マシュー・サイドさんの「失敗の科学」から、小林尊さんが、ニューヨークのコニーアイラインドで開催されたネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権」に圧倒的な優勝を収めたやり方に感動しました
"まず、歴代のチャンピオンはみなホットドッグを端から口に押し込んでいたが、彼は半分に割ってから食べようと考えた。実際にやってみると、口の中に余裕ができて咀嚼しやすく、手もすぐに自由になって、ペースよく次のホットドッグを口に運べた。
彼は次に、ソーセージを先に食べてからパンを食べてみた。しかしソーセージは食べやすかったが、パンはモサモサしててこずった。 そこで、パンを水につけてみた。水の温度を変えたり、水の中に植物油を数滴混ぜたりもした。
その間、彼は自分のトレーニングの様子を録画し、データをとり、さらに少しずつ違う方法を試した。全速力で一気に食べたり、ペース配分したり、ラストスパートをかけたりもしてみた。
さまざまな噛み方や飲み込み方、食べたものが胃に入りやすいように(そして吐かずに済むように)腰を揺らす方法も考えた。こうして小林は、小さな仮説をひとつずつ丁寧に検証していった。"
ここから私は思いました
1、ブレイクザバイアス
→マインドセット
2、マージナルゲイン
→スキル
3、フィードバックシステム
→仕組み化
小林尊さんが、これまでのホットドック早食い選手権で、これまでの優勝者の約2倍の量を食べたと言う、圧倒的な勝利の秘密に驚愕とともに、これこそイノベーター的ノウハウだなあと感動しました
まず体格的にも圧倒的に不利なはずの、小林さんが、この選手権に挑もうと考えた点に、驚きとともに、まさに世間の見方や、もっと言えば自身のバイアスを壊して、挑戦すると決められたところに、ブレイクザバイアスとしての、イノベーターマインドセットを感じました
ここで優勝という大きなゴールを目指さすと、自分自身に決めないと、結局小さなゴールで終わってしまう。良く新規事業のアイデアでもあるのですが、あまりにも自分自身の身の丈に合わせ過ぎてしまう、または、叩かれる前から叩かれない実験性の確実なものに絞ってしまう、こういうことはあるあるだなあと思います
リーンアンドスケールといいますが、まずはどれだけスケールできる可能性があるのか?ということを、あらかじめ自ら大きなチャレンジに立ち向かう、そういうマインドセットをもてるプラクティスが重要かと思いました
また、それが、全く絵に描いた餅では、その次が続かなくなりますので、その上での、大きなゴールへ如何に立ち向かうのかという、スキルが必要となってくると思います。そこで重要なスキルが、ここで言われてるところの、マージナルゲインだなと。
大きな目標を小さな目標に細かく分解して、それぞれについて仮説検証を細かく積み上げていくこのやり方は、イギリスのプロ自転車ロードレースチーム「チームスカイ」のゼネラルマネージャーのデイブ・ブレイルスフォードが、これにより2012年にツールドフランス優勝へ導いたという方法です。
ある意味、リーンスタートアップのMVPの仮説検証も、この一つの形態ということもできるのかなとも思いました。先ほどの小林さんの事例を見ても分かる通り、実はマージナルゲインは、大きなチャレンジにも使えますが、普段の生活を少しずつ前に進めることにも使えるなあとつくづく思いました。
小さく分解すれば、こんな人思えることや、難しいとおもうこと、面倒だなあと思うことも、実は少しずつ前に進むことができる。その積み重ねが、実はとても素敵なゴールを連れてくるという、とても勉強になるお話しでした
そしてもう一つ、小林さんが素晴らしいのは、自身を録画して、それをフィードバックすることを、仕組み化していたことかなと思いました。
アカペラを歌ってる時、ライブの録画映像を見ると、びっくりするほどガッカリすることがあります笑。それは、客観的に見るということが、いかに普段できていないか、という表れだと思います。
仮説検証がうまく行った、うまくいかなかった、という結果よりも、なぜそれがうまく行ったのか、何がうまくいかなかったかということを、客観的に把握できる仕組みを作ることが、とても大切だよなあと、改めて思わせて頂きました
ということで、小林さんが、素晴らしいのは、大きなゴールへ向かうマインドセット、そして、大きな目標を小さな単位で仮説検証するマージナルゲインのスキル、そして検証作業をデータ把握やフィードバックループを回す客観的な仕組み化をしたこと
そんな風に思いました
それら全て一言で言うと
マージナルゲインを誰でも進めていくイノベーションということで
誰でもマージナルゲイン・ノベーション
そんなことを思いました^ ^
参考:本: 失敗の科学 2016年12月25日 初版第1刷発行 2016年12月25日 電子書籍版発行 Author マシュー・サイド Illustrator 有枝春/株式会社トランネット(翻訳協力) Book Designer 竹内雄二 発行者 干場弓子 発行所 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン
動画で見たい方はこちら
https://youtu.be/e8nvdofVvg0