「 #今日発売の気になる新刊 」は、年間7万点も発売される新刊の中から、気になる一冊を選び、平日ほぼ毎日紹介していく番組です。本にまつわるあらゆることを扱う「 #本チャンネル」の看板コンテンツです。本は出会ったときが新刊ですので、ぜひアーカイブも合わせてお楽しみください。
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相田豊(著)『愛と孤独のフォルクローレ――ボリビア音楽家と生の人類学』(世界思想社)4950円(4500円+税)|2024年12月16日発売
レコード販売から体験やつながりの商品化へと舵を切った音楽産業、
社会・産業・学問などあらゆる領域でつながりが称揚されるなかで、
孤独を望む人、つながりを持ちたくても持てない人をどうとらえるべきなのか。
本書は、社会のさまざまな領域にある、つながりの礼賛から距離を置き、
フォルクローレ音楽家の孤独から「関係」とは何かを問い直します。
フォルクローレは、南米先住民の民俗楽器を用いたポピュラー音楽の一つで、
1970年代のボリビアで興隆し、その後定番化しました。
本の中には、演奏中、他の演奏者の音を聴くべきではないと主張するなど、
『百年の孤独』の登場人物にも通じるある種偏狭的な音楽家たちが登場します。
すぐ近くにいる人であっても、「同じ時間を生きていない」と
感じられることから生じる、ラテンアメリカの孤独は、
1990年生まれの著者は、大学でフォルクローレにはまり、
サンポーニャという民俗楽器を演奏し、研究まですることになります。
問いを立てては先行文献を読み、フィールドワークし、問いを検証し、
「あれっ」と思っては、問いを立て直し、人々を観察し、話を聞き、思考を深める。
この繰り返しのプロセスは、一見研究者の地味な作業に思えますが、
本書は、そのドラマを軽やかな筆致で描いた学問エッセイの要素も備えており、
ガクモンの舞台裏に関心がある人にも楽しめる内容です。
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紹介する本は、主にJPROの情報から1ヶ月ほど前に選んでいますが、情報が十分でないと感じています。よろしければぜひ、より早い段階で新刊情報をお寄せください。
https://forms.gle/B7nnBkX5MbfAmM7J8
00:00 『愛と孤独のフォルクローレ――ボリビア音楽家と生の人類学』
21:43 『百年の孤独」をきっかけにラテンアメリカ文化に興味を持った人にも
1990年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了。専門は文化人類学、ラテンアメリカ地域研究。フェルナンド・ヒメネス氏にサンポーニャを師事。ディスコランディア社より自身のCDも発売中。
https://mailtotoibooks.wixsite.com/toibooks
制作スタッフ:西尾清香、神谷周作、生江秀(バリューブックス)