西武40000系(Sトレイン) 飯能〜渋谷.m4a
飯能にある駿河台大学にラジオの公開収録に行ったときに乗車しました。座席指定の列車で座席指定券を購入し、乗車する。この列車は、練馬で乗機器入替、小竹向原で乗務員交代で停車する。停車時のドアの開閉は行なわない。
ー西武40000系についてー
車体
外観
車両の外観は、30000系同様の西武グループのコーポレートカラーを基調にしつつ、「山の緑と空の青」をイメージした沿線の風景や自然を感じさせるカラーリングを採用。
車体はアルミニウム合金製のダブルスキン構体でありFSW(摩擦攪拌接合)による接合により品質と精度の向上が図られているが、リサイクル性を考慮して、同一の合金を使用する「モノアロイ化」を極力進めており、先頭構体部もアルミ合金とすることで、「モノアロイ化」を図っている。車体の設計においては、コンピューターで車体を3次元構造物として垂直・圧縮・ねじりのほかに振動や衝突などの各種の荷重に対して立体的な解析を行い、それにより車体のそれぞれの強度・剛性を明確化し、車両を設計する有限要素法解析で行い、振動や衝突に耐えられる構造としている。中間車の妻面構体部は、対向する列車が衝突した場合に備えて、妻柱部の強化と端部をカット(Cカット)した形状としている。先頭車の先頭部は前頭構体の強化や先頭部を270mmオーバーハング(前に突き出す構造)とすることで、事故などでの生存空間の確保を実現。前面または側面の種別行先表示器にはフルカラーLED表示器としており、行先などを表示する標準文字色を明るい白色とすることで、視認性向上を図っている。
他社との相互直通運転に対応できるよう、車両幅2,808mmとし、側構体をストレート構造としている。床面高さは、30000系と同一の1,135mmとすることで、ホームとの段差を極力なくしている。
車内
車内は、空間をより広く見せるように、座席の袖仕切や妻引戸にガラスを多用して開放感のある車内となっており、ガラスには桜柄が描かれている。客室扉脇に設置した保護棒には木材を使用しており、側窓ガラスには、紫外線と赤外線を遮断する紫外線・赤外線カットガラスを採用。荷物棚には、荷物棚下部の採光確保や荷物などへの傷付け防止のため、ガラス式としており、高さは、一般部では1,750mmとし、車端部では1,720mmとしている。池袋、元町・中華街方の先頭車(10号車)の運転室側に「パートナーゾーン」と呼ばれるスペースを設け、車椅子やベビーカー利用者に配慮するほか、大型の側面窓を設置し、子供が展望を楽しめるようにしている。先頭車1号車の運転席側と中間車の2・4・9号車の車端には、「車椅子・ベビーカースペース」を備えており、非常通報器と車椅子固定用ロープを設置しているが、2号車3位側と9号車1位側に設置されているものでは妻面に非常用車椅子の格納箱が設置されているため、側窓は無い。各車両の妻面の上部には、空気浄化装置であるプラズマクラスター発生装置が先頭車に2台、4号車に3台、4号車以外の車両に4台が設置されている。車内の天井照明は調光機能(暖色系or白色系の切替え、減光)付きLED照明を採用。省エネ・省メンテナンス化を図っており、天井中央部のレール方向にラインテリア(横流ファン)を設置している。つり手はレール方向のほかに天井中央部の枕木方向にも設置されており、客室扉付近にもレール方向に長さが短いつり手を設置している。つり手は一般部では、高さを1,660mmとしており、つり手の形状を卵をモチーフとした形状としているが、優先席にあるものは識別のためオレンジ色としている。
空調装置は、屋根上に外気取り入れ機能が付いた集中式の出力58.14kW (50,000kcal/h) のものを搭載しており、使用されている冷媒にはR407Cを使用している。乗車率とS-TIMが持つカレンダー情報を基に、季節に考慮した最適な空調モードを、暖房・冷房・除湿・ラインデリア(横流ファン)からの送風の中から自動で選択して運転を行う。レール方向に取付けられたラインデリアは、空調制御器の指令により、運転モードを強・中・弱の3速制御の自動運転としているが、乗務員の指示よる強制運転も可能である、また、暖房装置は座席下部や車椅子スペースにシーズワイヤヒータを取付けており、寒冷期でも十分な能力としている。
客室扉には、戸閉装置をダイレクトドライブモーター方式による電気式ドアエンジンとしており、扉に挟まれた時には、ドアの閉める力を変化させて抜けやすくする戸挟み防止機能を備えている。また、駅での長時間停車時において冷暖房効果を高めるため、半自動機能を備えている。室内側と車外側に客室扉を開閉させる半自動スイッチを装備。
2016年度導入の2編成には、座席をクロスシートとロングシートの両方に切り換えられる天龍工業製の2人掛けシート(デュアルシート)を配置しており、有料座席指定列車として運用する際はクロスシート状態に設定され、それ以外はロングシート状態で運用される。座席1人当たりの着席幅は460mmとし、背面に収納式のドリンクホルダとフックを設けている。また、座席の状態・向きは乗務員室の運転席背面にある腰掛操作ボタンにて設定可能であり、運転台のモニター画面に表示される「転換許可」キーを押せば、各車の妻面に設置された操作スイッチでも転換可能。また、クロスシート時では下部にあるペダルを踏むことで、個別の手動転換が可能である。なお、妻面車端部は3人掛けのロングシートとしている。
情報提供機器として、各乗降ドアの上に17インチ2画面の液晶式情報表示装置(西武スマイルビジョン)を設置し、右側画面には行き先や停車駅・運行情報などを表示し、左側画面には広告やニュース・天気予報などを放映する。これとは別に、2016年度導入分の2編成の車内天井には、中吊り広告に代わるデジタルサイネージ用の17インチディスプレイ2画面を枕木方向に並べて設置しており、1両当たり12 - 16画面が設置されている。
4号車には車いす対応のトイレ(洋式)が設置されている。
主要機器
列車情報管理装置 (S-TIM)は30000系のシステムを踏襲しており、力行とブレーキ時のブレーキトルクを編成で一括管理制御する列車統合制御を行うほか、車両の主要機器との間での伝送経路を2重化して、機器間伝送の信頼性を向上。各車に搭載されたS-TIM箱(Tc車にはNo1とNo2の2つを搭載)に床下機器を集約させることで車体配線の削減を図っている。また、東京メトロの副都心線・有楽町線や東急東横線でのATO/TASC運転対応のため、ATO制御部を統合している。
制御装置はIGBT素子を使用した2レベル電圧形PWMによるVVVFインバータ制御を採用しているが、素子を冷却する1台の冷却器ユニットに対して、4つのインバータ回路を装備した4in1(フォーインワン)インバータユニットとしている。主電動機の制御方式を応答性とトルク制御性に優れたベクトル制御としており、全電気ブレーキと定速運転の機能を有している。また冷却器ユニットの冷却方式を純水によるヒートパイプ水冷方式としている。
補助電源装置はハイブリッドSiC素子を使用した3レベルIGBTインバータ方式の静止形インバータ (SIV) を採用しており、出力は260kVA・三相交流400V・電流341A・周波数60Hzである。編成内に2台搭載しており、編成内の負荷に並列に接続されて同期運転を行い、1台が故障しても、もう1台が継続して編成内の負荷に給電を行う自立分散型並列同期制御と、列車情報管理装置(S-TIM)のネットワークを利用して、編成内の負荷が軽負荷時には、1台の補助電源装置を休止させる軽負荷休止制御の機能をもっている。また、素子を冷却する冷却器ユニットの冷却方式を純水によるヒートパイプ水冷方式としている。
電動空気圧縮機は、三相誘導電動機直結駆動のスクロール回転式であり、吐出し量は1600L/秒で除湿装置と一体箱形で収められており、編成内にモハ40300とモハ40900に2台搭載。
集電装置はシングルアーム式であり、電磁かぎ外し装置と降下検知装置付きである。
主電動機は、6000系6157Fの機器更新時に採用された東芝製の全閉式永久磁石同期電動機 (PMSM) を採用し、全閉式により電動機内の内部清掃を不要としている。
ブレーキ装置は、回生ブレーキ併用全電気指令式電磁直通ブレーキ方式で、空気ブレーキはON/OFF制御弁による各軸制御が可能。これにより、列車情報管理装置(S-TIM)からのブレーキ編成制御により回生ブレーキの有効活用が可能となり、ブレーキ指令を受けて台車ごとに装備されたブレーキ制御装置のブレーキ受量器が台車単位でブレーキ力を演算または管理することで、1両の荷重が偏ってもブレーキ力を適正に配分することができる。また、台車ごとにブレーキ制御装置を装備することにより、空気ブレーキ用の空気配管の短縮が可能となり、ブレーキ時でのブレーキ開始時間の応答時間が約半分となるため、ブレーキ時での空走時間が短縮されている。
台車
駆動方式はWN継手式の中実軸平行カルダン駆動方式を採用。
台車は軸箱支持装置を軸重調整機構付きのモノリンク式としたボルスタレス台車を採用しており、牽引装置はZリング式を採用している。30000系の台車と比較して、台車枠の軽量化や主電動機受座強度向上が図られており、駆動装置の歯車の歯車形状を適正化することで低騒音化も図られている。また、左右の空気ばねの圧力差を調整する差圧弁に応荷重機能を付けた応荷重差圧弁を採用している。形式は制御先頭車と付随車はSS185T形、電動車はSS185M形である