齋藤孝さんの”退屈力”の考え方に目から鱗が落ちる思いでした
曰く
"私が強調したいのは、ある特定の型を身につけるような地道なトレーニングを、ひとつでもきっちり行ってきた人というのは、「退屈力」が備わってると言うことだ。
退屈に耐えられる力という意味だけではない。退屈なことを繰り返すことの意味を知っているのだ。
昔しっかり野球をやっていて、バットの素振りや1000本ノックの経験がある学生がいたとする。
あるいは剣道をやっていて、竹刀の素振りの経験がある学生がいたとする。
そうするとそういう学生に読書のことを教えるのは、経験のない学生に教えるより、比較的簡単である。
それまで全く本を読んでこなかったとしても、反復練習するメンタリティが身についているからだ。
それを思い出させて、要するにその時の心のあり方というのを、ここで応用すればいいんだよ。といえば、「そうか、もう一回素振りなんだ」とわかってくれる。"
ここから私は思いました
1、技能習得のパラドクス
2、コンフォートゾーンを抜け出す体験
3、退屈力が世界を回す
1、技能習得のパラドクス
私は野球少年で、高校生の頃は、甲子園目指す!とか本気で言っていた熱い青春時代を過ごしていたのですが、今思い出すと毎日素振りやってました。
ブンという音がいかに鋭く大きく鳴るかみたいなことや、ピッチャーが直球来た時、とか、カーブだ、とか、イメトレもしながらやっていて、その成果として、本当にヒット打てた時とか、めちゃくちゃ嬉しかったのを思い出しました。
伊藤亜沙さんが言われている、技能習得のパラドックスの話が大好きなのですが、逆上がりや、自転車など、頭では出来っこないと思ってることが、体を動かして何度も失敗してるうちに、ある日突然、出来ちゃうようになる
こらは、実は頭で考えてることを、身体が越えることがある、それを技能習得のパラドクスと呼ばれてるのかと私は思うのですが、そこには、斉藤孝さんの言われる、退屈力がとても重要な役割かと思いました
何度も何度もゴールが見えない、理解できないけど、チャレンジし続けられる人には、きっと退屈力が備わっていて、いつかゴールを切る日が来る、そんなことを思いました
2、コンフォートゾーンを抜け出す体験
アンダースンさんの「超一流になるには才能か努力か」から、超一流になる条件として、1最高の先生、2コンフォートゾーンを抜ける、3、自分を信じる、ということが大切という私の解釈ですが
その中の、コンフォートゾーンを抜け出すためには、斉藤さんの言われる"退屈力'がとても大切だと感じました。
それは、常にできないことを超えていかなければ、ゴールには辿り着けないからで、その見えないゴールをみながら、やり続ける力、すなわち退屈力があるからこそ、みえないゴールに辿り着けるのだろうなあと思いました
3、退屈力が世界を回す
太刀川さんの進化思考における、進化と適応、この両方とも世の中を回すためには必要なわけですが、この退屈力は、どちらにも必要なのですが、より適応の方面に必要な気がします
それは、例えば、電車を時間通りに動かすとか、金融ネットワークを滞りなく動かすとか、実は地道な積み重ねの中で、キッチリカッチリできるようになってくるものだからこそ、それは外から見ると華々しくはないけれども、社会の大半はそういうことで動いていると思います
イノベーションというと、華々しく聞こえるけれども、進化型とは、一見逆の方向に見えてても、適応型に必要な退屈力が、実は世界を回している大切な機能だと思いました
そういう意味で
一言で言うと
”退屈力”が世界を回すノベーション
そんなことを思いました^ ^
参考:本:退屈力 著者 齋藤孝 2008/4/17 出版 文藝春秋
動画で見たい方はこちら
https://youtu.be/QyguwdNehBg