前回の「役職につくと、なぜか偉そうになってしまう」の続編です。「偉そうな人」の意識は「自分を大きく見せること」に向かい、自信の源泉は「部下より上」「あの部長より結果を出している」といった他者との比較にある。肩書きだけがよりどころになっている状態です。こうなると職場の温度は下がり、周囲には忖度と打算が広がる。優秀な部下が現れれば、脅威に感じて潰しにかかることすらあります。
一方で、同じように堂々としていても、人を引きつけるカリスマやオーラを持つ人がいます。両者を分ける境界線は2つ。ひとつは「意識のベクトル」——全体やミッション、それを担う部下に向いているか、自分自身に向いているか。もうひとつは「自信の源泉」——他者比較ではなく、内側にある軸や信念に根ざしているか。カリスマのある人は「自分は自分でいい」という確固たる自己需要を持ち、職場に安心感といい緊張感をもたらします。優秀な部下からはむしろ学ぼうとする。
では、偉そうにならずにカリスマ・オーラを身につけるには何が必要か。今回は3つの立ち居振る舞いを挙げました。ひとつ目は「志座は高く、物腰は低く」。語る理想やビジョンは高く掲げながら、現場や若手と接するときほど丁寧に、相手の話を遮らず聞く。ふたつ目は「フォーマルとインフォーマルの使い分け」。儀礼の場では役割の鎧をカチッと着込んで毅然と、その場を離れれば一瞬で鎧を脱いで一人の人間として声をかける。この厳しさと温かさのギャップこそがオーラになる。3つ目は「カリスマの要素分解」。カリスマを雰囲気で捉えず、「あの人のようになりたい」「あの人の言うことなら聞いてみよう」「あの人についていきたい」と分解して、自分なりに何が必要かを考える。詳しくは第254回「カリスマになるためにカリスマを分解してみる」で語っています。
偉そうとは、言ってみれば「未熟な威厳」。カリスマとは「成熟した存在感」。まずは傲慢な人になるのをやめることから。そしてカリスマは一朝一夕には身につかない、日々の鍛錬の先にあるものです。あなたの意識のベクトルと自信の源泉は、いま、どこを向いていますか?
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