KAAT×新ロイヤル大衆舎 vol.2舞台『花と龍』は、イノベーションの塊のような舞台で、めちゃくちゃ感動しました
芥川賞作家の火野葦平さんの小説より、"北九州・若松港を舞台に、ゴンゾと呼ばれる荷役労働者たちが、独特の気風を誇りに活躍していた激動の時代の物語"
主人公の玉井金五郎(福田転球)と、長年連れ添うことになるマン(安藤玉恵)との、破天荒だけども筋の通った生き方を貫く、情熱と愛と仲間の物語でした。
物語もキャストの皆様も本当に素晴らしく、心より感動しました。そしてさらに、私はこの舞台に、以下のようなイノベーションを見させて頂きました。
1、舞台に屋台
2、地方創生
3、優しい支援
何よりも凄かったのが、役者さんが演じる舞台に、たくさんの屋台を作って、そしてそこに観客の皆様が、上演前には、自由にお買い物をしたり、飲食をしたり
さらには、そこで買ったモノを一階の席の方は、そのまま食べながら鑑賞できるというスタイルにされていたことです。
客席でお弁当を食べられる劇場は、歌舞伎座がありますが、舞台の上にたくさんの屋台を作られた舞台装置は、未だかつて観たことがありませんでした。
アフタートークで、演出の長塚圭史さんが、コロナ時代にできなくなってしまった、人の賑わいをどう取り戻すかを考えて、ここに至ったとのことですが
これを本当に実現するためには、会場、舞台、美術などのあらゆる関係者の皆様の並々ならぬ情熱と協力がないと、実現できないことだと思いますので、驚きです。
私は早速、開演前に、舞台上の屋台にて、焼きそばと、コーヒーと、ホワイトチョコのスイーツを買って、そして客席で食べながら観るという、めちゃくちゃ贅沢な体験をさせていただきました。
ビールなどのお酒類もあり、そちらがお好きな皆様は、なかなかにお楽しみ頂いていたようで、私の隣の席の男性は、勢い余ってグッスリ睡眠しておりました笑
また粋なのが、その屋台は、実は会場の地元の皆様のご協力を一つ一つ頂いていて、地元の名物や名産のお店のモノと人とが、そのまま舞台の屋台をやられているということです。
これは、他の地域に行ったら、今度は他の地域の皆様のできる屋台をそこに置かれるとのことで、これはこの舞台をやることによって、地域の皆様も舞台の一人の登場人物として、一緒に作っていくようなことになるので
それを楽しみに、地方を訪れたくなる人もあるのではないかと思うと、地方創生の形として、とても新しい取り組みの一つになるなあと、思いました
また、さらに素敵だったのは、その屋台なのですが、実は、石川地方の被災された地域の皆様の、壊されるお家の素敵な襖?を保存する運動があるそうで
それを活用されているので、ものすごくリアルで素敵な屋台になるとともに、毎回、舞台の度に運んで、作って、解体するという、優しいサーキュレーションな仕掛けになってることにも感動しました
さらには、この舞台には、優しい鑑賞会、という回もあって、会場を暗くせずに、出入り自由な回があって、そこでは、暗くなるのが苦手な方や、ずっとじっと長く座ってることが苦手な人たちも、自由に出入りしながら観れる
そんな優しい回も用意してるとのことで、めちゃくちゃ感動しました
そんな雰囲気のおかげで、自分は始めて舞台を観に行って、隣の席の知らない方と、楽しくお話をすることにも繋がっていきました
舞台は、脚本、演出、美術、舞台、音響、役者の皆様などの様々な方々が創られる、素敵な芸術でありエンタメだと思いますし、それだけでも十分に魂爆発してるのに
さらに、その舞台というエンタメの可能性を、どこまで広げることができるのか?への飽くなき挑戦として、新たな可能性を拓くイノベーションとして
ある意味、今回の舞台は、舞台を通してエンタメによる個人の"パッション'に泣き笑いと感動を、屋台により知らない人たちとの"仲間"としての繋がりを、"大義"として地方創生とサーキュレーションエコノミーをということで
イノベーター3つのフレーム(パッション、仲間、大義)を全て実現されているイノベーションに出会えたなあと、そんな感動も頂きました
一言で言えば
舞台で屋台ノベーション
そんなことを思いました^ ^
参考:舞台: KAAT×新ロイヤル大衆舎 vol.2
『花と龍』【原作】火野葦平 【脚本】齋藤雅文 【演出】長塚圭史 【音楽】山内圭哉【出演】福田転球 安藤玉恵 ほか 【会場】KAAT神奈川芸術劇場 https://www.kaat.jp/d/hanatoryu
動画で見たい方はこちら
https://youtu.be/K37W_BuDkQk