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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
今回のテーマは、中小企業はDXを急いで進めるべきなのか、という問いです。話の起点になっていたのはDell Technologiesの調査でしたが、結論としては単純な「急げ」でも「まだ大丈夫」でもありません。思ったほど進んでいない一方で、だからといって後回しにしてよい話でもない、という立て付けでお伝えしました。
まず押さえておきたいのは、DXがすでに当たり前の世界になっているわけではないという点です。紹介されていた調査では、先行して進めている企業は世界でも一部にとどまり、日本ではさらに少ないという話でした。前向きに進めている層まで含めても、日本は半分に届かないくらいで、世界でも半分を少し超える程度です。
この数字から見えてくるのは、今すぐ飛びつかなければ手遅れ、という状況ではないということです。様子見の企業が多いのは、それだけ誰でも安心して乗れる決定版がまだ見えにくいからでもあります。ここで必要以上に焦る必要はありません。
ただ、安心して止まっていてよいわけでもありません。私が強調していたのは、デジタルを使って業務効率を上げたり、生産性や品質を上げたりすること自体は、もう前提として考えたほうがよいという点でした。やらないこと自体が機会損失になっていく、という感覚です。
しかもその効果は、大企業よりむしろ中小企業のほうが出やすい場面があります。たとえば、社内の情報伝達をメール中心からチャットへ変える、日報や日々の整理を業務ツールへ移す、といった小さな改善でも、現場の負担が軽くなって回るようになるケースを多く見てきたとお伝えしました。そうなると、同じ人件費でも別の挑戦に時間を使えるようになり、人材育成や従業員満足度、採用や離職にも波及していきます。
ではどう進めるかというと、大企業型の大規模導入をそのまま真似するのは現実的ではありません。大きな予算をかけ、外部ベンダーが常駐し、既存のやり方を一気に置き換えるような進め方は、中小企業では費用面でも組織面でも負担が大きすぎます。人手不足の中で現場の納得を置き去りにすると、むしろ痛手になりかねません。
だからこそ、現実的なのは少しずつ入れるやり方です。GoogleフォームとGoogleスプレッドシートを使ってみる、社内連絡をデジタルな手段に寄せていく、そんな小さな一歩でも十分意味があります。重要なのは、最初から立派なDXを目指すことではなく、日々の業務の中で無駄や詰まりを減らしていくことです。
今回の話で特に大事なのは、良いツールを待つのではなく、自社がどうなればよいかを考え続けることでした。どこが詰まるのか、どこを効率化したいのか、従業員からどんな不満や要望が出ているのか。そうした情報を普段から持っていると、新しいツールや営業提案に出会ったとき、それが自社に合うかどうかを判断しやすくなります。
これはコンサルティングでも同じで、困りごとが漠然としているより、「ここでこう言われる」「この情報が足りない」「この部分がボトルネックだ」と具体的に見えているほうが、支払った費用に対するリターンが大きくなります。外から見えることには限界があるからこそ、自社の中で問題意識を育てておくことが重要です。
DXは、思われているほど一気には進んでいません。しかし、だからといって関係ないとも言えません。中小企業に必要なのは、流行語としてのDXに振り回されることではなく、自社の業務を見直し、どこをどう良くしたいかを考え続けることです。その視点を持ったまま、小さくデジタル化を進めていく。その積み重ねが、自社に合ったDXにつながっていきます。
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 [TOPIC/22/10/17] 中小企業は急いでDX化を図るべきか?Dellの調査データを基に(書き起こし付き) は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
今回は、Googleの検索結果をどう見ればいいのかを改めて整理しました。昔のように、広告があって自然検索が並んでいて、そこから自社サイトへ連れてくる、という単純な前提だけでは捉えきれなくなっています。
実際、今の検索結果には地図、画像、動画、ショッピング、FAQ、他の人はこちらも質問、ライブリザルトなど、さまざまな要素が出ています。これを見たうえで私が強く感じたのは、Googleはもう集客の入口というだけではなく、その中でユーザーがかなり回遊する場になっている、ということです。
たとえばモバイルで「お花見」と検索すると、昔ながらの広告と自然検索だけでは終わりません。地図が出て、周辺スポットが出て、他の人はこちらも質問が出て、関連する情報がどんどん並びます。特にモバイルは無限スクロールに近い形なので、ユーザーは検索結果そのものの中で情報探索を続けやすいんですね。
つまり、検索順位だけを見ていても足りません。自分たちが狙っている地域名、業種名、悩み系のキーワードで、今どういう検索結果になっているのかを定期的に見ないと、何を取りにいくべきか自体が分からなくなります。画像が強いのか、地図が強いのか、動画が出るのか、FAQが目立つのか。この前提確認がまず必要です。
この回では、Google公式ではないサードパーティーデータとして、SEMrushの調査を取り上げました。もちろん多少の「かたより」はある前提で見る必要がありますが、それでも感覚ではなく現実を考える材料にはなります。
まず押さえたいのは、自然検索のクリックは依然として最も大きいアクション先だという点です。デスクトップではオーガニッククリックが45.1%で、一番多い行動でした。ですから、青いリンクがもう意味を失った、という話ではありません。
その一方で、別のキーワードに打ち替える動き、画像や動画など別の検索面に移る動き、いわゆるゼロクリックの動きを合わせると、Googleの中で動いている割合が半分を超えていました。0クリックとされるものの中にも、実際には画像検索へ移って戻ってこないようなパターンが多く含まれていて、これは検索をやめたというより、Google内で探索を続けていると見た方が実態に近いと思います。
ここが重要です。ゼロクリックは「Googleに全部取られて終わり」という単純な話ではなく、ユーザーがその場で素早く見たい、比較したい、打ち替えたいという行動の結果でもあります。私は、まずこの現実を前提にした方が次の施策が考えやすいと思っています。
今までの発想は、ユーザーがGoogleに来て、検索して、そこから自社サイトへ来る、という一直線のモデルでした。もちろん今でもその流れはあります。ただ、今はその途中にGoogle内でのぐるぐるした探索がかなり挟まっています。
そう考えると、SEOは順位だけの話ではなくなります。地図にどう出るか、画像にどう出るか、動画にどう出るか、FAQやアンサーボックスにどう関与するかまで含めて、自分たちの露出全体を考える必要があります。ローカルSEOだけ見ればいいという話でもなく、青いリンクだけ見ればいいという話でもありません。
さらに言えば、Googleは構造化データやビジネスプロフィールなど、こちらが提供した情報を材料に見せ方を作っています。私たちは、Googleが求める形で情報を渡しながら、その中でどう見せられるかを考えなければいけません。昔ながらの順位対策や被リンクだけではなく、Googleにどうデータを食べさせ、どう露出を作るかが重要になっていくと思います。
まずやっていただきたいのは、自社が狙うキーワードで検索結果を定期的に見ることです。週に一回でもいいので、検索結果の構成がどう変わっているか、どこに競合が出ているか、何が新しく増えているかを確認してみてください。
そのうえで、お客さんがどうやって自社を見つけたのかを聞いてみることも大事です。自然検索で来たのか、地図で見たのか、画像や動画で印象を持ったのか、別の検索を重ねた末にたどり着いたのか。ここを把握しないまま「SEOをやっているつもり」になるのは危ないです。
私は、これからのSEOは、Googleをハックする発想よりも、ユーザーの探索行動に合わせて露出面を広げていく発想の方が大事だと考えています。Googleの中で何が起きているかを見て、必要な素材と設定をスムーズにし、そこで見つけてもらえる形を作る。そこまで含めて、今のSEOだと思います。
検索結果は、もう単に上から順にクリックされる一覧ではありません。Googleの中で比較し、打ち替え、画像や地図や動画へ移りながら探すのが、今のユーザー行動です。
だからこそ、Googleをただの通過点として扱うのではなく、その中でどう露出するかまで含めて設計する必要があります。自然検索を大事にしつつ、検索結果の多様な面にもきちんと対応する。その発想に切り替えることが、これからの集客では欠かせません。
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投稿 [TOPIC/22/10/14] MS参入で画像生成AIが身近に!今やバナーレベルは自前で作成する時代です は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
今回のテーマは、SEOで狙っているキーワードを、本当に自分で検索して見ていますかという問いです。順位チェックツールやサーチコンソールで数字を追っていると、それで十分な気になりがちです。しかし実際には、検索結果の画面そのものを見ないと分からないことがたくさんあります。
狙っているキーワードで上位に出たい、と考えるのは自然です。ただ、そのキーワードで実際に検索したことがないまま施策を進めるのは危険です。たとえるなら、自分が出店した店を一度も見に行かずに運営しているようなものです。
順位チェックツールは便利ですが、分かるのは主に順位の変化です。検索ユーザーが見ている画面は、それだけではありません。検索結果画面の中に、何がどれだけ入り込んでいるかを見ないと、本当にその順位に価値があるのか判断できません。
昔の検索結果は、青いリンクが上から順に並ぶ構造が中心でした。今はそうではありません。地図、商品カルーセル、画像、よくある質問、定義の抜き出しなど、Google独自の要素が当たり前のように入っています。しかも、それは特別なケースではなく、多くのクエリで起きています。
そのため、たとえ自然検索で1位を取っていても、ユーザーの目線ではもっと下に押しやられていることがあります。逆に、自然検索だけを見ていると気づけない露出枠が、検索結果上にはいくつも存在しています。
実際の検索結果を見る最大の意味は、次に何へ力を入れるべきかが変わることです。ローカル性の強いキーワードで地図が大きく出るなら、自然検索の順位だけでなくマップ対策を優先すべきかもしれません。商品系の検索でカルーセルが目立つなら、その枠にどう出るかを考える必要があります。
また、「○○とは」のような定義系の枠が強く出ているなら、説明コンテンツの作り方も変わってきます。つまり、実際の検索結果は、単なる確認作業ではなく、露出戦略を組み替えるためのヒント集です。
検索結果は、端末によって見え方が違います。スマートフォンでは特に、上部のGoogle独自要素が占める面積が大きく、自然検索の1位でもすぐには見えないことがあります。PCで見た印象と、ユーザーの実際の体験がずれていることも珍しくありません。
そのため、重要キーワードほどPCとスマートフォンの両方で定期的に確認しておきたいところです。理想は毎日、少なくとも週に1回は見ておく。そのくらいの感覚で追っていくと、数字だけでは見えない変化に気づきやすくなります。
SEOでは、順位を見るだけでは足りません。ユーザーが実際に目にする検索結果を観察してはじめて、どこに勝負どころがあるかが見えてきます。狙っているキーワードほど、自分で検索して、PCとスマートフォンの両方で見て、そこに並ぶ要素を前提に施策を考える。そこまでやってこそ、順位が成果につながりやすくなります。
検索結果の観察を、買い手の把握や施策の優先順位へつなげたい方は、SEOの基本からAI検索までの進め方もあわせてご覧ください。
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投稿 [TOPIC/22/10/12] SEOで狙っているキーワード…実際に検索して検索結果を見ていますか?? は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
BtoBで問い合わせが増えない、あるいは商談が先に進まない。そんなとき、営業のフォロー回数や担当者の話し方を見直したくなるかもしれません。もちろんそれも大事です。ただ、買い手が自分たちで比較し、判断するための材料を渡せているかも考えたいところです。
今回は、2022年に公表された海外のBtoB調査を手がかりに、購買の過程で何が止まりやすいのかを見ていきます。日本の企業すべてにそのまま当てはまる数字ではありませんが、私が現場で感じていることとも重なる部分があります。
BtoBは、選定に関わる人が複数いたり、金額が大きかったり、導入後に簡単には切り替えられなかったりします。買い手は、営業へ連絡する前にも候補を比べます。必要な情報がサイトで見つからなければ、問い合わせる前に候補から外してしまうかもしれません。
今回取り上げた調査は、問い合わせが来ない理由を直接測ったものではありません。ただ、購買が長引く理由を見ると、買い手が判断の途中でどこにつまずくかの手がかりになります。
最も多かったのは価格条件の食い違いで、情報不足は別の理由です。価格や提供内容を買い手が判断しづらいまま話が進むと、後になって条件のずれが表に出ます。連絡する前にも、同じような疑問を抱えているかもしれません。私は、そこにWebサイトで先回りできる余地があると思います。
売り手を選ぶ決め手としては、「購入しやすくなる情報を提供できること」が40.5%で、相手企業やそのニーズを理解していること、商品・業界に詳しいことより多く選ばれています。営業担当者の知識やフォローが不要になったわけではありません。買い手が自分で検討できる情報も必要だ、という見方です。
分かりやすいのは価格です。私は、まだ「費用はすべてお問い合わせください」としているサイトを見かけます。以前なら、まず問い合わせてもらってから説明する進め方もありました。しかし、価格の見当がまったくつかなければ、予算に合うか分からないまま候補から外されてしまうかもしれません。
「隠さない」は、すべての商材に確定額を載せるという意味ではありません。一件ごとに見積もりが変わるなら、おおよその価格帯、金額が変わる条件、標準的な範囲を示すことは考えられます。私自身、問い合わせ後に初めて金額が分かって双方の時間を使ってしまうより、前もって合う・合わないを判断できたほうがよいと感じています。
ただし、価格だけを詳しく書けば済むわけでもありません。この調査では、サービス提供会社のサイトで知りたい情報として、次のものが挙がっています。
買い手が比較のために知りたいことを、自社のサイトだけで見つけられるか。価格を出すことは、その一部です。営業資料を作る前に、まずサイトを買い手の目で見てみる必要があります。
価格の見当がついても、「この会社を選んで大丈夫か」は別の判断です。今回の調査では、サービスを選ぶ際、価格やサービスの比較より事業者の評判を重視する買い手がいました。価格がどうでもよいという話ではありません。予算に合うかを確かめたうえで、失敗したくないという気持ちにも答える必要があります。私も、お客さんの声や事例を集める仕組みをつくるよう、よくお伝えしています。
ただ、BtoBでは本音のレビューを集めるのが簡単ではありません。会社名を出して他社のサービスを評価するのは、その企業にとって重い行為です。大きな会社ほど協力を得にくいというのは、私も経験しています。今回の調査でも、買い手の54.8%が、信頼できるBtoBサービスのレビューを見つけるのは難しいと答えています。
だから、レビューの数だけを追いかけるより、公開できる範囲で事例やお客さんの声を少しずつ増やしていくことが現実的だと思います。読む側も、売り手が用意した事例をそのままうのみにするわけではありません。それでも、判断材料が何もないよりはずっとよいはずです。
当時の調査では、取引をオンラインで進めたい買い手もいました。電子契約のような仕組みは、手続きの手間を減らします。うちでも使っていますが、初めて使うという会社さんにも「これを機に」と受け入れてもらえることがあります。オンラインで進められる部分を整えること自体は大切です。
ただし、最後の意思決定では対面を望む回答もありました。売り手の都合だけで、何でもオンラインで済ませようとしないほうがよいでしょう。もちろん、全員が対面を望むという話でもありません。普段の情報収集や手続きはオンラインで進め、最後に一度会って話す。そんな組み合わせもあるだろうと、私は感じています。
「価格を出さなくても問い合わせてくれる」「サービスのよさが分かれば評判は気にしない」「最後までオンラインでよい」。売り手側でそう決めつけていないでしょうか。買い手が迷う理由と、売り手が想像する理由は同じとは限りません。
2022年の海外調査では、購買が長引く理由として価格条件やサービス内容の食い違い、情報不足が挙がりました。これは今の日本の自社顧客をそのまま表す数字ではありません。それでも、価格帯や提供内容、事例を問い合わせ前に分かるようにし、最後の接し方も一律に決めつけない。お客さんが何を知り、どう判断したいのかを、こちらの都合だけで推測しないことが出発点だと思います。
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
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投稿 [TOPIC/22/10/11] BtoBの購買が進まないのはなぜ?価格・評判・接し方を考える は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
今回お伝えしたいのは、SpotifyによるKinzen買収の背景には、音声プラットフォームももう「場を貸すだけ」では済まない時代に入った、という大きな流れがあるということです。音声配信をしている方はもちろんですが、普段はテキスト中心で発信している会社にとっても、これは他人事ではありません。
なぜなら、今はコンテンツを出すだけで価値になる時代ではなく、その内容をどう扱い、どう責任を持つかまで含めて問われる時代だからです。今回の買収は、その変化が音声の世界にもはっきり来たと考えると腹落ちしやすいと思います。
Spotifyは音楽サービスという印象が強いかもしれませんが、実際にはポッドキャストも大きな軸として重視しています。音声コンテンツが広がれば広がるほど、そこに差別的な表現や攻撃的な内容、誤情報が混ざるリスクも増えていきます。
実際、コロナ禍では人気ポッドキャスターの発言が大きな騒動になり、プラットフォームがどこまで責任を持つのかが強く問われました。テキストや動画では、ヘイトやフェイクニュース、ゾーニングの問題に対して、場を提供している側も対処すべきだという流れがすでに強くあります。音声だけがそのままでいられるはずはありません。
私は、Spotifyがここでやっと本気で動いたこと自体を、音声メディアにとって良い流れだと感じています。放っておけば、音声プラットフォームは怪しい情報や極端な発信の集まり場になりかねません。音声が好きだからこそ、そうならない方向へ進むことに意味があると思っています。
ここで大事なのは、音声は文字や動画より扱いが難しいという点です。文字は比較的論理が追いやすく、動画は情報量が多いぶん問題点も見つけやすい面があります。けれども音声は、話しながら考えることが多く、台本なしで進むケースも少なくありません。
そうすると、無意識に持っている価値観や、つい出てしまう言い回しがそのまま表に出やすくなります。さらに、直接的には言わずに遠回しな表現や隠語を使うこともできますし、ライブで流れていく音声は文字のように落ち着いて読み返しにくい。しかも聞き手は、話し手との距離を近く感じやすく、疑いのフィルターを通さずに入ってきやすいところがあります。
この「信頼されやすいのに、内容のチェックはしづらい」という組み合わせが、音声を難しくしています。
もう一つ難しいのが、言葉の意味や危うさが文化ごとに変わることです。ある国では問題にならない表現が、別の国では強い差別や攻撃として受け取られることがあります。単純に一つの基準で世界中を判定するのは無理があります。
つまり、AIだけで一律に裁けばよい話ではありません。言語そのものだけでなく、その背景にある文化や文脈を理解していないと、本当に危ない発信を見落としたり、逆に過剰に止めたりする可能性が出てきます。
Kinzenは、音声だけでなく、動画やテキストも含めて、ヘイトや差別、攻撃的な表現を検知し、ラベル付けしたり、管理側へ通知したりする仕組みを持っています。私が面白いと思ったのは、機械学習だけで終わらせず、専門家と組み合わせて運用している点です。
危険度を数値やラベルで示し、どの時間帯のどの発言が問題になりそうかを見つけやすくする。一定以上のリスクがあればモデレーターに回し、必要であれば自動処理もできる。こういう形なら、全部を人力で追いかけなくても、実際の現場として回しやすくなります。
対応言語が複数あるという話も出ていますが、私が見た範囲では、その中身がまだ見えきっていない部分もありました。ただ、少なくとも「言語ごとの専門家がチューニングしている」という発想自体が、音声モデレーションの難しさを正面から扱っていると感じます。
Spotifyは、いきなり買収したわけではなく、もともとパートナーシップを組んでいました。それを今回、買収まで進めたということは、単なる外部サービスの利用では足りず、自社の強みとして抱え込む必要があると判断したのだと思います。
これはSpotifyにとっての守りであると同時に、競争上の強みにもなります。他のプラットフォームは別の解決策を探さなければいけませんし、今後はこの分野で良い意味の競争が起きるはずです。私はその流れ自体は健全だと思っています。
この話は、プラットフォーム側だけの問題ではありません。コンテンツを出す企業や担当者にとっても、発信の前提が変わってきています。とりあえず数を作ればいい、SEOのために量を出せばいい、という発想はもう危険です。
特に中小企業は、外に書かせたコンテンツをそのまま載せる前に、「これは自社の発言として本当に引き受けられるか」を見なければいけません。そこを判断できる体制があるなら外部活用もよいですが、そこが曖昧なまま集客だけを目的に回すと、チェック不足のまま公開してしまう可能性があります。
むしろ最初は、自分たちで作ってみることに意味があります。書くことや発信することがどれだけ大変で、どれだけ多くの配慮が必要かを、担当者も上の立場の人も体験しておくべきです。コンテンツ一つで会社が傷つく時代に入っているからです。
今後は、誰でも見られる公開コンテンツと、ある程度前提を共有している相手に向けた深いコンテンツが、はっきり分かれていくと思います。これは何かを隠すという話ではなく、どれだけ丁寧に説明しても、受け取り方のずれがなくならないからです。
機械と人間が組み合わさったモデレーションが広がれば、私たちの発信はこれまで以上の速度でチェックされるようになります。自由に何でも言えばよい時代は、もう終わっている。その前提に立って、何をどこまで公に出すかを設計する必要があります。
SpotifyのKinzen買収を、単なる大手同士の動きとして見るだけではもったいないと思います。そこにあるのは、公開コンテンツは内容そのものだけでなく、扱い方や責任の持ち方まで設計しなければいけないという時代の変化です。
だからこそ、これからのコンテンツ作成では、量よりも責任、拡散よりも設計、勢いよりも文脈の理解が重要になります。音声をやっている方も、テキスト中心の方も、今回の動きを下敷きにして、自社のコンテンツ計画と制作の仕組みを一度見直してみてください。
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投稿 第345回:SpotifyのKinzen買収の背景と音声コンテンツ界隈に与える影響とは? は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
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