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ディープテック、防衛、そして国策——いま日本のスタートアップ界隈で交わされる会話は、気づけば同じ言葉に収斂しつつあります。高市政権の「戦略17分野」に視線が集まり、上場株の鉄則「国策に逆らうな」がベンチャー投資の文脈でも語られはじめました。しかし、全員が同じ方向に張ったとき、そこにアルファ(超過リターン)は残るのでしょうか。
今回は、スピーダに蓄積された2010年以降の資金調達データを起点に、gumi・メルカリの時代からSaaSバブル、そしてAI・ディープテックへの収斂まで15年のセクター変遷を振り返りながら、国策テーマに集中する現在への違和感、防衛スタートアップの市場性、そしてPE化・サーチファンド化していくVCというビジネスモデルの進化まで話しています。
▼ 今回のトピック
資金調達額トップ20を2010年から並べ直すと何が見えるか
2010年・2011年のトップ20はエネルギー、バイオ、デバイス中心だった
そこにgumi、コロプラ、ロコンドが入りはじめた時期
2014年の1位は83.3億円、2位のメルカリは38億円
20位が7.5億円だった時代の規模感
1億円の調達が「大きい」と言われた頃と、それが一瞬で溶けるという学び
スマホアプリからB向けSaaS、フィンテックへ、そしてSaaSバブルの崩壊
いまはAIとディープテックの2軸に収斂している
米国は直近半年で投資額の86%がAIへ。日本との落差をどう見るか
ヒアリングで見えた「ディープテック/防衛/国策」というひとつながりのテーマ
戦略17分野への注目と、「国策に逆らうな」という上場株の鉄則
全員が同じテーマに寄ったとき、そこにアルファは残るのか
ディープテック偏重は一発逆転的ではないか、という問い
技術リスクと市場リスク──防衛市場の規模を冷静に見積もる
デュアルユースをめぐる価値判断の難しさ
インターネット・ソフトウェアは30年を経てレガシー産業になったのか
VCのPE化、サーチファンド化、ロールアップ──ビジネスモデル自体の分岐
二人組合の運用は実質的にコンサルティングではないか
DPIやIRRのあり方も変わっていく
5年後の2031年、この市場はどうなっているか
▼ 参考情報
国内スタートアップ資金調達動向『Japan Startup Finance 2026上半期』レポート
https://jp.ub-speeda.com/document/260730wp/
スピーダスタートアップ情報リサーチ
https://jp.ub-speeda.com/solutions/startup/
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話してほしいテーマの募集: https://forms.gle/mkoihcHgTJUu4UVp8
※本番組の切り抜き・文字起こし・引用は、出典を明記のうえご自由にどうぞ。
シード期のスタートアップが、投資家から出口の方向性を問われる。かつては「夢を見るべき時期に現実を突きつけるのか」と言われかねなかったこの光景は、いまや当たり前になりました。それは業界に規律が効いてきたことの裏返しでもあります。ただ、その先にあるはずの出口そのものが、いま静かに塞がりつつあります。
今回は、VCへのヒアリングで最も多く挙がった「詰まっているのはどこか」という問いへの回答を起点に、日本のスタートアップエコシステムの構造を検討しました。上場基準の引き上げによってスモールIPOの道が細り、一方で100億円を超えるM&Aの事例も限られる。結果として、時価総額100億円から300億円のレンジに大きな空白地帯が生まれています。IPO時の初値時価総額の中央値が長年ほとんど動いていないという事実は、この構造をよく表しています。政策の意図が「未上場期間を延ばしてより大きく上場する」方向にあるとすれば、現場で起きているのはむしろ逆算によるスモールエグジットへの傾斜かもしれません。連続起業家を増やす議論、上場グロース企業によるM&A戦略の可能性、そして「お金を集めるより、うまく使うほうが難しい」という実感まで、出口をめぐる論点を一通り扱っています。
▼ 今回のトピック
シード期から出口を問われることは、規律と説明責任が効いてきた裏返し
ロジックを突き詰めた先にある「最後のジャンプ」をどう扱うか
トラックレコードだけで語れるファンドと、そうでないファンドの差
エコシステムの課題は「ビジョン」か「ロールモデル」か
象徴となる一社の顔が浮かばなくなったこの10年
VCヒアリングで最も多かった回答は、グロース資金と出口の詰まり
出口の長期化がLPの出資意欲を減退させる負のスパイラル
シード専業投資を、3年でリターンを問われる環境で成立させられるか
アニマルスピリッツの「デュアルミッション」と、論語と算盤の両立の仕方
過去のブレイクスルー事例──R&D予算に着目したユーグレナ、未上場での大型調達を担うTHE FUND
100億円から300億円の空白地帯問題
ポスト50億円で100億円のM&Aは、最終ラウンドの投資家にとって何倍か
IPO初値時価総額の中央値が動かないという事実
上場基準厳格化が招いた、目的とずれた副作用
連続起業家を増やす議論の両論──裾野は広がるのか、買い手はどう見るか
100億から300億規模のM&A事例が年に数件出たときに変わるもの
東証グロース上場企業のM&A戦略と、ロールアップの限界
お金を集めるより、うまく使うほうが難しい
▼ 参考情報
国内スタートアップ資金調達動向『Japan Startup Finance 2026上半期』レポート
https://jp.ub-speeda.com/document/260730wp/
スピーダスタートアップ情報リサーチ
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▼ どうでもいい話
kurayamisaka
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Trooper Salute
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171
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2021年から2022年にかけての右肩上がりを基準にすると、いまの日本のスタートアップ市場は厳しく見えます。実際、2025年あたりから「厳しい」という認識は業界の共通言語になりました。ただ、半年ごとにデータを追い続けてきた立場から数字を並べ直すと、資金の供給そのものは途絶えていません。悲観一色に流されてしまう前に、何が実際に起きたのかを確認しておく必要があります。
今回は、Speedaのウェビナー「2026年上半期レビュー」を終えた直後に、その場の空気を持ち込んだまま収録しました。バブルが弾けたあとに市場から抜けていったのは誰だったのか。海外VCの投資はどう変わったのか。ウェビナーに合わせて毎回実施している約60名へのヒアリングでは、起業家の層の厚みは横ばいから改善、裾野は拡大という回答が大勢を占めます。一方で「本気で大きなリターンを目指す人は増えていない」という声もありました。東証グロース市場の改革によってIPOのハードルが上がり、PSRではなくPERで評価される環境になると、時価総額300億円で上場するために必要な利益水準は決して低くありません。ファンドの10年という時間軸のなかで、それを現実的な目標として掲げられるか。結果として、創業の時点からM&Aを前提に設計する起業が増えているのだとしたら、それは合理的な判断であると同時に、市場全体にとって何を意味するのか。IPOとM&Aの平均的な着地点が離れていくなかで、起業家は最初にどちらかを選ばされているような感覚を持つ、という指摘まで話が及びます。
▼ 今回のトピック
8年続けてきた半期ごとの定点観測から、2026年上半期をどう見たか
2021年を基準にすれば厳しい。ただし資金供給は安定している
「厳しい」が共通認識になったのは2025年頃から
米国のアップダウンの激しさと、日本の安定
バリュエーションのバブルは弾けたが、供給される資金は減らなかった
抜けていったのは海外PEとクロスオーバー投資家、国内PE
2025年、2026年も海外VCの投資は続いている。ただし選別的に
資金供給が続いているからこそ、人材の流入も止まっていない
経験者の市場価値と、シードでの大型調達
約60名のスタートアップ関係者への匿名ヒアリング。9割はVC
40代で上場企業役員やメガベンチャーの事業責任者が起業する時代
AIによって起業のハードルが下がり、ソロプレナーが増えた
一方で「大きなリターンを本気で目指す人」は増えていないという声
PSRからPERへ。時価総額300億円の上場に必要な利益水準
ファンドの10年という時間軸のなかで何を目指せるか
創業時点からM&Aを前提にする合理性と、その副作用
ユニコーンが増えないことは、大きな会社をつくる難しさの証明なのか
DPIが問われるほど、大きな野望を持つ起業家が突き抜けやすくなる可能性
IPOとM&Aの平均像が乖離し、最初にプレイを選ばされる感覚
現実を見すぎて小さくまとまるなら、そもそも資金調達は必要なのか
エコシステムの課題感は、量から質へ進化してきた
M&Aの「量」と言われているものは、実は「大きさ」の話ではないか
▼ 参考文献
国内スタートアップ資金調達動向『Japan Startup Finance 2026上半期』レポート
https://jp.ub-speeda.com/document/260730wp/
スピーダスタートアップ情報リサーチ
https://jp.ub-speeda.com/solutions/startup/
総額増の裏で深まる選別――2026年上半期スタートアップ資金調達動向
https://initial.inc/articles/japan-startup-finance-2026h1
▼ Selected Startup Pitch 2026 Fall
投資家向け参加登録URL
https://luma.com/73mqvg8w
登壇希望スタートアップ向けURL
https://forms.gle/FSDJz68CHNJRyqQC7
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シリーズAまでは順調に調達できた。事業も伸びている。それなのに、シリーズB、Cのお金がどうにも続かない。投資家は渋り、起業家は「M&Aの道も残しておかないと」と考え始める。いま日本のスタートアップの現場で静かに広がっているのは、こうした「行き止まり」の感覚ではないでしょうか。
今回は、スピーダ解説セミナー『Japan Startup Finance 2026年上半期』を期間限定で配信します。
▼ 今回のトピック
2026年上半期の調達額は前年同期比+12%。ただし310億円の超大型案件を除けば+2%
規模別に見ると「20~50億円」だけがマイナス─シリーズCの弱さは観測ラグでは説明できない
米国の上半期投資額60兆円、85%がAI。日本はモデル開発ではなくディープテックへ
2014年(スマホ・ゲーム)→2018年(フィンテック)→2021年(海外×SaaS)→2025年(研究開発型)。大型調達の顔ぶれはどう変わったか
トップ20の金額シェアは49.5%から21%へ。日本は米国型の一極集中をしていない
大学発スタートアップの台頭で、東京8割集中に変化の兆し
事業会社の共同投資が急増(13%→67%)。ディープテックと製造業の「シナジー」が接続を生む
独立系VCへのLP出資は絞られている─金融機関・機関投資家・事業会社それぞれの事情
シリーズA/Bは大型化したのに、C/D以降は大型化していない。B→C/Dへ2年で進む比率も低下
IPOに200~300億円、M&Aの買い手は50~100億円まで。「100億~300億円の空白地帯」が生まれた理由
米国で広がる「ココナッツラウンド」と、日本でも始まった10億円超のシード調達
大型調達220社のその後:IPO 51社、M&A 38社、EXITまで約8年
スマートラウンドの証券子会社認可とセカンダリーは「空白地帯」の処方箋になるか
悲観論が共有されている今こそ「一番おいしいタイミング」
▼ 参考文献
8/24【解説セミナー】2026年上半期 Japan Startup Finance- スタートアップ資金調達動向 -
https://jp.ub-speeda.com/seminar/20260824_cfcd/
スピーダスタートアップ情報リサーチ
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不正とは、嘘をつくことではない。見せかけの外観を構築し、演じ、そして守り抜く──その一連の組織的な作業のことである。シリコンバレーで証券詐欺として訴追された企業の裁判記録を読み込んだ研究者たちは、そう定義しています。
今回は、インペリアル・カレッジ・ロンドンとエムリヨン経営大学院の研究者による論文「Criminal Deception in Silicon Valley」を題材にしています。2000年から2023年にかけて訴追された12社と、それに関連する27件の裁判記録を横断比較した質的研究です。中心にあるのは「ファサーディング」という概念。投資家の期待と実際の実績のあいだにどれだけギャップがあるかによって、作り込みの深さが三段階に分かれていく──その構造が、驚くほど具体的に整理されています。後半では、投資家は本当に被害者なのかという論文の問いかけを受けて、実務のなかで危うさの兆候はどこに出るのか、そしてどこまでなら線が引けるのかを話しています。
▼ 今回のトピック
・2000年から2023年にシリコンバレーで証券詐欺として訴追された12社・27件の裁判記録を読み込んだ質的研究
・12社の調達総額は18億ドル、確定した損害は6億8,760万ドル、創業者・経営陣に言い渡された実刑は合計73年
・中心概念「ファサーディング」──ファサード(建物の見せかけの正面)を構築し、演じ、守り抜く組織活動としての不正
・従来の研究は「どんな物語を語ったか」を見てきた。この研究が着目するのは「物語を裏付ける証拠を組織的に作り出す作業」の比重
・訴追された創業者たちは、ビジョンを大きく語ることの延長線上にはいない。誇張ではなく捏造だ、という明確な線引き
・第1段階(シード期・ギャップ小):作り込みは言葉だけ。証拠を出せない代わりに、証拠を求めない相手を選んでいる
・第2段階(実証を求められる段階・ギャップ拡大):捏造されるのは未来ではなく過去の実績。単発では破綻するため、証拠は必ずセットで組み立てられる
・第2段階の守り方は、情報の集中と統制。数字を創業者が抱え込み、CFOの採用要求を拒み、社員同士が財務を語ることを制限する
・第3段階(スケール期・ギャップ極大):デモで体験そのものを偽装する、監査報告書やリファレンスチェックといった検証プロセスを乗っ取る、規制当局の指摘を言い換える
・第3段階の守り方は、秘密主義の制度化。スタートアップらしい社内呼称を与えることで、不正が通常業務のように扱われていく
・投資家は被害者なのか──期待値を設定しているのも、ガバナンスを手放しているのも投資家側だ、という論文の指摘
・「導入済み30社」の実態が3社だった、他社からの評価額をちらつかせる──不誠実と詐欺のあいだにある広い領域
・危うさの兆候:足元のトラクションや資金繰りの話を極端に嫌がる。突き放す型と持ち上げる型、どちらも共通するのは「足元を語りたがらない」こと
・ビジョンを語る力と紙一重であること。もし創業期の名だたる起業家がいま目の前に現れたら、投資家の目にはどう映るか
・リスクをゼロにするアプローチは機能しない。それでも引ける線──リード投資家と責任の所在が見えないラウンドには入らない
▼ 参考情報
8/24【解説セミナー】2026年上半期 Japan Startup Finance- スタートアップ資金調達動向 -
https://jp.ub-speeda.com/seminar/20260824_cfcd/
スピーダスタートアップ情報リサーチ
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Tim Weiss, Nevena Radoynovska「Criminal Deception in Silicon Valley」Organization Science(2026年6月29日オンライン公開、DOI: 10.1287/orsc.2024.19981)
https://pubsonline.informs.org/doi/epdf/10.1287/orsc.2024.19981
The Mars Volta
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VCから出資を受けたスタートアップは、そうでない企業に比べて、上場直後に不正で訴えられる確率が2倍以上高い。しかもその差は、この10年で際立って大きくなっている。そして不正を最もよく予測するのは、創業者がどんな人物かではなく、その会社のガバナンスがどう設計されているかでした。
今回は、トロント大学ロットマンスクールの研究チームがまとめた論文「Venture Fraud」を題材にしています。米国のVC出資先で起きた654件の不正案件を集めた、初の網羅的なデータセットです。何が不正を予測するのか。創業者が握るボード、複雑になりすぎたキャップテーブル、そして資金調達市場の過熱。さらに、不正が発覚した創業者はその後どうなったのか──ここで出てくる結論は、かなり直感に反します。後半では、「不正」という一語では括りきれない濃淡の問題、そして日本で進むVC向け指針の改訂をめぐって、規律をどこに設計すべきかという議論をしています。
▼ 今回のトピック
・米国のVC出資先で起きた654件の不正案件を集めた、初の網羅的データセット
・累計1,000万ドル以上を調達した企業のうち、不正への関与が判明したのは1.75%。およそ57社に1社
・ある年に不正を実行中の企業の割合は、2003年の0.10%から2021年の0.63%へ。同じ期間、上場企業とPE出資先では低下している
・IPO後2年以内の証券集団訴訟で比べると、VC出資先はおよそ10社に1社、非VC出資先は20社に1社
・創業者支配のボードは、VC支配・折半のボードに比べて不正の確率が2倍
・投資家の持分(普通株換算)が10%高いと、不正の確率は平均比で19.3%下がる
・相関か因果か──「VCが入るから不正が起きる」のか、「不正を起こしうる人がVCの資金を狙って来る」のか
・持分では測れない影響力。組織内のカリスマ性とパワーバランスという論点
・市場が過熱すると、投資家はバリュエーションだけでなくガバナンス上の権利を差し出して枠を取りに行く──「内生的な創業者の塹壕化」
・市場全体のバリュエーション倍率は、不正率に2〜3年先行して動いている
・不正が発覚した創業者は、その後も新しい会社を立ち上げ、VCから資金を集めている。6年間の起業数は対照群とほぼ差がない
・大きく報道された案件ほど、その後の起業がむしろ多いという逆説
・元の投資家からの再出資は28%、対照群では41%。静かに降りる投資家と、踏み込む新しい投資家
・セラノス、WeWork、そしてライブドア──「不正」という一語では括れない濃淡と、量刑の不均衡
・投資家が口を出すことと、「起業家フレンドリー」であることのあいだの駆け引き
・VC向け指針の改訂と外部チェックの導入──プロセスを重くすると、真面目にやる側が不利にならないか
・57社のうち56社はまともにやっている。規律とインセンティブを、どこに設計すべきか
▼ 参考情報
8/24【解説セミナー】2026年上半期 Japan Startup Finance- スタートアップ資金調達動向 -
https://jp.ub-speeda.com/seminar/20260824_cfcd/
スピーダスタートアップ情報リサーチ
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Alexander Dyck, Freda Fang, Camille Hebert, Ting Xu「Venture Fraud」NBER Working Paper No. 34868(2026年2月公表/同年6月改訂、査読前のワーキングペーパー)
https://www.nber.org/papers/w34868
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日本のスタートアップの資金調達総額は、2026年上半期に3779億円。前年の同じ時期に集計した数字と比べて12%増えました。ところが、この「増加」を市場の回復と読むと、おそらく判断を誤ります。増えた391億円のほとんどは、ごく少数の大型案件が生んだものだからです。
今回は、スピーダが公開した速報記事「総額増の裏で深まる選別」を叩き台に、日本の資金調達動向を朝倉と森が読み解いていきます。50億円以上の調達に資金が集中する構図、縮小したシリーズC、ディープテックと産業特化型AIが並ぶ上位20社の顔ぶれ、ファンド組成とEXITの状況。さらに、事業再編を経た企業の調達をどう数えるのか、子会社の売却が「資金調達」として現れてしまうのはなぜか──集計の現場でしか見えない「スタートアップの定義」という難問にも踏み込んでいます。前回までのアメリカ・欧州編と合わせて聴くと、日本の位置がより立体的に見えてくるはずです。
▼ 今回のトピック
・総額3779億円、前年同時期の集計比で12%増──ただし観測ラグを踏まえて読む必要がある
・50億円以上を調達した企業は4社から9社へ倍増。増加額435億円が全体の増加額391億円を上回る
・最大の調達案件を除くと、市場全体の伸びはわずか2%にとどまる
・「調達社数が減っている」という直感は正しいか。過去10年の推移と、集計時点をそろえて見ることの重要性
・シリーズCへの資金は24%減。設立10年未満は9%減にとどまる一方、10年以上では73%減
・調達額上位20社の顔ぶれ──AI基盤モデル、自動運転、核融合、宇宙、ヒューマノイド、そしてウイスキー
・SaaSはどこへ行ったのか──ビジネスモデルとしてのSaaSと、自社をどう名乗るかという自己認識の話
・日本のAI投資は基盤モデル開発ではなく産業実装へ。アメリカとは異なる経路をたどっている
・大型調達を支えた国内独立系VCと、事業法人による直接投資
・新設ファンドは前年並みの79本。金額の判明していない案件が多く、実態は数字より読みにくい
・EXITはM&A件数が増加する一方、スタートアップのIPOは14件で前年同期を下回る
▼ 参考文献
8/24【解説セミナー】2026年上半期 Japan Startup Finance- スタートアップ資金調達動向 -
https://jp.ub-speeda.com/seminar/20260824_cfcd/
スピーダスタートアップ情報リサーチ
https://jp.ub-speeda.com/solutions/startup/
総額増の裏で深まる選別――2026年上半期スタートアップ資金調達動向
https://initial.inc/articles/japan-startup-finance-2026h1
夢(boy)
https://open.spotify.com/intl-ja/track/5gIRJeV5Du8T0TTyw2lLb8?si=5e7615367b2d493e
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Facebook、Instagram、Xなど巨大サービスが存在するSNS市場。それでもベンチャーキャピタルは、いまだに「次のソーシャル」を探し続けています。
いま新しいサービスで目立つのが、「IRL(In Real Life)」、つまりオンライン上でフォロワーを増やすのではなく、現実世界で人と会うことを目的にしたサービスです。
今回は、Business Insiderが紹介したソーシャルネットワーキング・デーティング領域のスタートアップを題材に、イベントを通じて人をつなぐサービス、40歳以上を中心に友人づくりを支援するMeet5、スワイプや長いやり取りを減らして実際のデートを促すサービスなどを紹介します。
なぜ、これだけSNSが普及した時代に、あらためて「人と会う」サービスが増えているのか。孤独という普遍的な需要から、既存SNSへの疲れ、デーティングアプリの再設計、そして次の巨大SNSが生まれる可能性まで話しています。
▼ 今回のトピック
・いまVCが再び注目するソーシャルネットワーキング市場
・「IRL(In Real Life)ソーシャル」とは何か
・イベント管理から「人を実際に会わせるSNS」へ進化するサービス
・プロフィールを並べるだけでは人は会わない──グループイベント型への転換
・平均年齢57歳、40歳以上を中心に広がるMeet5
・子どもの独立、引っ越し、退職などで生まれる「新しい人間関係」の需要
・スワイプとメッセージ疲れから始まるデーティングアプリの再設計
・実際にデートへ誘わなければマッチしない、新しいサービス設計
・ソーシャルサービスの根底にある「孤独」と「所属したい」という欲求
・Facebook、GREE、mixiが生まれた時代から考える「タイミング」の重要性
▼ 参考情報
スピーダスタートアップ情報リサーチ
https://jp.ub-speeda.com/solutions/startup/
Read the pitch decks of 18 startups looking to disrupt dating apps and social networking that have raised millions
https://www.businessinsider.com/dating-app-social-network-startup-read-pitch-decks-used-2024-10
【2万人調査】 eスポーツは「見る」だけで終わらない。「応援」の有無で支出額に23倍の差
https://note.com/cellorb/n/n21088fc73a16
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2026年4〜6月の欧州ベンチャー投資額は約240億ドル。過去4年間で最大の四半期となりました。一方で、投資件数そのものが大きく増えたわけではなく、10億ドル以上を調達した4社だけで投資額の約4分の1を占めています。
今回は、CrunchbaseとPitchBookのデータをもとに、欧州ベンチャー市場の現在地を整理します。人工知能への投資集中が進む一方、創薬、ロボティクス、グリーンスチールなど、人工知能を既存産業と組み合わせた大型案件が目立つ欧州。さらに、大型ラウンドを支える米国投資家、ベンチャーデット、事業会社との共同開発、IPOよりM&Aに依存する出口環境まで見ていきます。
後半では、欧州と日本を比較しながら、「そもそも日本にはグローバル基準でいうレイターステージが存在するのか」という問いにも踏み込みます。
▼ 今回のトピック
・2026年4〜6月の欧州VC投資は過去4年間で最大規模に
・4社で欧州全体の投資額の約4分の1を占める大型案件への集中
・英国だけで欧州投資額の約43%を占める構造
・欧州でも進む人工知能への投資集中と、米国との違い
・欧州の大型ラウンドを支える米国投資家──件数では約2割、金額では約7割
・低水準から回復しつつある欧州VCファンドの資金調達
・新興運用会社への資金配分が2020年以来初めて過半に
・VCファンドの資金調達額を上回るベンチャーデットの存在感
・IPOよりM&Aが現実的な出口となっている欧州市場
・Isomorphic Labs、Neura Robotics、Stegraに見る事業会社との深い連携
・「AIツール」ではなく、人工知能を使って産業そのものを作る企業
・米国ほど極端ではなく、日本ほど平坦でもない欧州の資金集中
・グローバル基準で考える「レイターステージ」とは何か
・日本には本当にレイターステージ企業が存在するのか
▼ 参考文献
スピーダスタートアップ情報リサーチ
https://jp.ub-speeda.com/solutions/startup/
Europe Posted Its Strongest Venture Funding Quarter In 4 Years As UK Gains, M&A Holds Up
https://news.crunchbase.com/venture/data-funding-ai-ma-up-europe-q2-2026/
PitchBook European Venture Report
https://pitchbook.com/news/reports/q2-2026-european-venture-report
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IVSのような大型カンファレンスが終わるたび、SNSには決まって同じ感想が流れます。「VCが偉そうだった」。ピッチ中に居眠りされた、返事がいつまでも来ない、独占交渉権を握られたまま条件を切り下げられた——。起業家の側に立てば、思い当たる場面がある方も少なくないはずです。
今回は、この「偉そうに見える」現象を個人の性格ではなく構造の問題として捉え、①資本を選別する側である、②大多数を断る「不採択装置」である、③経験を積むほど既視感を持ちがちになる、④判断を保留するほど得をする、⑤他人のお金を扱う仕事である——という5つの要因から読み解き、批判への反論とVC自身への自戒までを話しています。
▼ 今回のトピック
・アメリカの起業家たちが投稿した「VCホラーストーリー」
・IVS恒例「VCが偉そうだった」というポストはなぜ生まれるのか
・イベントは傲慢さが「増幅」されるセットアップである
・構造①: 資本を配分する「選ぶ側」——就活面接との相似と、需給で逆転する力関係
・構造②: 100社に1社。「不採択装置」としてのVCと期待値の逓減
・構造③: 自動車学校の教官化——初めての資金調達に説教しがちになる理由
・構造④: 判断を先延ばしにするほど得をするインセンティブ
・独占交渉権の期間中に条件を切り下げられた実例(エンジェル投資家として目撃)
・構造⑤: 「広告代理店・官僚とVCは同じ」という批判
・独立系VCのGPは、半分は「お金を調達する側」でもある
・「理不尽なVCはLPに直訴すればいい」は本当に有効か
・VCの職業倫理は、断った99%への接し方に現れる
▼ 参考情報・キーワード
・【激論】VC調達は悪手?田端信太郎と現役VC朝倉さんの意見をDMM亀山会長と聞いてみた
https://youtu.be/ajin1P9R4-8?si=DcbpRzYVgAaUe8jW
・ピッチ中に爆睡するVC、それでも届くタームシート―米起業家たちの実名“VCあるある”
https://open.spotify.com/episode/52a0q6VVs9cPGNGCUhmjYd?si=YqdItzreR1eTX6KHjUKRdw
・キーワード: 不採択装置 / 独占交渉権(エクスクルーシビティ) / LP(有限責任組合員)
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