相鉄20000系 横浜ー湘南台.m4a
快速に乗車し、録音。快速は二俣川より先は各駅停車となる。
〜相鉄20000系について〜
車体
車体は、A-train規格で採用している、アルミニウム合金押出形材を摩擦攪拌接合(FSW)で接合したダブルスキン構造としており、車体衝突時に備えて、車端端部の接合部分の母材化とすみ部の形状を斜めにカットした形状にすることで、衝突時での車両同士の食い込みを防ぐとともに、互いに逃げあう力が掛かるようにしている。先頭車の前頭部は、貫通扉を設置した後退角を大きく取る形状として側面に滑らかに繋がっており、形状に応じて3D切削加工、プレス加工、たたき出し加工などを必要に応じて選択することでこれを実現している。標識灯類は、運用中に交換が必要ないLED灯具を全面的に使用することで、大胆なデザインとしている。また、横浜らしいエレガントさを出すために、前面に装飾的な要素を取り入れており、前面の装飾はアートディレクターである水野学氏が幼少期に親しんだ寝台特急の機関車からんだ着想をえたものであり、現代的なアレンジを施して再生している。車外表示器はセレクトカラー式のLEDとしており、前頭部は運行番号、種別、行先別とに分けたと構成としている。また、セレクトカラー式のLED表示器は一般的な条件の写真撮影では、表示か切れにくいものとしている。
車体の塗装については前述の通り「YOKOHAMA NAVYBLUE」の一色塗りが採用されており、塗装で特徴を持たせることにより、車両細部に完璧を求めなくても標準車両で効果が得やすいメリットがある。
車体長さは、中間車は19500mmだが先頭車は470mm延長して19970mmとしている。従来の11000系までは2,930mmまたは2,950mmとしていた車幅を、本系列では2,770mm(最大2,787mm)としており、相鉄東急直通運転に使用する車両で東急線の規格に合わせた車幅となっている。連結面間には、板式の転落防止幌を備えており、異常時への対策として、手すり付き非常はしごを4号車と7号車の床下にそれぞれ取付けている。
車両情報制御装置(伝送システム)
今後の車両機能の高度化を視野に入れた「Synaptra」を新たに採用している。これは伝送をイーサネットとし、先頭車両の中央ユニットと各車両の端末ユニットをルータでネットワークを組んでおり、制御装置やブレーキ装置などの主要装置との伝送はイーサネットとし、一部の装置との間では、RS485伝送または接点情報のやり取りをインターフェースユニットを介して行う。また、室内灯の調光制御、各種表示装置や放送装置などのサービス機器の制御、保安装置の列車情報の設定なども行い、運行情報が入った運行情報用ICカードは既存車と共通の行路ICカードシステムとしている。
主制御装置、主電動機
主制御装置はIGBT素子とSiC素子を組合わせたSiCハイブリッド素子による、2レベル方式のVVVFインバータ制御装置が採用された。制御方式はベクトル制御としており、回生ブレーキ機能付きとしている。1台の制御装置で4台の主電動機を制御する1C4M構成としており、1両分の4台のモーターを制御する単独1M方式としている。これは編成替えを容易するためであり、9号車のモハ20900、7号車のモハ20700、5号車のモハ20500、4号車のモハ20400、2号車のモハ20200に搭載されている。制御装置本体箱は断流器内蔵としたコンパクトな構成とし、小型軽量化と車両ぎ装を簡素化したシンプルなシステムとしている。
主電動機は出力190 kWの製全閉型内扇冷却式かご形三相誘導電動機が、駆動装置はTD平行カルダン駆動方式が採用されており、保守の軽減と騒音の低減を図っている。歯車比は1:6.06である。
制動装置
制動装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式としており、停止直前まで回生ブレーキが作動する全電気ブレーキとしている。常用ブレーキは編成一括でブレーキ制御を行う編成ブレーキ制御としている。 このほかにも、非常ブレーキ、保安ブレーキ、耐雪ブレーキを装備している。
台車
台車は相鉄としては初となる、軸箱支持装置がモノリンク式のボルスタレス空気ばねであり、動力台車がSS184M、付随台車がSS184Tがである、台車の牽引力を車体に伝達するけん引装置はZリンク式である。基礎ブレーキ装置は、電動台車が踏面片押し式のユニットブレーキ、付随台車が直動式踏面ブレーキとディスクブレーキの併用としている。異方特性のあるダイヤフラム式の空気ばねと併せて曲線通過性能の向上を図っており、急曲線での車輪の軸重抜け対策に、軸ばねに非線形コイルばね、空気ばね用の差圧弁に応加重機能を付けたほか、特性改善された空気ばね用の自動高さ調整弁を採用。また、制輪子(ブレーキパット)の着脱をワンタッチとしている。
集電装置
電磁かぎ外し式のばね上昇式、上昇検知付きのシングルアーム方式であり、11000系用のPT-7103E形から取付ピッチを変更したPT7103G形としている。
補助電源装置
補助電源装置は、三相交流440V、出力260kVAのIGBT素子の3レベル静止形インバータ (SIV)であり、一部の機器は従来車両の更新品と仕様を合わせている。8号車のサハ20800、3号車のサハ20300に搭載されている。電源供給区分は6号車と5号車の間を境に5両分としており、故障の際の延長給電を可能としている。
空気圧縮機
空気圧縮機は、オイルフリーレシプロ方式を採用しており、毎分吐出容量は1,300リットルである。10号車のクハ20000、1号車のクハ20100に搭載されている。
冷房装置
容量を拡大した屋上集中式の58.1 kW (50,000 kcal/h) の冷房装置が各車に1台搭載されており、カレンダー機能と乗車率の検知を基に冷房、暖房ともに年間を通しての全自動運転を基本としている。新たにパラソニック社製「ナノイー」の空気洗浄機を内蔵している。