得られる情報などを踏まえて、ほかの店舗へも広がっていくのか、それとも、その場限りで終わるのかでした。
ここで私が考えていたのは、単にアバターが珍しいかどうかではありません。お客さんが、誰からの推薦なら自分の選択のよりどころにするのか、という問いです。
有名な人の薦めるものを選ぶことはありますよね。でも、書店員のアバターは、その人の顔や経歴まで分かっている相手とは限りません。「書店の店員さんだから、本に詳しいだろう」という、身近な専門家としての信頼が、どこまで購入につながるのか。そこが興味深かったんです。
もし、そうした相手からの推薦でも受け入れられるなら、必ずしも有名ではない専門家が、商品を説明する見せ方にも可能性があるかもしれない。これは、当時の私の仮説です。
もう一つ考えたのは、そもそも一対一で好みを聞かれ、推薦してもらうという行動自体が、どのくらい求められているのかということです。
書店には、「今売れている本」や「この人がお勧めする本」という企画があります。そこで本を買う人は、紹介文や推薦者を信頼しているのかもしれません。一方、大きな書店で目立つ場所に並んでいることそのものが、安心につながっている可能性もあります。
仮に、店頭の企画とアバターの接客で、まったく同じ本と情報を紹介したとします。それでも選ばれ方が違うなら、情報の内容以外にも、判断に影響するものがあるのではないかと考えられます。
外から見える「買った」という行動だけでは、その人が何を信じて選んだのかは分かりません。推薦した人なのか、売れているという情報なのか、それとも、多くの人に見える場所へ置かれていることなのか。ここを同じものとして扱わない方がいいと思います。
たとえば、一対一で「売れ筋です」と薦めても購入につながるなら、その情報自体が判断材料になっている可能性があります。「私がお勧めします」という説明で選ばれるなら、身近な専門家の推薦が届いているのかもしれません。どれも、結果を見る前に確定できる話ではありません。
当時、私自身は、この取り組みが広く続くかには慎重な見方をしていました。ただ、その見立てを持ったまま終わるのではなく、実際の動きによって補正しなければいけないと思っていたんですね。
このように、ニュースを読んだ時点で「何が分かれば、自分の見立てを確かめられるか」を考えておくと、その後を見る意味がはっきりします。
取り組みが続いているのか、別の店舗や会社へ広がっているのか。最初の話題性だけでなく、実際の商売としてどうなっているのか。そういう点を追いかける癖をつけてほしいと思います。
気になったニュースは、半年後に結果を確認する予定をカレンダーへ入れてしまうのも一つの方法です。次々に新しいものが出てくるので、覚えておこうと思うだけでは、そのまま忘れてしまいやすいんですね。
自分の予想が当たったことを喜ぶためではなく、違っていたら考えを直すために追います。話題になった瞬間だけを見るのではなく、あの取り組みは今どうなっているのかまでを、情報収集に含めていただければと思います。
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
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投稿 第488回:ニュースは発表後まで追う、取り組みの結果で自分の仮説を確かめる は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、セミナーでも少し触れた「マキシマイザーとサティスファイサー」という考え方についてお話しします。
バリー・シュワルツ氏の『なぜ選ぶたびに後悔するのか―「選択の自由」の落とし穴』で紹介されている話です。私が今回取り上げたいのは、自分が買うときと、お客様に売ろうとするときで、選び方の想定が変わってしまっていないか、というところです。
マキシマイザーとサティスファイサーは、何かを選ぶときに、どういう考え方をするかという分類です。ただ、人がきれいに二つに分かれるというより、どちら寄りの考え方をするかと捉えてもらうといいと思います。
マキシマイザーは、比較検討できるものをすべて比較して、その中で最もいいものを見つけようとする考え方です。ショッピングセンターなら、自分に関係する商品を全部見て、その中から選ぶという感じですね。
サティスファイサーは、自分の中に満足できるポイントがあって、そこに達していれば「これでOK」とする考え方です。それを妥協点と呼ぶか、及第点と呼ぶかは人によって違うと思いますが、ざっくり言うとそういう違いです。
私がこの本から受け取ったのは、マーケティングの話というより、どうすればよりよく生きられるかという話でした。選択肢が多い中で、すべてを比べて最良のものを求め続けるのはストレスが大きい。自分の中に基準を設け、ほどよくサティスファイサーの考え方へ移っていった方がいい、という趣旨です。
この本は以前持っていたのですが、お客様とのミーティングであげてしまったと思うんですよね。オフィスへ来てもらったとき、「この本、いいですよ」と、本棚の本をどんどん渡してしまうんです。セミナーで紹介した後、主催の方から入手しづらいと聞いて、もう一度読みたかったな、と少し悔しくなりました。
昔は、何かを選ぼうと思ったときに、きちんと比較できるWebサイトが数社分、10サイトもないぐらい、ということがありました。そのぐらいなら全部を見て、比較シートを作り、自分にとって最良の選択肢を選ぶ行動ができたんですね。
その結果、本当にいい選択ができたかどうかは人によります。それでも、少なくとも全部を比べるという行動はできました。
それに対して、選択肢が増えた中で同じことをするのは、ほとんど不可能ではないかと私は思います。もちろん、よほどニッチで、取り扱っているところが二つか三つしかないものなら、その中で全部を比較できます。先ほどの本も、売っているところが限られていれば、その中で決められますよね。
でも、多くの場合は、ショッピングセンターだけでなく、メルカリにあるかもしれない、ヤフオクにあるかもしれない、近所の誰かが持っているかもしれない、と選択肢が広がります。全部を比べきれないので、どこかで自分が満足できるものを選ぶ。皆さん自身も、お客様の立場では自然にそうしているのではないでしょうか。
ところが、自分が売ろうと思った瞬間に、頭の中でマキシマイザーのようなお客様を想定してしまうことが多いな、と私は感じています。
Webサイトには、他社との違いや強み、特徴を書きますよね。それを考えるとき、いろいろな競合サイトを調べて、「ここにはこう書いてある。あちらにはこう書いてある。だったら、うちはこう書けば選ばれるはずだ」と考える。
そこで、お客様も、自分が調べた競合をほぼ全部比較してから選ぶはずだという前提を、無意識に持っていないでしょうか。
買う立場に戻ると、「いや、別に全部は検討していないよな」と思うはずです。私も全部を検討していたら時間がいくらあっても足りませんし、だんだんそれ自体がストレスになってきます。
私は、値段がこのぐらいなら何分まで、と、決断に使う時間を自分の中で決めています。その範囲で検討し、ほどほどのところで「これでいい」と決めるようにしています。
もちろん、悩むこと自体を楽しむ、娯楽として比較するのであれば、それもいいと思います。ただ、何かを決めて、その先で何かを得たいのであれば、いつまでも悩み続けるのは合わないのではないかなと思うんです。
買うときには自分の満足点で選んでいるのに、売るときには全部を比較するお客様を想定している。このギャップは、かなり大きいと感じます。
以前、自社のブログで、店頭に並べるジャムの種類が多い場合と少ない場合を比べ、少ない方が売れた、という話を紹介しました。記事の題名は「陳列するジャムは6個がいい?24個がいい?」というものでした。
ただ、この話の研究としての裏付けまで、私は追っていませんでした。ですから、ここでは私が以前紹介した話として聞いてください。肌感覚としては、確かにそういうことはあるかもしれないな、と感じたんですね。
たくさんの中から自分にとって一番いいものを一つ選ぼうとしているうちに、負担が大きくなり、買うこと自体をやめてしまう。選択肢が少なければ、「この中ならこれだよね」と選びやすい。選ぶことそのものが、ストレスになる場合があるという点を、私はこの話から考えました。
先ほどの本についても、私が受け取ったのは、最良のものを求め続ける考え方は非常にストレスがかかるので、ほどよく満足点を持つ方へ移っていった方がいい、ということです。
自社のコンテンツを作るときも、お客様が全部の要素をびっしり見て比較してくれる、という前提にはしない方がいいと思います。特徴や比較ポイントだけでなく、Webサイトを端から端まで見てくれるとは考えないということです。
作っている側は、「興味がある人ならこのページも見てくれるはず」「こちらのページへ進んでくれるはず」と思いがちです。自分はどこに必要な情報があるかを知っていますし、お客様も選ぶために時間を使ってくれるだろう、と考えてしまうんですね。
でも、自分が買うときは、そこまで見ないことが多いですよね。よく分からなければ問い合わせてくれる人もいますが、面倒になって、そのサイトを見るのをやめる人もいます。そのことを押さえて、コンテンツを作った方がいいと思います。
できれば、お客様や知り合いと一緒にWebサイトを見て、どういう順番で見るのか、他のページとどう比べるのかを確認してみてください。
パソコンなら、二つの画面を左右に並べ、Excelにメモしながら比較することもできます。でも、スマートフォンで画面を並べて比較するのは、かなり面倒です。一つのタブをしばらく見てから別のタブへ移ったら、再読み込みされて一番上へ戻ってしまった、ということもありますよね。
そうなると、頭の中に覚えている情報で比較することになり、一つのサイトがお客様の頭に残せる情報は、かなり少なくなります。お客様側にも負担がかかる。その前提で、最初に何を伝えるかを考えたいんです。
理想を言えば、キャッチコピーを一つ見せたときに「ああ、なるほど。それはいいな」と覚えてもらえるといいですよね。細かいことはいろいろあっても、「この考え方なら、ここはよさそうだ」と思ってもらえる。最初に興味を持ってもらう部分が、とても大切になります。
では、何がその最初の一言に当たるのか。それは、お客様が何を比較しているかによります。ここで言いたいのは、見込みが薄いか濃いかという話ではなく、その市場の中で、今どこが選ぶときの論点になっているかという話です。
ある程度成熟した市場では、「この部分は、だいたいどこも同じだな。でも、ここは違うな」という点が、ところどころにあります。お客様は、その違うところを比較対象にして見ていく。それ以外は、できていて当たり前という感覚で見てくるので、それはそれで怖いのですが。
だから、その比較されている部分を見極め、そこに響く内容を置いていく、という考え方をしてもらうといいと思います。
時間がたてば、市場の中のお客様の成熟度も変わります。前は通用した言葉が通用しなくなり、「今は違うポイントで選んでいるんだな」と分かれば、キャッチコピーも変える必要が出てきます。その変化に気づけることも、企業が強みを生み出すための力になると思います。
自分が選ぶときには、できるだけ少ない労力で、いいと思えるものを選びたい。お客様もそうかもしれない、と考えたうえで、どんな情報を伝えればいいのかを見ていく。キャッチコピー、トップページの構成、よく入口になるページで打ち出す内容を、そうした観点で考えると、選んでもらうための糸口が見つかるのではないでしょうか。
比較に入る前にお客様が確かめたい情報については、Podcast 第583回:価格や利用条件を伝える順番で詳しくお話ししています。
自分が買う立場から顧客理解を見直す方法は、Podcast 第546回:買い手としての体験から自社を見直すも参考にしてください。
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投稿 第487回: Webマーケティングで重要な「マキシマイザーとサティスファイサー」思考とは? は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、2023年のセミナーでお話しした、お客さんの変化とWebマーケティングの考え方についてお伝えします。
セミナーでは「ポストコロナ」としましたが、コロナは、もともと起きていた変化を加速させたのだと考えています。それまでの10年、20年と同じ考え方では、もう売れないのではないか。一つのテーマとしてお伝えしたのが、Webで売るのではなく、Webも使って売るということです。
見せ方のテクニックに頼るより、まず商品やサービス、そしてお客さんを理解することに戻っていただきたいんですね。ここからは、私がWebサイト制作やコンサルティングをしてきた中での記憶や、肌感覚も交えてお話しします。
セミナーではしなかった話ですが、今回の変化は、2000年代に起きた売り手と買い手の関係の変化の、第2弾のように感じています。
最初に進んだのは、「情報の非対称性の解消」です。専門家と一般の人では、知っている情報が違う。その情報格差が、Webの力で縮まっていったということです。
懐かしのWeb 2.0といわれた頃から、お客さん側も簡単に情報を発信できるようになりました。SNSも広がり、企業の中の人が業界の事情を書いてくれるようにもなった。結果として、売り手と買い手の情報格差が小さくなり、営業活動も変わっていったと思います。
例えば、オフィスに「複合機を入れませんか」と飛び込み営業が来る場面です。以前は、普通の方が複合機の情報を日々持っているわけではありませんでした。メーカーからカタログを郵送してもらい、複数のカタログを比べるか、知り合いにいいところを教えてもらう。そのぐらいが限界だったんですね。
営業さんは豊富な資料を持っていますから、お客さんも「聞いてみないと分からないから、聞いてみようか」となる。それで飛び込み営業が成立していた面がありました。
でも、自分たちで検索して情報を得られるようになると、営業の話を聞く前に、「今は間に合っている」「この切り口なら考える必要はない」と判断できるようになります。昔ながらの営業には嫌な流れかもしれませんが、商業活動全体では公平性が上がったという意味で、よかったのではないでしょうか。
年代は少しあやふやですが、私がWebサイトを作ったりコンサルティングをしたりしていた記憶では、2000年代後半に加速し、2015年ぐらいまででかなり広がったという感覚です。
売り手側からすると、やることが増えたわけです。Webサイトでも、比較される前提でコンテンツを作る。営業資料で出していた顧客事例に代わるものとして、事例やお客様の声を載せる。お客さんによく聞かれることは、先にFAQにして不安をなくしておく。そういうことが必要になりました。
自分たちの情報をきちんと出して、初めてお客さんから問い合わせてもらえる。そんなことが求められる時代になり、対応した企業さんは反響を伸ばしていったんですね。
ただ、情報の出し方は本当にばらばらでした。いいのか悪いのか判断できない、ふわっとした言葉で強みを表現する会社もある。ユーザーリサーチや数字をもとに、分かりやすいキャッチコピーや明確な強みを打ち出す会社もある。そういう状況が続いていました。
そこから、この話をした頃までの5年ほどで、もう一段変化があったと私は感じています。それまで企業の発信を、フラットか少し疑い気味ぐらいで見てくれていたお客さんが、「基本的には信じない」という方向に変わったぐらいに考えた方がいいのではないか、ということです。
前の変化では、誰でも情報を発信できるようになったことが大きかった。今回は、お客さん自身が、写真や動画を加工する体験をしたことが大きいと思っています。
例えばリモートワークで、動画の背景をぼかしたり、顔色の悪さをカバーしたりする。以前は難しいと思っていたことが、意外と簡単にできる。写真もそうですし、Zoomなどでアバターを出したり、見せている商品の色合いを変えたりすることもあります。
若い方には、LINEなどを通じて、もっと前から起きていた変化かもしれません。ただ、もう少し上の年代の方も、この数年でいろいろな加工を体験できたと思うんです。
テレビのようなテロップを編集ソフトで入れることも、結構簡単にできてしまいます。その悪い使われ方として、怪しい商品を、まるでテレビで紹介されたような画像にしてお客さんを釣ることも出てきました。
こうした加工を自分で体験すると、以前は「いい写真だな」「いいことを言っているな」と受け取っていた情報にも、「盛っているんじゃないの」「テクニックを使っているんじゃないの」と思うようになるんですね。
きれいな素材写真にも、「中の人を出せない理由があるのでは」「出たいと思う社員さんがいないのでは」と受け取られてしまうことがある。もちろん、もともと疑っていた方も、そんなに変わったとは感じない方もいるでしょう。私の肌感覚や周りから聞く意見では、企業の出す情報を見る目が、ずいぶん変わったと感じています。
皆さんも、ニュースやSNS、テレビを見るときに、「これ、本当かな」と、以前より疑うようになっていないでしょうか。昔はもう少し素直に見ていなかったかな、と振り返っていただきたいんです。
そういう前提で考えると、見せ方に頼ってきた企業さんは厳しくなっていると思います。「こう見せればいい」「これをやれば鉄板」という方法を使った時点で、マイナスから始まってしまうこともあるわけです。
営業心理学の話でも、例えば返報性の原理があります。何かしてあげると、相手もお返しをしたくなるというものです。でも、人によっては「うっとうしい」「気持ち悪い」で終わってしまう。比較的上の年代には通じても、これからの消費者には逆効果になるケースも増えていると感じています。
単純接触効果についても同じです。何度も接触すればいいと思っていても、「しつこい」「なぜそんなに来るのか」「何か意図があるのでは」と受け取られるかもしれません。「みんながやっていますよ」というバンドワゴン効果を狙った見せ方にも、裏の意図を考える人がいるでしょう。
こちらが売るために使っているテクニックを、お客さんも感じ取っている。そのつもりで考えた方がいいと思うんですね。
営業心理学を説明する方も、大体「そもそも商品やサービスがよくなければ売れません。売れてもクレームになります」と付け加えます。私は、まさにここだと思っています。
2000年代、2010年代に、Webのテクニックである程度売れたことの方を、むしろ特別な時期だったと捉える。それまでのビジネスと同じように、まず商品、まずサービスであり、売るものの品質と相手に寄り添う力が大事な時代に戻ってきた、と考えていただくといいのではないでしょうか。
Webでどう見せるかを考えるときも、お客さんが自然に、不安を覚えずに来てくれるようにする。そして、相手のニーズに応えられることを示して、「ここならいいかな」と思ってもらう。そういう道のりを作れるかが大事になります。
いろいろな会社を延々と比較するのも、お客さんにとってはストレスです。「ここだったら、自分にも周りにも選んだ理由を説明できる」と思えるようにする。そのためには、売り方の考え方を結構変えなければいけないと思います。
コロナが落ち着けば上向くと思っていたのに、思ったほど回復しない。商談になっても、その先の成約率が上がらない。そういう方は、お客さんの心理的な変化を捉えきれていない可能性があるのではないかと思います。
そのためにも、一度、今のお客さんを理解することにしっかり向き合う必要があります。当時のセミナーでは、2023年から2025年にかけて対応できれば、まだ追いついていない周りの会社より、うまく案件を取れるのではないかというお話もしました。
もちろん、これは私の推測や、過去の変化を考えるとこうではないかという話です。これから考えるときの参考として捉えていただければと思います。
「これからどんなテクニックが必要か」ではなく、「お客さんはどう変わったのか。だとしたら何を変えるべきか」から考える。そのように、スタート地点を変えていただくといいのではないでしょうか。
お客様がどこまで比較しているのかを考えるときは、Podcast 第487回:マキシマイザーとサティスファイサーの考え方も参考にしてください。
価格や利用条件を伝える順番については、Podcast 第583回:良さを伝える前に、購入条件を確かめられるようにするで扱っています。
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投稿 第486回: Webマーケティングの見せ方だけでは売れない。商品・サービスとお客さんに戻る は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
発端は、Googleが2023年10月4日に出した「Gmailのスパム対策強化」の案内です。
話題になりやすいのは「購読解除ボタンを付ければいい」という部分ですが、実際はそれだけでは済みません。
まず、影響がはっきり出るのは「メールマーケティングとして、一斉配信をしている」ケースです。
日々の一対一の連絡メールまでを、急に慌てて直す話ではありません。
そして、目安として意識してほしいのが「Gmailアカウントに1日5,000通以上」です。ここでいう5,000通は、自社の総配信数ではなく、@gmail.com/@googlemail.com、あるいはGoogle Workspace環境で受け取られる宛先に届く通数を指します。
この条件に当てはまる可能性があるなら、遅くとも要件が適用されるタイミングまでに、ガイドラインに沿って整えておかないと、迷惑メール判定が増えて到達率が落ちる可能性が高くなります。
総リストが1万を超えてくると、Gmail宛が5,000通を超える場面が現実的に出てくるので、ここから先は「関係ある」と考えておいたほうが安全です。
今回の話は「送る側が売上を作るための工夫」という面もありますが、同時に「自分たちのドメインを守る」話でもあります。なりすましが起きたとき、ドメイン単位での信頼が落ちると、こちらが正しく送ったメールまで届きにくくなることがあるからです。
規模の大小にかかわらず、最低限の設定は早めに押さえておくほうが安心です。小規模だから許される、という類のものではありません。
最初に出てくるのが、SPFとDKIMです。SPF(送信を許可する送信元をDNSに公開する仕組み)と、DKIM(メールに署名して“改ざんされていない”ことを示す仕組み)ですね。
レンタルサーバーを普通に使っているなら、SPFが最初から入っていることもあります。昔から同じ環境を引き継いでいる場合は未設定のまま残ったままこともあるので、一度は確認したほうがいいです。
設定場所は、DNS(ドメインの行き先や関連情報を登録する場所)です。サブドメインを作ったり、各種サービスの所有確認をするときに触るあの画面の延長にあります。
なお、設定を間違えると、こちらが正しく送っているメールまで弾かれることが起きます。システム担当者や制作会社、サーバー会社に依頼できるなら、そのほうが安心です。
加えて、PTRレコード(逆引きDNS)やDMARC(SPF/DKIMの結果をどう扱うかを受信側に示す方針)も、まとめて整えておくと事故が減ります。今回の規制とは別に、なりすまし対策としての価値が大きいので、ここは「面倒だから後回し」にしないほうがいいところです。
次に、Postmaster Toolsです。Gmail側で、こちらから送ったメールがどれくらい迷惑メール扱いされているか、どんな評判になっているかを確認できる場所です。
送信数が少ないと数字が出にくいこともありますが、異常が起きたときに「迷惑メール扱いが原因なのか、それ以外なのか」を切り分けやすくなります。ガイドライン上も、迷惑メール率は0.3%未満を外さないことが求められ、さらに0.1%未満を目標にする姿勢が示されています。
今回のニュースで注目されがちなのが、購読解除です。ここで言う購読済みメッセージは、形式上のフラグの話ではなく、要はメルマガのような一斉配信だと捉えてください。
購読解除のやり方が、返信で「購読解除」と返してもらう、のような運用だと弱いです。メール本文に、はっきり分かる購読解除リンクを置き、Web上の手続きで解除が完了する形を用意しておくのが筋です。
私はメールの冒頭で「購読解除は一番下にあります」と書くこともあります。Gmailはメールが長いと途中で折りたたまれて「続きを見る」になり、解除リンクが見つからないと言われることがあるからです。
さらに、配信規模が大きい場合は、ワンクリック購読解除(List-Unsubscribe)にも対応できる状態かを確認しておく必要があります。ここは配信サービス側の実装に依存する部分もあるので、手元の運用だけで何とかしようとして消耗しないほうがいいです。
もうひとつ、無意識にやってしまいがちなのが、From(差出人)と実際の送信経路のズレです。たとえばGmailで受信・送信しているのに、差出人だけ会社ドメインにして送ってしまうと、受信側からは「差出人が偽装されている」ように見えます。
メール配信サービスを使う場合も同様です。自社ドメイン名で送っているつもりでも、送信自体は配信サービスのサーバーから出ているので、SPFに配信サービスの情報が入っていないと、整合が取れません。
まともな配信サービスなら、SPF設定の案内が必ずあります。案内が見当たらない、あるいは設定しなくても普通に送れてしまうような場合は、仕組みとして古い可能性もあるので、一度見直してもいいと思います。
メールは距離が取りやすく、ある程度の分量をきちんと届けられる媒体です。LINEの公式メッセージは距離が近く、チャット系はもっと近いので、役割が違います。
だからメールが不要になったわけではありません。むしろ、変な送り方をすると、到達率も信頼もまとめて落ちてしまう時代になった、と捉えたほうが合っています。
リストを買ったり、同意があいまいなまま送ったりすると、迷惑メール報告が増えます。結果として、ガイドラインの数値に引っかかり、正規のメールまで届きにくくなる流れが生まれます。
最初は10件、20件の小さなリストでもいいので、ハウスリストとして育てていくほうが、あとで困りません。届かなくていい人に無理に届けるより、欲しい人だけにきちんと送るほうが、結果が安定します。
ガイドラインには、同じメッセージ内に異なる種類のコンテンツを混在させない、という趣旨の注意もあります。たとえば領収や予約確認のようなメールに、プロモーションを混ぜるのは避けたほうがよい、という考え方ですね。
やりたくなる気持ちは分かりますが、メールの目的を分けるほうが、受け手の不信や迷惑メール報告を呼びにくくなります。
登録フォームで、最初から購読チェックが入っていて、そのまま登録させてしまうような形はトラブルになりやすいです。わざわざGoogleが注意として書いている以上、受け手に嫌がられている行為だと考えたほうがいいと思います。
購読は、明確にメリットを示して、自分でチェックを入れてもらう。ここを丁寧にやったほうが、後からの到達率にも響きます。
結論としてはシンプルです。Gmail宛に1日5,000通以上送る可能性があるなら、ガイドラインに沿って認証・解除・整合を整える必要があります。
そこまでの規模でなくても、SPFとDKIM(可能ならDMARCまで)を確認し、Postmaster Toolsで状況を見られるようにしておくと、いざというときの被害を抑えられます。メールは今も強い媒体だからこそ、足場を固めて丁寧に運用したいところです。
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
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投稿 第485回:Gmail配信規制強化で影響を受けるケースとは?そしてそれ以上におさえるべきメールマーケの「今」 は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今日は、テレワークを続けるべきかどうかを「世間の空気」ではなく「目の前の従業員との対話」で決める、という話を整理します。
テレワークは、続ける・やめるのどちらが正しいというわけではありません。また、「流行っているから」でも「もう終わったから」でもなく、大切なのは、自社の状況と従業員の事情を見て、落としどころを作ることです。
最近、「テレワークを廃止したら退職者が急増」「原則出社はもう無理」といった記事をいくつか見かけました。字面だけを見ると、テレワークをやめた会社が大変なことになっているように見えます。
ただ、本文まで読むと「どこかの会社の実データを積み上げた話」というより、相談事例に近い形で語られているものもあります。見出しの勢いで判断せず、文章の中身が何を根拠にしているのかを落ち着いて確認した方がいいです。
テレワークの継続希望を聞くアンケートで「7割が継続してほしい」といった話もよく見ます。もちろん、その声自体を否定する必要はありません。
一方で、アンケートは「答える人」と「答えない人」がいて、答える人は言いたいことがある人になりやすいです。特にネット調査は匿名で答えられることもあり、意見が尖って出やすい傾向があります。
加えて、調査の対象が偏っているケースもあります。たとえば「一戸建てに住んでいる家庭」に限定されているような調査では、住環境に余裕がある人の声になりやすいです。賃貸のコンパクトな住まいで仕事をしている人の感覚とは、前提が違ってきます。
肌感覚だけで話すのは避けたいので、私は総務省統計局の令和4年(2022年)就業構造基本調査も確認しました。テレワークに関するデータは、該当箇所にまとまって掲載されています。
印象的だったのは、都道府県で差が大きいことです。特に大都市圏が高く、地方は数字が伸びにくい状況が見えてきます。
こうして眺めると、「日本はみんなテレワーク」という空気感ほど、実態は一様ではありません。だからこそ、他社や世間の論調をそのまま自社に当てはめると、判断を外しやすくなります。
テレワークをしている会社が進んでいて、やらない会社が遅れている。そういう見られ方をすることがありますが、私はそうは思っていません。業種・職種・地域・仕事内容・チームの成熟度で、向き不向きがはっきり出ます。
私が現場を見ている限りでも、「そろそろテレワークがしんどい」という声は少なくありません。新人が同期と直接話したかった、管理職が対面の方が進めやすい、業務が遠隔だとやりづらいなど、理由は人と立場で変わります。
以前、テレワーク(リモートワーク)への考え方・方向性が二分されやすい背景についても別の回で話しています。合わせて整理したい方は、第207回:「テレワーク・モバイルワークへの考え方・方向性はなぜ2分してしまうのか」も参考になると思います。
記事を読んでいて、ここだけははっきり注意したい点があります。採用時に「リモート前提」で働いてもらう条件を示し、その前提で雇用契約を結んでいるケースです。
この場合、あとから「やっぱり出社してね」と切り替えると、揉めごとになりやすくなります。まずは雇用契約書や労働条件通知書など、書類を落ち着いて確認してください。
通勤がない、オフィスの環境に縛られない、生活の組み立てがしやすい。そういう働き方に合ってしまった人が、元の形に戻れないのは不思議ではありません。
無理に引き留めるというより、会社として何を優先し、どこまで歩み寄れるかを決める話になります。人が抜けると困るなら、その困り方も含めて、条件設計と交渉の問題として扱うのが現実的です。
テレワークを続けたい理由は、人によってまったく違います。ここを聞かずに、「世の中がそう言っている」「仕事とはそういうものだ」と大きな話にすると、いつまでも話が着地しません。
私は、労使の交渉として淡々と整理するのがいいと思っています。たとえば理由は、次のように分かれます。
理由が分かれば、完全リモートにこだわらず「出社頻度の調整」や「職種ごとの切り分け」など、現実的な選択肢が出てきます。ここを丁寧にやる方が、他の従業員への波及も抑えられます。
私自身、テレワークと現場を行き来する形で働いています。正直なところ、現場に行かないと分からないことは多いです。
知り合いでプログラムを書く仕事をしている方も、集中して手を動かす時間はリモートが合う一方で、「業務の中でどう使われているか」「どんな環境で動いているか」を掴むには、定期的に現場に行きたいと言っていました。遠隔と対面は、どちらか一方に寄せれば解決する話ではないのだと思います。
「テレワークをやめたら大量に辞める」といった論調の記事は、これからも増えると思います。注目を集めやすいので、話題として回りやすいからです。
ただ、自社に必要なのは外の声ではなく、経営判断の材料と、従業員との対話です。テレワークができる・できないは優劣ではありません。適性として扱い、目の前の状況から落としどころを作っていきましょう。
※過去テレワークを扱ったPodcast(コロナスタート時)
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
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投稿 テレワークは続けるべき?大事なのは他人の意見では無く、目の前の従業員との対話 は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。メールマーケティングは「取れ高」が見えやすい分だけ、足元を見落としやすい媒体でもあります。
開封率やクリック率を追う前に、まず「受信箱に入っているか」を確かめてください。迷惑メールに振り分けられていたら、数字がどう見えていても、相手の目に触れません。
SPF(送信元の正当性を示す設定)とDKIM(改ざんされていないことを示す署名)を整えたうえで、反応がない相手には送り続けない。これだけで、メールはちゃんと働いてくれるんです。
B2Cでは、メールを受け取る機会そのものが減ってきました。SNSやSMSのほうが反応につながる場面もありますし、特にSMSは届けば動きやすいところがあります。
ただB2Bは、受け取るのは個人でも、その人は会社の中の一人です。外部の相手に踏み込みすぎない距離感で、必要な情報を淡々と届けられる。私はこの点で、メールはまだまだ使われ続けると見ています。「メールはもう終わり」という話を耳にしても、B2Bなら一度立ち止まって考え直していいと思います。
メールを出しているのに、「ちゃんと届いているか」をどれくらい確認しているでしょうか。1to1のやり取りなら、届かないことはそう多くありません。けれど一斉配信になると、状況は一気に変わります。
特に怖いのは、メールサーバーには到達しているのに、受信箱ではなく迷惑メールに入ってしまうケースです。送れたつもりでも、読まれる場所に出てこない。これが続くと、配信の努力が空回りします。
配信ツールで100人、1000人、さらにその先へ、と送るほど、到達状況を把握していないのは危険です。開封率やクリック率は見ていても、そこに至る前段の「受信箱に入っているか」を見落とす方がいます。
また、個人のメールソフトからBCCで送る運用も見かけますが、宛先の扱いを間違えると漏洩につながります。運用の安全性という意味でも、メールマーケティングは専用の仕組みで行う前提にしておくのが無難です。
フィッシングをはじめ迷惑メールが増えている以上、受信側が厳しくなるのは自然な流れです。ある日ふと、今まで受信箱に入っていたものが迷惑メールに回る。こういう変化が起きても、こちらが見ていなければ気づけません。
私が見かけた「Spamresource」というスパム関連のブログでも、Gmailの判定が厳しくなっている趣旨の記事が出ていました。一次情報をすべて追えているわけではありませんが、少なくとも「認証が整っていないと不利になる」という方向性は、以前から一貫しています。
判定は受信してみないと分かりません。確認用として、無料のGmailアカウントをいくつか用意し、配信先に混ぜておくと変化に気づきやすくなります。
Google Workspaceを使っている場合でも、確認先は自社ドメインではなく、まったく別の無料Gmailにしてください。自社ドメイン同士だと受け取りやすくなり、チェックとして鈍ります。
迷惑メール判定の要因は複雑ですが、まず押さえるべきはSPFとDKIMです。SPFは「このドメインから送ってよい送信元はどこか」を示す設定で、DNSにレコードを書きます。DKIMは、メールに署名を付けて「内容が改ざんされていない」ことを示す仕組みで、こちらもDNSに情報を載せます。
たとえばSendGridのような配信サービスを使うと、差出人は自社ドメインでも、実際の送信経路は外部サービスになります。そのままだと受信側から見て「なりすまし」に見えやすい。だからSPFとDKIMで、送信の正当性を揃えておく必要があります。
設定はシステム担当の方に確認するのが早いです。真っ当なメール配信ツールなら、DNSに何を書けばいいかを案内していますし、SPFレコードのチェックサイトもあります。まずは「今、設定できているか」を確かめてください。
ハウスリスト、つまり納得感のある形で集めたアドレスに送るのが前提です。名刺交換しただけで一方的に送られるのは嫌だ、という気持ちがあるのも分かります。最低限、そこへの配慮は必要です。
一方で、名簿を買ったり、他社のリストを使ったり、社内で膨れ上がった何万・何十万のリストに配信しているケースがあります。そこで「半分は届かなかったけれど、残りに届けばいい」「1割に届けば、その中から取れ高が出る」と考えてしまう。ここが落とし穴です。
反応がない相手は、ただのゼロではありません。迷惑メールボタンが押されれば判定が不利になり、別の相手にも届きにくくなります。さらに、突然届いたメールは悪い印象として残りやすい。後から必要になったタイミングで「あそこ、前に迷惑なメールを送ってきたところだ」と思い出されると、その瞬間に候補から外れます。
DMの世界で「千三つ(1000通送って3件反応)」という言い方があります。毎月その3件の取れ高を刈り取るために、残りの相手に嫌われ続ける運用は、積み上がる負債が大きすぎます。
見たくないと思われたら、SNSはミュートや解除が起きます。メールでも同じで、嫌われる形が続けば、配信全体が苦しくなります。
そこで、送るべきではない人には届かないようにする発想に切り替えます。たとえば5回送って5回開封されないなら、6通目は「今後も送ってよいか」を確認するメールにする。反応があれば再開し、なければ止める。リストを小さくしてでも、きれいに保つほうが、後で効いてきます。
昔から同じ配信ツールを使い続けている企業さんもいますが、開封率とクリック率くらいしか分からない、ということがあります。そうなると、到達や判定の変化に気づきにくく、手当てが遅れます。
私が紹介するなら、MailchimpやZoho Campaignのように、配信の前提をきちんと押さえたツールです。到達や認証の考え方を運用に落とし込みやすいものを選ぶと、リストの状態も保ちやすくなります。
身内のコミュニケーションはチャットに置き換わっていくでしょう。それでも、外部の人に向けて、ほどよい距離感で情報を届ける媒体として、メールは使われ続けます。
だからこそ、リストは「数」より「状態」です。SPFとDKIMをスムーズにし、確認用アカウントで判定を眺め、反応がない相手には送り続けない。これを徹底するだけで、メールはきちんと成果に結びつく形に戻ってきます。
受け取るのは個人でも、その人は会社の一員として検討や判断に関わります。外部の相手に踏み込みすぎない距離感で情報を届けられるので、B2Bではメールが強いまま残りやすいと見ています。
そもそも受信箱に入っていない可能性に気づけません。迷惑メールに入っていれば、取れ高を作る以前に、相手の目に触れない状態が続きます。
確認用の無料Gmailなどを用意し、配信先に混ぜておきます。確認用アカウントでは開封や返信をせず、受信箱に入るか迷惑メールに入るかを定期的に眺めます。
受信側から見て「そのドメインから送ってよい送信元か」「内容が改ざんされていないか」が揃っていないと、なりすましに見えやすくなります。まずはこの2つを整えて、配信の前提を崩さないことが大切です。
送り続けるほど印象が悪くなり、迷惑メール判定にもつながります。たとえば5回送って開封がないなら、6通目は「今後も送ってよいか」を確認し、反応がなければ止める。リストをきれいに保つ運用に切り替えるのがおすすめです。
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
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投稿 メールマーケティングは「取れ高」だけ見ていると、未来のお客様を失なう は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。中小企業の経営者が自分でWebマーケティングを「やっていい」のはいつまでか、現場でよく起きる誤解も含めて整理します。
社長が広告運用やSEO(検索エンジン最適化)、SNSなどの実際の現場まで抱えてよいのは、基本的に「小規模企業者」と呼ばれる規模までです。商業・サービスなら従業員5人以下、製造業などなら20人以下が目安になります。
組織が育った会社では、社長が実際の現場に入り続けるほど、意思決定や採用、営業などの社長業が滞り、会社全体のスピードが落ちます。社長は「自分でやる人」から「回る形を作る人」へ役割を移していくのが自然です。
この話は、メールマガジンでも触れたテーマのエッセンスです。ブログでは、読んでいない方にも伝わるように、必要なところだけを言葉にしておきます。
「大企業か、それ以外か」という流れで、中小企業という言葉は便利に使われます。けれど中小企業の中には、中堅と呼ばれる規模から、個人事業の延長のような小さな事業まで、かなり違う現実が同居しています。
この違いを無視すると、「中小企業はこうすべきだ」という言葉が急に乱暴になります。情報もサービスも、主語が大きいほど当てはまらない人が増えるので、自分の会社の規模に置き換えて読み直す癖をつけたいところです。
補助金の申請などでよく使われる「中小企業者」の定義は、業種で上限が変わります。たとえば製造業その他は従業員300人以下、卸売業は100人以下、小売業は50人以下、サービス業は100人以下といった区分です(資本金の要件も併記されています)。
(参照:中小企業・小規模企業者の定義 | 中小企業庁)
その中でも「小規模企業者」はさらに小さく、従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)という区分です。中小企業の中の6〜7割くらいは、この小規模企業者に入るとも言われます。
制度名では「小規模事業者」という言い方が残ったままものもあり、呼び方が揺れることがあります。言葉が違っても、話の前提がどの規模を指しているのかだけは、必ず確かめてください。
統計の切り口はたくさんありますが、政府統計を眺めたとき、従業員10〜19人の企業が一つの山になっている印象がありました。現場の感覚としても、採用が増え始めて20〜30人台まで伸びていく会社が多く、ご相談の中心になりやすいところです。
同じ「Webマーケティング」でも、1人〜数人で回している会社と、20〜30人の組織で回す会社では、成立するやり方が別物になります。小さな会社向けに最適化された運用を、そのまま20〜30人規模に安易に水平展開すると回りませんし、逆も同じです。
理由は単純で、意思決定の速さ、役割分担の有無、情報の共有の仕方が変わるからです。規模が違うのに同じやり方を当てはめると、努力しているのに成果が出ない状態になりやすいんですね。
私は「小規模企業者」の範囲までは、経営者が自分で手を動かすのは自然だと思っています。やりたくてやっているというより、やらないと前に進まないからです。
けれど、ある程度組織化してきた会社では、社長が広告運用やSEO、SNS運用の実際の現場を抱えるのは社長の仕事ではありません。社長がそこに時間を使えば使うほど、社長にしかできない仕事が後回しになり、結果として会社が弱ります。
社長の仕事は、組織を維持し、次の展望をつくり、採用や人事をスムーズにし、重要な商談にも出て、協力会社との関係も築くことです。組織が大きくなるほど、やることが指数関数的に増えていきます。
社長がWebに関わるなら、実際の現場ではなく「会社が回るように整える役割」を担ってください。私が勧めているのは、こんな関わり方です。
「売上の源泉なのだから、社長が自分でやるべきだ」と言われると、真面目な社長ほど無理をします。けれどその無理は長続きしませんし、組織が大きくなるほど破綻が早まります。
「内製化」や「社内運用(インハウス化)」という言葉が出ると、社長が全部抱える話にすり替わることがあります。私が言いたいのは逆で、会社として回る状態を作ることが内製化です。
小さな会社は、社長が中心になるのは避けられません。ですが組織が育ったら、担当者が回し、社長はレビューと意思決定に徹する形に変えていくほうが、会社が安定します。
世の中には「中小企業向け」と書かれた情報やサービスがたくさんあります。けれど、その「中小企業」が5人以下を指しているのか、20〜50人を指しているのかで、話がまったく変わります。
SNS上のWebマーケ情報の多くは、小規模企業者向けです。発信者が自分の経験を出発点にしている以上、それは自然な流れですし、悪いことではありません。
ただし、匿名アカウントだったり、会社の実態が見えなかったりすると、そのノウハウがどの規模の話なのか判別できません。だから情報は、内容だけでなく「誰が、どの環境でやってきた話か」をセットで見てください。
パートナーや情報源を選ぶとき、私なら次を確かめます。ここが合うと、お互いに無理が減ります。
人数だけで決まるわけではありません。1人でも外注を上手く使って組織的に動いている会社もありますし、20〜30人でも社長の独断で回っている会社もあります。
それでも、自分と近い環境での経験がある相手と組むほうが、話が早いのは確かです。規模が合うと、前提の共有に時間を取られず、具体の話に入れます。
私自身は、経営者でありながら、Webマーケティングや制作の仕事を自分でも担当しています。提供しているサービスの中核なので、自分で手触りを持っていたいという理由が半分、単純に好きだという理由が半分です。
それは同時に、私が手を動かすぶん、会社の伸び方には限界があるということでもあります。だから私は、どこかで頭打ちになることを理解したうえで、この形を選んでいます。
一方で、事業会社として売上を伸ばし、雇用を守り、給与水準を上げていきたい会社は違います。社長がボトルネックにならないように、役割を手放し、会社として回る仕組みに変えていく必要があります。
少し現場の話をすると、ウェブ業界は今、正直厳しいです。人が減り、単価が下がり、気づいたら会社がなくなっている、ということも起きています。
だからこそ、依頼先は「提案が派手かどうか」よりも、「自社の規模で回る形を一緒に作れるか」を見てください。インボイス対応のように一時的な需要はあっても、それが業界全体の状況を大きく良くするほどではない、というのが私の実感です。
経営者が自分でWebマーケの実際の現場をしてよいのは、小規模企業者の範囲までです。組織が育ってきたら、社長は方針と後ろ盾に回り、担当者が動ける状態を作るほうが会社が伸びます。
「中小企業向け」という言葉を鵜呑みにせず、誰がどの規模で積み上げた知見なのかを確かめてください。自社の規模に合ったやり方と相手を選ぶだけで、無理な頑張りが減り、取り組みが続きます。
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投稿 中小企業の経営者が自分でWebマーケティングを「やっていい」のはいつまで? は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。まとまった休みに、積んでおいた本や、あとで読もうと保存していた記事に手を伸ばす方もいらっしゃると思います。今日は、以前メルマガでも触れた「ノウハウの収集を楽にする考え方・方向性」を、改めてお話しします。
情報を読んだときに「難しい」「自分にはまだ早いかも」と感じても、捨てずに拾える考え方・方向性があります。ポイントは、書かれている内容を手段(How)と課題(What)に分けて眺めることです。手段まで飲み込めなくても、課題のほうだけ持ち帰れれば、得られるものは一気に増えます。
ネットの記事や書籍を読んでいて、「できたらいいとは思うけれど、どうやって実現するのか分からない」と感じることがあります。
これは、What(何をやるか/何が良くなったか)とHow(どうやってやるか)が一緒に出てくるので、どちらも理解しようとして止まってしまうからです。特にWebやデジタルに苦手意識があると、見慣れない単語が出た時点で読む手が止まりやすいんですよね。
もちろん、今はデジタルに触れずに仕事を回すのが難しくなりました。ただ、短期間の詰め込みで身につくものでもありません。だからこそ私は、吸収の入口だけでも広げるために、HowとWhatをいったん切り分ける読み方をおすすめしています。
最近は、一般向けのニュースでも人工知能(AI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)といった言葉が普通に出てきます。
業務を改善しようと思えば、ディープラーニング(深層学習)やアルゴリズム、クラウドといった話題に自然と行き当たります。情報が増えるのは当然なのですが、そのまま全部を噛み砕いて自社に入れるのは、現実的にはなかなか大変です。
私自身も、正直「そこはまだ腑に落ちていないな」という部分があります。成功事例を見ても、人材に余裕のある会社の話が多く、同じようにやるのは難しいと感じることもあります。けれど、だからといって見ないようにしてしまうと、もったいないんです。
たとえば、コロナ禍の頃は「この仕組みを使って、こういう問題を解決しました」という事例が大量に出ました。
こういう話題は、どうしても手段が前に出てきます。けれど手段はあくまで道具なので、まずは「何を解決したのか」「解決すると何が良くなったのか」に目を向けてみてください。
私がよく例に出すのが、Google Cloudの顧客事例として紹介されている、くら寿司さんの取り組みです。タイトルだけ見ると「GKE」や「Edge TPU」といった単語が並び、そこで身構えてしまう方も多いと思います。実際、私もこの業界にいなかったら、クラウドと付いた時点で「難しそうだな」とページを閉じていたかもしれません。
参考として、こちらのページです:Google Cloud 公式ブログ:くら寿司:GKE や Edge TPU などを駆使して来店から会計までを完全自動化し、新しい生活様式のためのサービスを提供。
記事の中身を、あえて手段抜きで眺めると、持ち帰れる要点が見えてきます。たとえば次のような話です。
こうしてWhatだけを抜くと、「テーブルで金額が分かって、その場で決済できたら楽だな」とか、「レジに人を張り付けなくて済むなら助かるな」とか、考えが具体的になってきます。
さらに「一番忙しい時間帯に合わせて設計しないと、エラーが起きたときに困るな」といった注意点も、素直に入ってきます。
次に面白いのは、Whatが分かると「同じ課題を別のやり方でも解けるかもしれない」と発想が広がることです。
デジタルを使うにしても使わないにしても、選択肢を並べられるようになります。私はここが、情報収集の実りがあるところだと思っています。
Googleの事例は、はじめから終わりまで作業フローがきれいに変わり、「すごく楽になりました」とまとめられています。
けれど、現場の実感としては、1工程だけでも負担が減れば、気持ちが軽くなるわけです。そして私はむしろ、その「一部だけ変える」を積み重ねるほうが続きやすいと感じています。
全部を解決しようとすると、なかなか前に進みづらいもの。けれど「ここならできそうだな」という範囲に区切って着手すると、やることが見えてきます。小さな改善の繰り返しで、できることが少しずつ増えていけばいいのです。
スキルが先で、やる気が後、という順番ではないと私は思っています。
やる気が保てれば、必要なスキルは後から追いかけられます。
無理に気合いを入れるより、「一つ進むと次が見える」状態を作るほうが自然です。
もし誰かに任せて進めるなら、お願いするだけでは続きません。やった分が報われるように、評価や手当などの形を用意して、前向きに回る設計にしておくと良いですね。そうすると、手段の学習も含めて、少しずつ前に進めます。是非みなさんも一歩踏み出してみて下さいね。
こちらのフォームへどうぞ。
投稿 長期休暇の情報収集「手段」と「課題」を分けるだけで、得られるものが2倍以上になる は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
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