オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
パーソナリティー 楠元純一郎 東洋大学教授
パーソナリティー レオー 美術家
ゲスト 松尾欣治 哲学者・大学外部総合評価者
<われらの法学入門13(お金と法律、為替、手形・小切手、クレジットカード)>
ラジオ収録20200719村田彰編『リーガルスタディー現代法学入門』(中央経済社・2018年)参照
1 お金と法律
お金=金銭の定義
お金に関する法律 →「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」
日本の貨幣単位→「円」
通貨(つうか)→貨幣(金属)および日本銀行が発行する銀行券(紙幣)
金銭債権
金銭債権の目的(給付内容)→金銭の給付(民402条)
債務の履行→金銭債権の目的となっている一定金額に相当する数量の通貨を債務者から債権者に移転させること。
通貨(法貨)→受領強制力(強制通用力)→債権者は原則として債務者から提供された通貨の受領を拒絶できない。ただし、当事者間の合意(特約)があれば、預金口座への振込、電子マネー、クレジットカードでも可能→弁済の効力
仮装通貨
金融技術(Fin Tech)により作られたもの
仮装通貨→「電子的に記録され電子情報処理組織を用いて移転することができる財産的価値であり、不特定の者に対して物品購入や役務提供の対価の支払いのために使用され、法貨による売買あるいは他の仮装通貨との交換が可能であるもの。」
資金決済に関する法律(資金決済法)(2016)→仮装通貨は法貨ではないが、財産的価値があり、法貨との交換が可能で、かつ、当事者の合意があれば取引において支払い手段として使用可能。→仮装通貨交換業者は登録制。
金銭債務不履行の特則
金銭債務不履行→履行不能はあり得ない。履行遅滞のみ。
民419条←民415条、416条は適用されない。
金銭債務不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める(民416条1項)。←通常損害、予見可能な特別損害等の実損害賠償の概念なし。
債務者は損害を被ったことについての証明をする必要なし(同条2項)。
金銭債務の債務者は不可抗力により履行遅滞に陥った場合でも責任を免れることができない(同条3項)
金銭所有権
占有あるところに所有権あり(占有=所有権)
お金を盗んだ泥棒にもその所有権が移転。
真の所有者→不当利得返還請求権→泥棒
昭和六十二年法律第四十二号
通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
(趣旨)
第一条 この法律は、通貨の額面価格の単位等について定めるとともに、貨幣の製造及び発行、貨幣の種類等に関し必要な事項を定めるものとする。
(通貨の額面価格の単位等)
第二条 通貨の額面価格の単位は円とし、その額面価格は一円の整数倍とする。
2 一円未満の金額の計算単位は、銭及び厘とする。この場合において、銭は円の百分の一をいい、厘は銭の十分の一をいう。
3 第一項に規定する通貨とは、貨幣及び日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第四十六条第一項の規定により日本銀行が発行する銀行券をいう。
(債務の支払金の端数計算)
第三条 債務の弁済を現金の支払により行う場合において、その支払うべき金額(数個の債務の弁済を同時に現金の支払により行う場合においては、その支払うべき金額の合計額)に五十銭未満の端数があるとき、又はその支払うべき金額の全額が五十銭未満であるときは、その端数金額又は支払うべき金額の全額を切り捨てて計算するものとし、その支払うべき金額に五十銭以上一円未満の端数があるとき、又はその支払うべき金額の全額が五十銭以上一円未満であるときは、その端数金額又は支払うべき金額の全額を一円として計算するものとする。ただし、特約がある場合には、この限りでない。
2 前項の規定は、国及び公庫等(国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律(昭和二十五年法律第六十一号)に規定する国及び公庫等をいう。)が収納し、又は支払う場合においては、適用しない。
(貨幣の製造及び発行)
第四条 貨幣の製造及び発行の権能は、政府に属する。
2 財務大臣は、貨幣の製造に関する事務を、独立行政法人造幣局(以下「造幣局」という。)に行わせる。
3 貨幣の発行は、財務大臣の定めるところにより、日本銀行に製造済の貨幣を交付することにより行う。
4 財務大臣が造幣局に対し支払う貨幣の製造代金は、貨幣の製造原価等を勘案して算定する。
(貨幣の種類)
第五条 貨幣の種類は、五百円、百円、五十円、十円、五円及び一円の六種類とする。
2 国家的な記念事業として閣議の決定を経て発行する貨幣の種類は、前項に規定する貨幣の種類のほか、一万円、五千円及び千円の三種類とする。
3 前項に規定する国家的な記念事業として発行する貨幣(以下この項及び第十条第一項において「記念貨幣」という。)の発行枚数は、記念貨幣ごとに政令で定める。
(貨幣の素材等)
第六条 貨幣の素材、品位、量目及び形式は、政令で定める。
(法貨としての通用限度)
第七条 貨幣は、額面価格の二十倍までを限り、法貨として通用する。
(磨損貨幣等の引換え)
第八条 政府は、磨損その他の事由により流通に不適当となつた貨幣を、額面価格で、手数料を徴収することなく、財務省令で定めるところにより、第二条第一項に規定する通貨と引き換えるものとする。
(貨幣の無効)
第九条 貨幣で、その模様の認識が困難なもの又は著しく量目が減少したものは、無効とする。
(造幣局による貨幣の販売)
第十条 造幣局は、次に掲げる貨幣であつて財務大臣が指定するものを販売するものとする。
一 その素材に貴金属を含む記念貨幣のうち、その製造に要する費用がその額面価格を超えるもの
二 特殊な技術を用いて製造し表面に光沢を持たせた貨幣
2 前項の貨幣の販売価格は、当該貨幣の製造に要する費用及び当該貨幣の額面価格を下回らない範囲で、当該貨幣の発行枚数及び需要動向を勘案し、政令で定める。
3 造幣局は、第一項の貨幣以外の貨幣で容器に組み入れられたものを実費により販売するものとする。
4 日本銀行は、第一項又は前項の規定により販売の用に供する貨幣を、財務大臣の定めるところにより、造幣局に交付するものとする。
5 造幣局は、政令で定めるところにより、第一項の規定により販売した貨幣の販売収入から販売に要する費用を控除した金額を国庫に納付するものとする。
2 為替(かわせ)
為替とは、隔地者間での資金移動を、直接現金を輸送せずに、金融機関等の第三者を介して実現する仕組み。
外国為替→レート 1ドル110円→120円(円安)、100円(円高)
為替→①送金為替、②取立為替
内国為替→全銀システム(全国銀行内国為替制度)→オンラインで円滑な決済
代表的な為替取引
振込→振込依頼人が仕向銀行に対し、受取人の預金口座に一定額を入金依頼→受取人の口座のある被仕向銀行が当該預金口座に指定された金額を送金する方法。
手形(為替手形)・小切手→もっぱら企業間決済としての為替取引→減少傾向
3 手形・小切手
<約束手形> (支払いを繰り延べて、満期日に支払うことを約束する支払約束証券)
小売店(仕入1)← 卸売業者(裏書人)(仕入2)← メーカー(被裏書人)
振出人 →約束手形の振出 →裏書(譲渡) →手形割引→銀行
↑
←―――――――――――――――――――――――――――――
満期日に手形金請求
<為替手形> (支払人(他人)に支払わせる支払委託証券)
買主A(支払人) ← 売買契約 → 売主B(振出人)
↑ |
| 支払い請求 | 為替手形の振出
| ↓
D取引銀行←――――――――――――――――――C取引銀行(受取人)
(被裏書人) 裏書譲渡 (裏書人)
<小切手>
買主 ← 売買契約 → 売主
(振出人) →小切手の振出し→ (受取人)
↑ ↙
| ↙
| ↙ 支払請求
↓ ↙ 振出日の翌日から10日以内 (常に一覧払)
取引銀行
(支払人)
4 クレジットカード (割賦販売法)
(売主) (買主)
クレジットカード会社 ←(1)加盟店契約→ 加盟店 ← 顧客
| (カード利用者)
| ←(2)カードの提示
| → ↑
| (3)請求額の支払い |(4)口座引落
| ↑
→ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー→