オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
<我らの文学67 魯迅「故郷」11(第31~44段落) ラジオ収録20210601>
翻訳 レオー(中国語講師・美術家)
翻訳 楠元純一郎(法学者)
監訳・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
参加者 何激(東洋大学大学院博士後期課程1年)
刘凯戈(東洋大学大学院法学部5年)
现在我的母亲提起了他,我这儿时的记忆,忽而全都闪电似的苏生过来,似乎看到了我的美丽的故乡了。我应声说:
今、私の母から彼について話があり、私はこの子どもの頃の記憶が突然、電光の閃きのごとく蘇り、私の美しい故郷をやっと見た思いがした。私はすぐにこう答えた。
“这好极!他,——怎样?……”
「それはいいな。彼は今どうしている?・・・」
“他?……他景况也很不如意……”母亲说着,便向房外看,“这些人又来了。说是买木器,顺手也就随便拿走的,我得去看看。”
「彼?・・・彼は景気が今もあまりよくないみたい・・・。」母はそのように言いながら、戸外に目を向けた。「この人たち、また来ている。木器を買うと言いながら、その辺にある物を勝手に持っていくんだよ。ちょっと見に行かなきゃ。」
得 dei3 =must
母亲站起身,出去了。门外有几个女人的声音。我便招宏儿走近面前,和他闲话:问他可会写字,可愿意出门。
母は立ち上がって出て行った。門の外では数人の女性の声がしていた。私は宏儿をこちらに呼んで、彼と話をした。そして、彼に字が書けるかどうか、他所へ出ていくつもりなのか尋ねた。
“我们坐火车去么?”
「我々は汽車に乗って行くの?」
“我们坐火车去。”
「そうだよ。」
“船呢?”
「船は?」
“先坐船,……”
「はじめに船に乗って。」
“哈!这模样了!胡子这么长了!”一种尖利的怪声突然大叫起来。
「はあ、こんなになって!こんなに髭を長くして!」突然、甲高い叫び声がしてきた。
我吃了一吓,赶忙抬起头,却见一个凸颧骨,薄嘴唇,五十岁上下的女人站在我面前,两手搭在髀间,没有系裙,张着两脚,正像一个画图仪器里细脚伶仃的圆规。
私は驚いてとっさに頭を上げてみると、頬骨の出た唇の薄い50歳ぐらいの女性が私の前に立っていて、両手を腰にあてがい、スカートではなくズボンを穿き、まるで、製図用の足の細いコンパスみたいだった。
我愕然了。
私はぎょっとした。
“不认识了么?我还抱过你咧!”
「忘れたの?私はあなたをよく抱っこしてあげたのよ。」
我愈加愕然了。幸而我的母亲也就进来,从旁说:
私はますますぎょっとした。幸いにも、母もちょうどやってきて、そばから次のように言った。
“他多年出门,统忘却了。你该记得罢,”便向着我说,“这是斜对门的杨二嫂,……开豆腐店的。”
「彼は長い間、家を出ていたから、みんな忘れちゃったわね。あなたは、覚えているはずよ。」と私に向かって言った。「こちらは筋向かいの楊おばさんよ。・・・お豆腐屋の。」