「見て! 驛の上!」驛の上空から、怨念の光の束が一本の柱となって立ち昇り、一直線に南東の方角へと向かった。誘導ミサイルの動きを見るようだ。途端に、地震のような揺れが襲った。何が起こったのかと、見通しのいい大博通りに出て、その理由がわかった。「博多駅が、沈みよる!」巨大な駅ビルが、まるでタイタニック号のように、ゆっくりと地下に沈み込もうとしている。「驛長は、博多市の怨念ば集めて、博多市ば実現するって言いよったとに……」カタハネたちはようやく、驛長にいいように利用されていたことがわかったようだ。「お前たちが、驛長やらに騙されて、博多市の怨念ば山んごと集めたけん、こげなことになったとやろうが!」ハンの者たちが、カタハネたちに詰め寄った。互いの羽を激しく震わせて威嚇しあう。一触即発だ。「あんたたち、いい加減にせんねーっ!」「今は博多がひっちゃんがっちゃんになるかもしれん瀬戸際におるとよ!誰が悪かとか、どげんでんよかけん、協力して博多駅ば沈没から守らんね!」